6月29日(土)放送の『世界ふしぎ発見!』(TBS系)で、「テルマエ・ロマエ」の作者・ヤマザキマリも驚くイタリア・ヴェスビオ山の噴火とポンペイ最後の日に関する新発見を送る。
ヴェスビオ山の噴火によって火山灰に埋もれた悲劇の街、イタリアのポンペイに関する驚きの発見について、イタリア以外のメディアで世界初取材する。
驚きの発見とは、これまで西暦79年8月24日だったと考えられてきたヴェスビオ山の噴火が、少なくとも「10月17日より後」だったと判明したというもの。歴史が書き換えられる発見の詳細を緊急リポートする。
番組では、1986年に初めてポンペイの最後を取材。以降4回にわたって取り上げてきたが、今回担当の阿部修英ディレクターが旧知の研究者にリサーチしたところ、2018年10月に、この噴火日に関する大発見があったことが分かった。しかもこの情報は、イタリア以外では公開されていないという。阿部ディレクターは発掘現場の責任者に何度もメールを送り、取材をしたいという熱意を伝えた。その結果、ポンペイ取材の実績がある『世界ふしぎ発見!』からのオファーということもあり、今回特別に許可がおりた。
“大発見”が出土したのは、観光客が数多く訪れる遺跡から少し離れた場所で、現地の人でも近づけない入り口から入ったところにある遺跡。発掘隊が火山灰で埋まったある邸宅の調査を進めていたところ、壁に「10月17日にオリーブオイルの瓶を代わりに受け取った」と記されているのを発見した。8月に噴火が起きたのであれば書かれるはずのない日付だ。このことと、さらに発掘された数多くの証拠から、発掘責任者は「噴火は夏ではなく、秋だったことは間違いない」と話す。
ヴェスビオ山の噴火が、これまで定説だった夏から秋に季節が変更されることで、被害に遭った人々の身分や衣服、その日の暮らしぶりなども再考されることになる。これまでポンペイの最後をテーマにした映画は何度も作られてきたが、今後はこのような企画にも影響を与えることになるかもしれない。
この遺跡は同時期に他国のクルーも取材申請していたが実現しておらず、現場は保存のためにいったん封鎖される予定で、番組では千載一遇の機会に貴重な映像が記録された。
スタジオで遺跡の映像を見た黒柳徹子ら解答者たちは一様に驚きを見せるが、特に興味深く見つめていたのが、「テルマエ・ロマエ」の大ヒットで知られる漫画家のヤマザキマリ。ヤマザキが現在、共同執筆中の作品「プリニウス」は、まさにこの時代の古代ローマとポンペイを舞台にしている。主人公はヴェスビオ山の噴火によりポンペイで命を落とした博物学者のプリニウス。ヤマザキは「私の漫画を描き替えることになりそうな大発見です」と興奮。「このようにして研究を重ねて新たな事実が判明するところが歴史の面白いところ。『世界ふしぎ発見!』で紹介されることで、ポンペイについても考えを改める人も出てくることでしょう」と感想を語る。
この日の収録で初めて『世界ふしぎ発見!』の解答者に挑戦したヤマザキは「歴史好きなので『世界ふしぎ発見!』はよく拝見する番組なのですが、見るのと出演するのは大違い。ヒトシくん人形をどのように賭けるのか分からず戸惑ってしまいました。リポートで出てきたポンペイやイタリアの各所は、足を運んだことのあるところばかりでしたが、そんな私でも知らない話題があり、漫画のネタを頂くことができてありがたかったです」と語った。
番組では噴火日についての発見のほか、ポンペイの遺跡を巡り貴族の邸宅や浴場、遠く離れた水源から浴場に水を運んだ水道システム、闘技場などを紹介。日本は弥生時代だった同時代に、古代ローマの文明がいかに豊かに進んでいたかを紹介する。
『世界ふしぎ発見!』
TBS系
6月29日(土)後9・00~9・54
©TBS