映画「いなくなれ、群青」大ヒット御礼舞台あいさつが行われ、飯豊まりえ、松岡広大、柳明菜監督、菅原大樹プロデューサーが登壇した。
飯豊と松岡は高校時代、クラスメイトだったこともあり、冒頭から松岡は「今日元気ないね？テンション低いよ？」と飯豊をイジるなど仲の良さをうかがわせた。しかし「仕事の場なので役者としてある程度距離は取ってました！」と松岡。飯豊については「最初うるさかったんですけど、終始、さらにうるさくなっていました！」とお互いをよく知る2人ならではのトークで客席を沸かせた。これを受けて、柳監督は「撮影が始まる直前までいつもの感じだったんですけど、“よーい”って合図を出すと真辺の顔になるんです！」と飯豊の切り替えの早さを明かした。
飯豊は映画のラストシーンについて「最後、七草（横浜流星）と真辺（飯豊）はラブだったのか友情だったのか、何で手をつないだのか、って思いませんか？」と映画を見た直後の観客に問いかけ「本当は手をつなぐ前にせりふがあったんです。七草といくつかせりふがあって『じゃあ私を一人にしないで』『分かった！』って言って手をつなぐ、というとてもすてきなやりとりがあったんです！」と熱く語った。
菅原プロデューサーは「監督ともいろいろディスカッションし、ラブを言及せずに感じてもらえたほうがきれいかなと思い、映画のラストシーンとして決断しました。正直、役者があんなに頑張ったのに切るのか…、という気持ちはありました」と泣く泣くカットした理由を説明した。
また、あらためて本作を映画館で見たという松岡は「人格って7割くらいは人に言われた言葉で出来ているなと思いました。例えば“明るいね”“元気だね”とたくさん言われることでだんだんそれが自分なんじゃないかと思ってくる。だから水谷（松本妃代）は八方美人になってしまって、本当の自分が分からなくなる。それでかりそめの自分を作ってしまうのかなと感じました」と新しい発見を明かした。
飯豊は自身が演じた真辺について「私にとって真辺はまぶしすぎるんです。似てると言われますけど、全然そんなことなくて、逆に真辺みたいにいなきゃ、と思っています！」と語り、柳監督は「真辺ってとっつきにくい性格に見られがちなんですけど、それをかわいく見せたいと現場でも話しました」と撮影時のエピソードを明かした。
最後に菅原プロデューサーは「一見固く見られがちな本作ですが、実は今日のこの2人のようなムードがキャスト陣にはあって、そういうところも楽しんでいただきたいと思って、9月13日から19日まで期間限定で全国の映画館で上映後だけに観れる特別映像を企画しました。完成披露の舞台裏の密着映像ですが、ぜひそういうギャップも楽しんでいただけたらうれしいです」と紹介。
柳監督は「2週目からお客さんがさらに増えているなんて奇跡です。飯豊さんが女優として輝いている作品として自信を持っています！」と。
飯豊は「今日は普段の姿を見せてしまって恥ずかしいです。この作品に出合えて、もっとありのままの自分を愛してあげようかなと思いました。映画を作ったのは私たちですが、広めていただくのに皆さんの力をお借りしたいなと思っています。約束しよう、また皆さんに会えるように！」と、照れながら劇中の真辺のせりふで呼びかけた。
映画「いなくなれ、群青」
公開中
原作：河野裕『いなくなれ、群青』（新潮文庫nex）
出演：横浜流星 飯豊まりえ
矢作穂香 松岡広大 松本妃代 中村里帆
伊藤ゆみ 片山萌美 君沢ユウキ 岩井拳士朗／ 黒羽麻璃央
監督：柳明菜
脚本：高野水登
音楽：神前暁
主題歌：Salyu「僕らの出会った場所」
主題歌プロデューサー：小林武史
配給：KADOKAWA／エイベックス・ピクチャーズ
©河野裕／新潮社©2019映画「いなくなれ、群青」製作委員会