10月6日(日)放送の『世界遺産』(TBS系)で、10月22日(火)に予定されている「即位礼正殿の儀」とご即位パレードに先立ち、特別企画「天皇家の京都」が放送される。
京都の17の寺社仏閣が「古都京都の文化財」として世界遺産になっているが、その中でも最も天皇家とゆかりの深い仁和寺を軸に1年がかりで撮影。中でも6年にわたる修復を終えた観音堂と春の桜を、8Kカメラで撮影。キヤノンの8Kカメラでの撮影は民放初となる。超高精細撮影、四季折々の美しい映像とともに、皇室が育んできた京文化の世界を送る。
仁和寺は皇族が代々住職を務めた日本最古の門跡寺院で、出家した宇多天皇が住まわれたことから「御室御所(おむろごしょ)」と呼ばれた。実際、仁和寺の御殿は京都御所の造りと似ている。御所の紫宸殿前には桜と橘の木が植えられているが、仁和寺の御殿前にも桜と橘の木が御所と同じに配置されている。その他、まだまだある天皇家とのつながりを描く。
さらに、仁和寺で咲く「御室桜」。古くから「桜は東の清水、西の御室。清水の桜散りたる頃御室の桜咲かんなり」と書かれてきた御室桜。遅咲きでやや背の低い独特の桜だ。200本もの桜が境内で満開になる春の様子は圧巻だ。
仁和寺の金堂は、約400年前に御所から移築された紫宸殿で、現存する最古の紫宸殿であり、国宝に指定されている。改築された現在の京都御所の紫宸殿はこの金堂を参考に造られた。
秘仏であり国宝の薬師如来坐像を特別に撮影。900年以上前に作られ、歴代門跡のみがその厨子を開けることができた。通常は公開されておらず、一般人はめったに見ることができない薬師如来像だ。
さらに、通常は非公開の観音堂。6年がかりの修復を終え、創建当時(373年前)の輝きを取り戻した姿を、超高精細の8Kカメラで撮影した。なお、修復を終えた記念として9月7日~11月24日に一般にも特別公開される。番組では、8K撮影・編集した映像を、フルハイビジョンに変換して紹介する予定だ。
また、仁和寺に伝わる華道の流派が「御室流」。今に続く京文化の精華、華道の世界を描く。見事な日本庭園で有名な天龍寺も、後醍醐天皇の菩提寺として天皇家のゆかりのある世界遺産。桜咲く嵐山を借景とした春の庭園の美しさが見どころだ。
<プロデューサー・堤慶太 コメント>
1996年に番組がスタートしたときに、「人類共通の財産である世界遺産を、最新の技術で記録し、未来に残す」というコンセプトを掲げ、以降24年続けてきました。ハイビジョン、4Kと他に先駆けて導入し、技術の進歩は映像表現の幅を広げてくれました。そして京都・仁和寺で行った初の8K撮影。今回はフルハイビジョンに変換して放送しますが、特徴である精細感・立体感は楽しめると思います。ぜひご覧ください。
<キヤノン株式会社 イメージソリューション事業本部 副事業本部長 枝窪弘雄さん コメント>
キヤノンの8Kカメラは、圧倒的な解像度をもちながら小型・軽量であることが特長で、クレーンに載せるなど、機動性を生かした撮影が行えました。また、ハイダイナミックレンジでの撮影が可能なため、屋外から観音堂内部に入るシーンなど、明暗差の大きな部分でもなめらかな諧調表現を実現できました。
実物を忠実に再現し、アーカイブすることは8K技術の大きな意義だと考えています。今回のような貴重な機会での撮影に、キヤノンの機材が貢献できたことは大変光栄です。
『世界遺産』
TBS系
10月6日(日)後6・00~6・30
©TBS