井上真央主演の『土曜ドラマ「少年寅次郎」』(NHK総合)が10月19日(土)にスタートする。今月行われた試写会には、井上をはじめ、毎熊克哉、泉澤祐希、岸井ゆきの、藤原颯音が出席し、作品への思いを語った。
本作は、山田洋次監督が小説で描いた映画「男はつらいよ」シリーズの主人公・車寅次郎の少年時代をドラマ化。映画では描かれていない寅次郎の出生の秘密から子供時代、思春期を描く。寅次郎の育ての親・車光子を井上、寅次郎の父・平造を毎熊、子供時代の寅次郎を藤原が演じる。脚本は岡田惠和、語りは原由子が担当する。
初めて見た映画が「男はつらいよ」だったという井上は、「『男はつらいよ』シリーズ50周年にこういうかたちで携われることをうれしく思います。子供時代を演じた寅ちゃん(藤原)が本当にかわいくて、子供たちの笑顔もすてき。毎熊さんはいいだめ親父っぷりですし、安定の泉澤さんと岸井さんはセットにいるだけで安心できて、私もイチ寅さんファンとしてこの作品を楽しんで挑むことができました」と撮影を振り返った。
一番楽しかったシーンについては、「まずセットを見て“寅さんの世界観だ”って感動しました。ちゃぶ台をみんなで囲んでいる食卓のシーンは全部楽しかったですし、けんかしたり、泣いたり、永遠にここでお芝居できるんじゃないかなと思いました」と語った。
作品については「寅さんファンの方はもちろん、そうでない世代も楽しめる作品になっています。ぜひ家族で食卓を囲みながら、『だめだね~』なんて言いながら見てください。私もこの作品で“ベストオブ割烹着”を目指して、割烹着を着倒していますので、そこにも注目してください(笑)」とアピールした。
役作りについては「聖母のようなさくらさん(倍賞千恵子)を彷彿させる母親にしたかったんですが、映画を見れば見るほど倍賞さんにはかなわないですし、それがプレッシャーで…。優しさを持ちつつ、ちゃきちゃきした下町のお母さんにしようと思いました。あとは現場で子供たちと会った感覚を大事に、寅ちゃんにお母さんにしてもらいました」と。
役作りのために藤原と話さないと決めていたという毎熊は「(藤原が)『お父ちゃん、お父ちゃん』と言ってずっとついて来るんです。待合室までお菓子を持ってきて『お父ちゃんも食べなよ』とか言うので、もう諦めて、学校や宿題のことなどいろんな話をしました(笑)。そんな時間を過ごしているうちに本当の父親になれたような気がします」と語った。
子供時代の寅次郎を演じた藤原は「撮影はバラバラでやっていたので、(完成を)見た時にちゃんとつながっていてびっくりして、2話はどうなっているのかめちゃ待ち遠しい感じでした」と感想を語った。その後、毎熊から耳打ちをされた藤原は、「一番好きな女優さんは井上真央さんです」と恥ずかしそうに告白。すると井上が藤原の頭をなでながら「すみません、仕込みです(笑)」と明かした。
映画「男はつらいよ」では“おいちゃん”でおなじみの車竜造を演じた泉澤は、「1話を見て真央ちゃんにすぐ『すごくよかったよ』って連絡をしたら、真央ちゃんから『ありがとう。なんかあげるね』って返ってきたんですが、まだ何ももらっていない(笑)。現場では子供たちのパワーがすごくてそれに勇気づけられています」と。
竜造の妻・つねを演じた岸井は「私は家族にさえ遠慮して生きているので、こんなに家族や親戚と会話することができるんだと思ってすごく新鮮な気持ちで楽しくやらせていただいています。私が生まれる前からある映画の世界に入れるということは、このお仕事をしていてもなかなかないことなので胸がいっぱいです」と語った。
『土曜ドラマ「少年寅次郎」』
NHK総合
10月19日(土)スタート
毎週(土)後9・00~9・49
BS4K
10月16日(水)スタート
毎週(水)後7・50~8・39