「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」ついに公開決定!構想30年、頓挫の過程も映画化された異色作

映画
2019年11月07日
「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」

 映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」が、2020年1月24日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開されることが決定し、ポスタービジュアルが解禁された。

 本作は、スランプに陥ったCM監督トビーが、10年前に撮影した映画「ドン・キホーテを殺した男」でドン・キホーテ役に抜擢した老人ハビエルと再会したことで、奇怪な旅路に巻き込まれていく物語。

 構想30年、9回も企画が頓挫し、その過程はドキュメンタリー映画「ロスト・イン・ラ・マンチャ」(02)として上映された異色作だ。

 1989年の構想開始から約30年をかけ、数々の障害を乗り越えて本作を完成に導いたのは、モンティ・パイソンのメンバーとしても知られる鬼才テリー・ギリアム。

 2000年にスペイン・マドリードで撮影が始まるが、撮影現場周辺を軍用戦闘機が飛び交い、あえなく中断。さらに鉄砲水に襲われ、撮影機材が流出し、景色も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。何とか撮影を続けようと試みるが、ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールが腰痛を訴え、歩くことも不可能になり企画が頓挫。その後も資金繰りやキャスティング、権利関係の問題により幾度も企画が頓挫したが、不屈の精神で再び立ち上がり、ついに劇場公開にたどり着いた。

 ジョニー・デップやユアン・マクレガーなど、そうそうたる俳優たちが決定しては消えた主人公トビー役を最終的に射止めたのは「パターソン」(16)や「ブラック・クランズマン」(18)、そして新作「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(19)などの話題作に出演したアダム・ドライバー。

 自分をドン・キホーテと信じる老人ハビエル役を、人気TVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』(15、16)に出演し、監督のテリー・ギリアムとは「未来世紀ブラジル」(85)など4度目のタッグとなるベテラン俳優ジョナサン・プライスが演じる。

 トビーのボスを「パイレーツ・オブ・カリビアン」「アベンジャーズ」などに出演した名優ステラン・スカルスガルドが演じ、ボスの妻でトビーを誘惑するジャッキを「007/慰めの報酬」(08)、「オブリビオン」(13)などに出演したオルガ・キュリレンコ。その他に、ポルトガルのゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど今後の活躍が期待されている新進女優ジョアナ・リベイロ、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」(11)でスパニアード役を獲得したオスカル・ハナエダ、「ハリー、見知らぬ友人」(00)でセザール賞を受賞したセルジ・ロペスら、期待の若手俳優から実力派ベテラン俳優が脇を固める。

 解禁されたポスタービジュアルでは、一本の映画により人生が大きく変わってしまったハビエルやトビーだけでなく、幾度となく企画が頓挫し、人生を狂わされたテリー・ギリアム自身も暗示するかのような「映画が、全てを狂わせる」というキャッチコピーが印象的に用いられている。

 そして、ドン・キホーテが木馬にまたがり、空に剣を掲げている姿が神々しく描かれ、ドン・キホーテの夢想の象徴ともいえる風車と巨人や、巨大な掌に立ちすくむトビーの姿など、夢と現実が混在するテリー・ギリアムらしい世界観が現れている。

映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」
2020年1月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

<ストーリー>
仕事への情熱を失くしたCM監督のトビーは、スペインの田舎で撮影中のある日、謎めいた男からDVDを渡される。偶然か運命か、それはトビーが学生時代に監督し、賞に輝いた映画「ドン・キホーテを殺した男」だった。舞台となった村が程近いと知ったトビーはバイクを飛ばすが、映画のせいで人々は変わり果てていた。ドン・キホーテを演じた靴職人の老人ハビエルは、自分は本物の騎士だと信じ込み、清楚な少女だったアンジェリカは女優になると村を飛び出したのだ。トビーのことを忠実な従者のサンチョだと思い込んだ老人は、無理やりトビーを引き連れて、大冒険の旅へと出発するのだが──。

監督:テリー・ギリアム
出演:アダム・ドライバー
ジョナサン・プライス、ステラン・スカルスガルド、オルガ・キュリレンコ、ジョアナ・リベイロ、オスカル・ハエナダ、ジェイソン・ワトキンス、セルジ・ロペス
ロッシ・デ・パルマ、ホヴィク・ケウチケリアン、ジョルディ・モリャ

脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ
製作:マリエラ・ベスイェフシ、ヘラルド・エレーロ、エイミー・ギリアム
日本語字幕:松浦美奈
配給:ショウゲート

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