舞台「罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~」の記者発表が行われ、佐藤B作、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、小林麻耶、菅原りこ、あめくみちこ、鈴木杏樹、片岡鶴太郎が登壇した。
本作は、1996年に三谷幸喜が「劇団東京ヴォードヴィルショー」のために書き下ろしたシチュエーションコメディを9年半ぶりに上演。ある日の午後、高級マンションの1室。以前この部屋の持ち主だった鏑木(佐藤)が、テレビの修理屋を装ってやってくるところから始まる。そこから、ちょっとした嘘のはずが、繕えば繕うほどに、いつの間にか大ごとになっていく。
鏑木研四郎を演じる佐藤は「20何年前に三谷君が書き下ろしてくれて、そこから2度手を加えてくださいまして。その都度、登場人物が増えて、より笑いが増えていきました。この舞台は、開始1分で緊張感がいっぱいになって、芝居が進むにつれてどんどん大変な状況になっていきます。よくあるシチュエーションコメディですが、そこをどう役者たちがお客さんたちをこの世界に引きずり込むのか、笑いの渦に巻き込むかっていうのが勝負だと思います」と。
続けて「一人一人の人間がよく見えて、リアルな人間関係があればあるほど、この芝居は面白くなっていくと思いますので、たっぷり稽古をして、スリルとサスペンスにあふれた舞台にしたい」と意気込みを語った。
鏑木の娘・ちよみの恋人の堤万次郎役の辰巳は、念願の三谷作品の出演に「世界観にどっぷり浸かって、堤君として舞台上で生きていけたらいいなと思います」と。喜びのいっぽう、驚いたこともあったそうで「台本を頂いたんですが、今までもらった舞台の台本より分厚くて。会話劇っていうのもあると思うんですけど…。あと、もう一つは、僕のお母さん役(タミ子)が小林麻耶さんという、日本一キュートなお母さんの下、幸せな息子として頑張っていきたいです!」と気合十分に語った。
辰巳のコメントを受け、小林は「こんなカッコいい息子がいるなんて…!母らしくできるように頑張りたいですし、タミ子さんをしっかり演じられるようにたっぷりと稽古をしたいと思います」と。また小林は初舞台出演で「台本を拝読したときに面白くて、次のページをめくるのが楽しくて。不安もありますが、今はワクワクな気持ちが大きいです!ぶりっ子が出ないようにしたい」と心境を語り、「今回B作さんをはじめ、個性豊かな共演者さまとご一緒できるのがすごくうれしいですし、個人的にドラマ『あすなろ白書』が大好きだったので、鈴木杏樹さんとご一緒できるなんて、今も信じられない気持ちでいっぱいです!」と喜んだ。
鏑木の娘・ちよみを演じるのは、菅原りこ。舞台は2度目の出演で「まだまだ勉強しないといけないことがたくさんあるので、豪華なキャストさんのお芝居を見て学びながら、本番には素晴らしい演技ができるように。お客さんに笑顔になっていただけるように演じたいです」と。
鏑木の前妻・サダを演じるのは、佐藤と実の夫婦のあめくみちこ。あめくは「別れた妻を演じますが、私生活ではまだ別れてないですよ。続行中です!」とコメントし、会場を笑わせた。続けて「鏑木とサダが別れた理由としては、鏑木が若い女性が大好きという設定なんですが、そのへんは三谷さんが当て書きをしてくださっていて…」と説明。佐藤から「何を言うんだよ!」とツッコミを受けつつ「私も普段から、冷や汗をかいているB作さんを見たり、お風呂上がりで関係ない電話がかかってきて、汗をかいているB作さんだったり…というシチュエーションを見ているんですが、劇中にもたくさんありますので、そういうところをぜひ見に来てください!」と笑った。
鏑木が以前住んでいたマンションの新しい住人・鴨田の妻、まち子を演じる鈴木は「B作さんとご一緒できると伺い、そのあとに三谷さん作品であるとうかがいまして。それだけで本を読む前に“やらせていただきたい!”と思いました。三谷さんの作品はテンポが大事になるので、舌をかまないようにしっかりついていけたら」と。またこれまでのやりとりを見て「お口が達者な方たちばかりで、とても楽しいメンバーだなと思いますし、楽しいカンパニーになると思います」と笑顔を見せた。
鴨田巌を演じる片岡は「きれいな奥さんが鈴木杏樹さんということで、私生活で私は離婚して3年たちますので、ちょうどよかったなと」と笑いつつ「この作品は台本がよく書かれておりますので、台本に忠実に、役に忠実に演じて。そこから自然と笑いが生まれてくるようなお芝居になっていければ。ご期待していただければと思います」と語った。
その後の囲み取材では、辰巳が現在『放課後の厨房男子 リターンマッチは恋の味 篇』の公演中で、さらに『ENTA!2』が控えている中で稽古に参加できるのが難しいのでは?と質問が。佐藤から「ダメだよ、だぶっちゃ!」と言われてしまった辰巳は「稽古でもご迷惑をおかけしてしまうかもしれないのですが、影響がないようにしっかり本を読みこんで頑張ります。これは“罪のない嘘”です!」と。しかし「でも本を読みこんでも(稽古に来ないなら)確認ができないじゃないか(笑)」とツッコまれ「これは僕のためのタイトルですね」とタジタジ。
しかし、辰巳が“つ~ゆ~”として『M-1グランプリ』で3回戦まで進んだという話を聞いた佐藤は「え、そうなの!?すごい人じゃない!」と辰巳に頭を下げた。
最後に佐藤は「久しぶりの再演ですが、本当に掛け値なしで笑えますし、すてきな共演者が集まりました。日本の喜劇の舞台もすごいぞ!と思わせられるような舞台になるよう頑張りますので、ぜひ見に来ていただければと思います」とメッセージを送った。
<あらすじ>
ある日の午後、高級マンションの1室。以前この部屋の持ち主だった鏑木(佐藤)が、テレビの修理屋を装ってやってくる。彼は妻子と別れ、今は愛人(小林美江)と暮らしているが、娘(菅原)が婚約者(辰巳)を連れてくることに。そこで、4日前まで住んでいたこのマンションで会うため、ひと芝居(=嘘)をつくことを思いつく。ところが、今の居住者の鴨田夫婦(片岡/鈴木)が留守の時間帯を調べて入り込んだはずなのに、次々に夫婦が帰宅してきてしまう。そのうえ、マンション自治会の副会長夫妻や不動産屋、鏑木の前妻(あめく)や愛人、ついには娘の婚約者の両親までが入れ替わり立ち替わりやってきて…。
三谷幸喜原作「アパッチ砦の攻防」より
「罪のない嘘」~毎日がエイプリルフール~
原作:三谷幸喜
演出:モトイキシゲキ
出演:佐藤B作、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~/Wキャスト=1月、2月公演出演)、室龍太(関西ジャニーズJr./Wキャスト=3月公演出演)、小林麻耶、菅原りこ、あめくみちこ、黒田こらん、小林美江、山本ふじこ(Wキャスト)、星野園美(Wキャスト)、まいど豊、佐渡稔、鈴木杏樹、片岡鶴太郎