Aぇ! groupの末澤誠也が初の単独主演を務めるリーディングシアター「キオスク」の公開ゲネプロが行われ、末澤、一路真輝、演出の石丸さち子が囲み取材に応じた。
本作は、1937年、ナチスドイツが台頭するウィーンを舞台に、キオスクで働くことになった17歳の青年・フランツが大人たちとの交流を通じて成長していく姿を描く物語。オーストリアの人気作家ローベルト・ゼーターラーが著した本作は、時代のうねりに翻弄されるウィーンでのフランツの想いと歩みを描き、胸に迫りくる魅力的な作品で、今回が日本初上演となる。上演台本、演出は石丸さち子が手掛ける。
初単独主演で、初の朗読劇に挑戦した末澤は「稽古の時から演出の石丸さんが作品の解説はもちろんなんですけど、時代背景までしっかりと丁寧に教えてくださって、僕はどうにか全て吸収したいっていう気持ちで稽古は取り組んでました。あと、日本初上陸という作品に関われたことが光栄です」と。
カンパニーの雰囲気を聞かれた末澤は「3人の大先輩方と一緒に仕事をさせてもらって幸せですし、上西(星来)さんとも稽古の時から切磋琢磨してやってました。スタッフさん含めて、みんなで家族というか、アットホームな、お母さんが何人もいる感じでやってました。本当に良くしてもらっていて、和気あいあいとしてます」と語ると、一路や石丸も「お母さんの顔が浮かんだ(笑)」と共感していた。
初めての外部舞台ということで不安はあったかと問われると「最初は不安でしたね。今までは屋良(朝幸)君や浜中文一君であったり、先輩たちがサポートしてくれていた部分があったので、それを自分が初主演で、ジャニーズの人がいない状態でっていうのは不安だった。でも、稽古をやっているうちに、本当に皆さんよくしてくれますし、すごくいい雰囲気で、すぐ不安はなくなって、むしろすぐ楽しみに変わった」と語った。
石丸からの演出を受けての感想については「本当に、すごく丁寧にワンツーマンで稽古をしてきた。僕自身、初めてのリーディング公演だったので、作品の神髄を伝えるために、イントネーションの矯正がすごい大変でした。関西弁がなかなか抜けなくて(苦笑)」と。石丸は「今こうやって関西弁でしゃべっていることが心配(笑)」と、この後に行われる公演で関西弁が出てしまうのではないかと心配をしていた。
また、Aぇ! groupのメンバーが見に来る予定はあるか問われると、末澤は「どうなんですかね。リチャード(草間リチャード敬太)は行けたら行くって言ってましたけど。みんな、スケジュールが空いてれば来てくれると思ってる」と期待していた。
末澤の印象を聞かれた一路は「初めて会った時から、とにかく真っすぐに向いて、純粋で。台本をもらった時にフランツにピッタリだなと。石丸さんの導きもあったと思うんですけど、あとから私たちが稽古に入った時に既に末澤君のフランツが出来上がっていて、これはすごく楽しみだなって思った」と。
石丸は「初めて会った時は、ここからスタートだなって思った。たくさんの課題を課しました。すごい『ハムレット』並みの量を話しますから。その言葉に耐えるだけの発声期間からプレ稽古を始めて、『その間ずっと信じてトレーニングし続ければ、必ず変わっていく。どんなに忙しくても、これだけの量を声を出し続けよう』と言って1度目の稽古を終えて、ライブや他の仕事をやっていたんです。2度目に会った時に明らかに変わっていた。どれだけ頑張ってきたか分かったので、私はそれに応えようと思った。経験値のある俳優と付き合うように、どれだけ深い物語がここに埋まっているかっていうのを彼と事あるごとに話を続けた。すぐには変わらないんですけど、昨日の通し稽古でまた変わっていました。本番でも変わっていると思います」と絶賛した。
最後に末澤が「キオスクという舞台は、リーディング公演です。リーディングっていうのを見たことがないという方も、僕自身も初めてだったので、そういう若い人たちも多いと思うんですけど、本当に軽い気持ちで生で劇場に見に来てもらえれば、すごく楽しんで帰ってもらえると思うので、ぜひ足を運んでもらえたらなと思います」と締めくくった。
リーディングシアター「キオスク」
■東京公演
東京芸術劇場 シアターイースト
12月25日(水)~29日(日)
■兵庫公演
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2020年1月18日(土)、19日(日)
原作:ローベルト・ゼーターラー
翻訳:酒寄進一
上演台本・演出:石丸さち子
出演:末澤誠也(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)、一路真輝、上西星来(東京パフォーマンスドール)、岸祐二、山路和弘
企画:兵庫県立芸術文化センター
共同制作:兵庫県立芸術文化センター キューブ