舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」のプレスコール&囲み取材が行われ、出演する桐山照史、柄本時生、八嶋智人、段田安則、作・演出の鄭義信が登壇した。
本作は、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台を関西の戦後の港町に移し、せりふは全編関西弁、キャストは全員男性で送る純愛群像劇。かつては愚連隊“モンタギュー”に所属しながら更生し、屋台で働く真面目な青年・ロミオを桐山が演じ、田舎から都会に出てきた心根が真っすぐで優しいジュリエットを柄本が演じている。
報道陣から「どんな舞台なのか?」と聞かれた桐山は「めちゃくちゃ美しい世界のロミオとジュリエットです(笑) 。 鄭さんとお会いしてセットを見てせりふを読んで、僕も全部が驚きで。こういう描き方もできるんだって思いました」と話し、ジュリエット役が柄本と聞いた時は「時生!?」と驚いたことを告白。「(柄本に)お会いしたときはザ・男の子で、雪駄だった。時生君が女装をしたらどうなるんだろうっていう驚きと期待がありましたね」と初めて会った時を振り返った。
いっぽうで、柄本が「親父(柄本明)と兄ちゃん(柄本佑)が(桐山と)もうお仕事してて、ずっと桐山君の噂は聞いてるんですよ。兄ちゃんが『桐山君は役者だね』って話をしてたのを覚えてたので楽しみでした」と明かすと、隣で聞いていた桐山はうれしそうな表情を浮かべていた。
ジュリエットの義姉・ソフィアを演じる八嶋いわく、稽古場でも桐山は柄本のことを女性のように扱っているという。桐山が「見つめ合って終わって暗転した時に(自分が柄本の肩を)トントンってするらしいんですよ、癖で。それが『口説きにいってるやん』ってずっと言われてる」と話すと、八嶋はすかさず「今までモテてきた男のやり口だな」と桐山をいじり笑いを誘った。
ロミオの父親代わりで、町で診療所を営むローレンスを演じる段田は「時生君のこの姿は最初大丈夫かいなって思ったんですけど、ちゃんと化粧をしてこの格好をしたら、私の大好きな竹内まりやさん」と絶賛。「それはクレーム来ませんか?」と慌てる桐山や柄本をよそに「まっさらな目で見て!」と段田が訴えると、八嶋も「でも全編通して見てもらえると、男が女役をやってるとか全然気にならないぐらい、お話がよく分かるようになってる」とアピール。「かわいいもんね」と女装姿と物語への自信を見せた。
最後に桐山は「関西弁で全員男性で、最初は違和感を感じるかもしれませんけども、見ているうちにどんどん出てるキャストが全員愛おしくなっていって、最終的には何かを感じ取ってもらえる作品になっているのではないかと思います。世界一不器用なロミオとジュリエットをぜひみなさん見てください」とメッセージを送った。
シアターコクーン・オンレパートリー2020「泣くロミオと怒るジュリエット」
作・演出 鄭義信
出演 桐山照史、柄本時生、橋本淳、元木聖也、高橋努
岡田義徳、朴勝哲、みのすけ、福田転球、八嶋智人、段田安則
企画・製作 Bunkamura
【東京公演】2月8日(土)~3月4日(水)/Bunkamura シアターコクーン
【大阪公演】3月8日(日)~3月15日(日)/森ノ宮ピロティホール