賀来賢人主演のMBS/TBSドラマイズム『死にたい夜にかぎって』の1話先行試写会が行われ、主演の賀来をはじめ、監督の村尾嘉昭、脚本の加藤拓也、原作者の爪切男、エンディング主題歌を書き下ろしたBiSHのメンバーのアイナ・ジ・エンドが登壇した。
本作は、爪切男の実体験を基にした同名小説のドラマ化。幼くして母に捨てられた男・小野浩史が、さまざまな女たちとの出会いを通じ、ときにぶつかり合い、たまに逃げたりしながら、少しずつ笑顔を取り戻していくという、もの悲しくもユーモアあふれる物語だ。
自身も1話を観たという賀来は「自分が出ている作品と言うのは冷静に観れないことが多い。でもこの作品は最初から最後まであっという間に終わってしまって。現場でも手応えがあったし、純粋に早く続きが観たいなと思いました」と感想を。
ドラマ化のきっかけを問われた村尾は、書店で原作のジャケットがかわいくて手に取ったことを明かし「最初の学校のブロックを読んで、面白すぎて購入させていただいて。すぐに企画書を書いた。とにかくこのドラマを撮りたいなと思って、爪切男さんに直接お会いしに行った」と経緯を説明した。
その時のことを問われた爪切男は「僕が出演したサウナのイベントに来ていただいて。最初のオファーは服を着ていないサウナでされました(笑)。その時点ですごい熱意を感じて」とドラマ化を快諾した理由を明かした。
その後、村尾の熱烈なオファーがあり、主人公役を引き受けたという賀来。その時の様子を「こんな熱烈なのは初めて。あの手この手でオファーしていただいて、マネージャーも困っていた(笑)」と振り返った。
さらに初めて原作を読んだときの印象については「最初、(原作が)実話だと思っていなかった。『この話、すごい面白い。誰が書いたんだろ…?』と思って、後書きを見て実話だと知って。普通のラブストーリーとか男女の話って、やっぱりご都合主義のところがあるじゃないですか。それが今回まったくなかった。(出演オファーを快諾するのは)即答でしたね」と明かした。
また、自身が演じる小野に関して「絶望的なことが起きていようが『まぁ、いっか!』の精神で乗り越えてしまう。それを赤裸々に、悲劇を喜劇に変えて書いている。爪切男さんの顔を想像して『どんな人なんだろう…?』とものすごく興味が湧いた」と。
爪切男はドラマ化について「ずっとドッキリが続いてますよ。僕は(浩史役は)ハリウッドザコシショウさんだと思ってました」と語り、賀来の起用に関して「見栄えがちょっと違うぐらいで話の本質が変わってしまうなら、僕の力不足だったということ。原作に忠実にする必要はまったくないです」と期待を寄せた。村尾監督は賀来を指して「眼鏡を掛けてるとけっこう似てるんです」と指摘。ドラマに特別出演している爪切男は「主人公がよく行く風俗の常連客の役で出ました(笑)。普段通りのことを演技でやれと言われてもなかなか難しい」と冗談交じりに語った。
撮影に関して賀来は「ドラマは時間がないから普通はリハーサルができないんです。でもこの作品は予算がないのにリハーサルをやって。そこで、監督とも話せたし、役に入り込めた。すごくまっとうな物作りができています」と。
また、山本に首を締められるシーンについては「一日中、(撮影で)首を絞められる日があって。舞香ちゃんが、すごい集中力なので、『さすがにこれは、弱く締めさせるのはかわいそうだ』と思って、『全部本気で来てくれ』と言ったら、即答で(山本が)『はい』って。全部全力で(笑)。本当に大変でしたね」と笑った。
さらに“この役に全てを懸けている”という山本について、賀来は「ここまで演じたいと思った役が初めてなんですって。本当に死にものぐるいで、集中してやってくれている。首を締めるシーンの後に、明るいシーンを撮って、またその後に首を締めて泣くアスカを撮る。情緒がめちゃくちゃな一日を何日も過ごしている。それでも毎回全力投球。体ボロボロなんだけど、現場に来るたびに華やかになる。3日間、舞香ちゃんの撮影がなかった時は、久々に来たと思ったら『私に会えなくてさびしかったでしょ、みんな』って(笑)。本当に寂しいですよね。本当に、現場のヒロインです」と明かした。
イベントの中盤には、エンディング主題歌を担当したアイナが登場。アイナは「書き下ろしというのが人生で初めてだった。けど、原作が好きだったので、初めてなのにぜんぜん苦しまず、爪切男さんの言葉を好きなようにとらえて作らせてもらった」とほほ笑み、「男の人目線の歌詞を初めて書いた。Aメロ、Bメロを自分史上、一番低いところからスタートさせた」と明かした。
第1話の一部シーンに出演しているというアイナは、「居酒屋で2秒だけ浩史を見るというシーンでした。生まれて初めて演技をしたんですけど、全役者さんを尊敬しました。演技をするってすごいですね」と撮影した感想を。村尾監督は「あの居酒屋のツーショットは大好きなシーンです。アイナさんが見せる笑顔にアーティストさんの表現力はすごい、と(思った)」とアイナの演技を絶賛した。
記者から役作りとして意識したことを聞かれた賀来は「猫背」と答え、「僕、いま姿勢の矯正をしていて、すごく姿勢のいい毎日を送っているんですけど、そのたびに『姿勢が良すぎる。浩史になるには猫背だ』って」と村尾監督から指摘を受けたことを明かした。
最後に、賀来は「共感というのはちょっと違うかもしれないけど、どんな人が見ても何かを受け取れて、何か笑えて、泣けて、何の情報がなくても楽しめる作品になっていると思います。すごく熱量を感じる作品なので、できるだけ多くの方にこのドラマを見ていただいて、多くの方に知っていただければいいなと思います」と締めくくった。
ドラマイズム『死にたい夜にかぎって』
MBS
2月23日(日)スタート
毎週日曜 深0・50~
TBS
2月25日(火)スタート
毎週火曜 深1・28~ほか
<配信情報>
2月25日(火)TBS放送終了後よりTSUTAYAプレミアムで独占配信開始
※他社見逃し配信を除く
※状況により配信日時が変更になる場合があります
TSUTAYA特設ページ:http://tsutaya.jp/syk_p/
出演:賀来賢人
山本舞香 戸塚純貴 今井隆文 青木柚 櫻井健人
玉城ティナ 小西桜子 中村里帆/安達祐実 光石研
原作:爪切男『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)
監督:村尾嘉昭
脚本:加藤拓也(ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』)
制作:TBSスパークル
製作:カルチュア・エンタテインメント MBS
ドラマ公式Twitter:@shinitai_yoruni
ドラマ公式Instagram:shinitai_yoruni
ドラマ公式サイト:https://www.mbs.jp/shinitai_yoruni/
©2020「死にたい夜にかぎって」製作委員会・MBS
©爪切男/扶桑社