松坂桃李主演のドラマスペシャル『微笑む人』(テレビ朝日系)が3月1日(日)に放送される。これに先駆け、2月28日(金)放送の『モーニングショー』(前8・00)で松坂とコメンテーター・玉川徹の対談が実現する。
松坂が演じるのは「本の置き場所が欲しかった」という理由で妻子を殺害したと供述するエリート銀行員・仁藤俊美。そんな仁藤について、松坂は「“本の置き場所がないから妻子を殺した”という一見信じられないような、サイコパスと思われてしまうような男なんですけど…」と前置きをしつつ、「でも誰もがそうなる可能性を秘めているのかも」と分析。
玉川は「すごく面白かったですし、常に画面に緊張感と、この先何が起こるんだろうというハラハラがあって…」と作品の感想を語り、松坂との初対面については「『微笑む人』を見てから来たので、“もしかしてああいう人なのかな”と思っていた」と。玉川の「二枚目で、いい人で、というイメージだったので、仁藤という役をよく引き受けたな、と思った」という言葉に対し、松坂は役柄と作品への思いを明かす。
玉川からの「役を演じるとき、まったく自分ではない姿を表しているのか、それとも自分の中の一部を増幅させて役に投影しているのか」と問いには、松坂は「それは両方ある」と回答し「共感できる部分はそのまま出すし、共感はできなくともその役の新しい一面を知ることによって感情を引き出すこともある」と。
しかし「憑依型ですか?」と尋ねられると「それは無理!」と否定し、「例えばこのドラマだったら、ずーっと殺人鬼で、ずーっとほほ笑んでる、ってことですよね?絶対ないわ(笑)」と笑った。
今回の対談を前に、各所に取材して回ったという玉川が“松坂桃李評”を「松坂桃李と言えば“神対応”」と表現。そんな玉川が、長きに渡って『モーニングショー』で共演する羽鳥慎一にも言及し、「実は彼も神対応。だけど出会ったばかりの頃は本音の部分が見えなくて、“もしかしたら見えないところでは、違う部分もあるのかな”と思っていたこともあった」と意外な秘話も明かす。
最後に、松坂は今作について「物事を簡単に解釈することはできるけれど、それだけじゃなくて、本質を見抜いたり、メッセージ性を手繰り寄せたりすることも最近は必要になってきているのかも、ということを、見終わったときに感じていただけたら」とアピールした。
ドラマスペシャル『微笑む人』
テレビ朝日系
3月1日(日)後9・00~11・05
<あらすじ>
「本の置き場所が欲しかったからです」
妻子を殺害した罪で起訴された仁藤俊美(松坂桃李)は、公判で衝撃の動機を明かす。
1年半前、神奈川県相模原市の西北部を流れる安住川で、仁藤が妻の抄子(かんこ)と娘の亜美菜(池谷美音)を溺死させたとされる『安住川事件』。被告の仁藤は、日本最難関の大学に現役合格し、大手都市銀行に就職。抄子と結婚後は都心の一等地にある高級マンションに住み、娘を授かるなど、エリートサラリーマンとして誰もがうらやむような人生を送っていた。
そんな順風満帆な生活を送っていた仁藤が、なぜ妻子を殺害するという凶行に至ったのか…。事件前から仁藤とは面識があった週刊海潮の記者・鴨井晶(尾野真千子)は「事件の真相を暴きたい」とデスクの井上肇(生瀬勝久)に直談判。巻頭特集を約束された晶は、仁藤の関係者に取材を続け、彼の人物像を掘り下げていく。
救急隊員が現場に駆けつけたときの状況、搬送先の病院での様子を知れば知るほど、仁藤への疑念を深めていく晶。自分が以前から知っていた仁藤と、捜査関係者から聞く仁藤、いったいどちらの姿は本当の彼なのか…。
複雑な感情の波に飲まれそうになる晶だったが、やがて仁藤にまつわる衝撃の過去が明らかになり、これまでに彼に関わる何人もの人間が不審な死を遂げていたことを知る。