MBSで放送中の『水野真紀の魔法のレストラン』が20周年を迎え、水野真紀らレギュラー出演陣がコメントを寄せた。
この番組は、2001年4月に放送を開始。“扉を開ければ幸せになれる”そんな『魔法のレストラン』を舞台に、視聴者が温かい気持ちになれるようにさまざまな企画や料理でもてなす料理バラエティ番組だ。現在、水野真紀、V6の長野博、ロザンの菅広文、宇治原史規、河田直也MBSアナウンサーがレギュラーで出演している。
<出演者コメント>
◆20年目を迎えた感想を教えてください。
水野真紀:最初番組プロデューサーから「(干支の1周の)12年頑張りたい」と言われていたが、それがいまや1・5周を越えての20年目なので、ただただ驚いています。番組名が『水野真紀の魔法のレストラン』と自分の名前を冠にいただいていますが、スタッフの努力によってどんどん内容が変わりながら続いてきたので、みんなの努力があっての20年目だと思います。
長野博:僕はこの番組に途中から参加させてもらっていますが(現在8年目)、20年ってすごいですね。これだけ続く番組って、歴史にも残りますしね。当初の目標の12年でもすごいのに。そんな番組に関わらせていただき、ありがたいし楽しいです。なんか本当にこの番組は歴史を感じますし、内容も濃いですし、すごいなという感覚ですね。
菅広文:また最近も視聴率が上がってきているみたいなんですけども…、完全にロザンのおかげなんですかね。(全員爆笑)どう考えても、客観的に見ても。
宇治原史規:違う違う!これ文字に興したら記者さんにどう映るねん!ニュアンス伝わらへんやろ!
菅:文字に起こすこと考えて答えるとしたら…、真紀さんの人柄ですかね。(一同爆笑)マホレスは、時代を反映する料理番組になってるんじゃないかなと思いますね。今の時代にマッチしているからこそ、こうやって長続きしているんじゃないですかね。
宇治原:すごい番組です、とにかく。20年というのもそうですが、内容も、スタッフの皆さんも素晴らしいと思います。逆に言うと、僕らが入って番組が終わったらシャレにならないんで、後から入ったものとして終わらせないようにしないといけないですしね。
河田直也アナ:MBSには『明石家電視台』『ちちんぷいぷい』『せやねん』など、いくつか長寿番組がありますが、その中で20年目に入った『水野真紀の魔法のレストラン』にアナウンサーとして関わらせていただいて本当に幸せですし、真紀さん、長野さん、ロザンと一緒に仕事ができて本当にいっぱい刺激を受けていますので、引き続き頑張りたいと思います。
◆番組が20年続いた“秘訣”は?
水野:本当にスタッフの努力と、2009年4月から2010年3月まで「よる8時台放送」という、(視聴者の多くが「食後」という)“地獄の”時間帯があったので、ここを(番組終了せずに)何とか乗り超えられたのは(提供社の)大阪ガスさんの寛大なご理解があってこそ。本当に、8時台の時は大変でしたよ!あの時をスタッフが知恵を出して乗り越えたのが大きかったですね。
菅:(その時は)僕らもいませんでしたしねー(一同爆笑)
水野:本当に1 つ1つのピースが積み重なっての今だから、今だけを評価してもいけないし、本当にきちんと後ろを振り返って今まで続いたということに、ただただ感謝ですね。
◆20年の番組の中で、自分の中で「変わったこと」と「変わらなかったこと」は?
水野:変わらないのは、「食べ物」というのは一番安上がりで思い出にもなる「コミュニケーションツール」だということ。そういったことを視聴者にご提供できればいいな、と思ってやってきた。あと観ている人も出演している人も、みんなが楽しくないといけないですよね。現場の雰囲気も含めて。「嫌な思いをしている人はいないかなぁ」と現場で意識してチェックするのが、自分の役目かなぁと思ってやってきた。変わったことは、菅ちゃんに(本性を)掘り起こされたこと(一同爆笑)。私、確かに普段からちょっとお財布を締めるとこがあるんです。わりと人に対してはお金を払うんだけど、自分や家族に対しては「これ以上のぜいたくはいらないでしょ」と“締まり屋さん”なところがある。その部分をうまいこと(菅ちゃんに)掘り起こされました(笑)。「賢く見せるのはうまい」みたいだけど、実はとてもバカなんです(笑)。ちょっと頭が切れるようなイメージを周りの皆さんが持ってくれるみたいだけど、本当は数字にも弱いし、全然なんですよ。そんなわたしのバカなポイントを(菅ちゃんが)ちゃんと見抜いてツッコんでくれているのが「おー、いいね!」と思います。みんながアンタッチャブルに思っているところをガッツリ触ってくれた、ロザンの2人には結構感謝しています。
宇治原:僕は触ってないです。(一同爆笑)
◆番組の中で心に残ったシーンやエピソードやゲストは?
水野:忘れられないのが、初回のゲストだった志村けんさん。番組当初のセットが、バーカウンターなどもある今までにない斬新なセットで、その関係で番組が始まったばかりで慣れないということもあり、すごく収録が押して夜の12時を回ってしまったんです。それでも志村さんは、落ち着いた感じで怒る様子もなく付き合ってくれたことを、とても覚えています。あれだけのベテランの方が。一般の方がコントとかで見る志村さんとは、また違う志村さんがそこにいました。あの大変だった収録初日は忘れられません。
◆これまで番組で食べた「最高の一皿」「すごかったお店」は?
菅:今日(収録した料理コーナーで出された)のハンバークが一番おいしかった。(一同爆笑)
宇治原:全然記憶たどる気あらへんやん。
長野:多分(菅ちゃんは)次食べたら次のが一番になるんでしょ。(一同爆笑)僕は、レギュラーになってすぐに行ったインドロケで、元々宮殿で働いていた方がオールドデリーで安くカレーを提供する店をやっていて、そこで食べたキーマカレーの味が、おいしかった。その後それを超えるものがないです。ホント裏路地でやっていて、屋根だけの壁もないオープンな普通の店なんですけど、衝撃でした。肉はしっとりしていて、香辛料もすごくて。超えないですね、はい。
宇治原:門真のうどん屋(「三ツ島真打」)にロケに行ったときに、僕はカレーもうどんも好きで、そこのカレーうどんがめちゃくちゃおいしいと思ったんです。けど、この店の主人は元々冷やうどんを食べてほしくて、長野君は冷やうどん、僕はカレーうどんを食べました。合間にお互いのうどんを交換して食べてみたが、僕は正直カレーうどんの方がおいしいと感じました。で、長野君に「次もう一回来た時に、どっち頼みます?」って聞いたら、長野君は「冷やうどんを頼みます」と。それを聞いたときに、「こんな人と一緒に番組やらしてもらってていいのかな」「この感覚に俺ついていけるかな」と不安になりました(一同爆笑)あのカレーうどんは僕の中で最高においしかったけど、ご主人が「これを出したい」と言っているうどんの方がおいしいと感じる長野君のその感覚。カレーうどんのおいしさと長野君のすごさを両方感じられた一日でした。
長野:僕も今このエピソードを聞いて、こんな人と一緒にやっていけるのかな、と感じました(一同爆笑)
◆新型コロナで大変な飲食店だが、食を通じて何かアイデアは?
長野:普段テイクアウトやっていない店や予約の取れない店などが誰でも買えるテイクアウトを始めたりしていますよね。おいしいものを食べるって幸せじゃないですか。この幸せを家でも感じられるってすごくうれしいです。普段やらないことをすることで新しい発想が生まれるのかなと思います。
菅:「サキメシ」などもいいんじゃないですか。先にお金払っておいて後に行きますよ、みたいなの「未来のお客さんシステム」も、将来への食につながるのではないのかなと思います。これは、(賢さをウリにする)宇治原さんのコメントにしてもらっていいです(一同爆笑)
宇治原:ありがとう(一同爆笑)
水野:自分が最近やっていることは、お付き合いのある店や近隣の店に連絡入れて、「テイクアウトやってますか」とか「今大変ですよね」とか一言声をかけるということです。そうすることで、自分ができる範囲で何ができるのかを個々で考えられる、そこが大事だと思います。日ごろのコミュニケーションが問われているとも感じます。
◆ほかの番組にない『マホレス』の面白いところを、今後の意気込みも込めて教えてください。
水野:食は、衣食住の一つで「命を支える根源的なもの」であると同時に、「ファッション」でもある、その2つの楽しみ方があると思っている。そういった意味でこの番組はその時々のトレンド、例えばデフレの時は300円を切るお弁当を特集してみたり、世の流れを見て海外ロケに行ったりして、ファッション的なところと、栄養価など理にかなったおいしさなどを追及している、この2つの柱がこの番組の面白さかなと感じています。
長野:食って生きることと切っても切れない関係で、食べないと生きていけない。そんな食事を、外食ばかりの人もいれば、ほとんど家で食べる人も。そんなさまざまな人の食に対するあらゆるニーズをカバーして、高級な店から庶民的な店まで、またそれだけではなく、おいしい料理の作り方まで、あらゆる食の要素を情報発信しているこの番組はすごいと思います。
菅:出演者の職種が全員違う中で、集まって同じ話題ができるのは「食事」という舞台だからだと思います。1つの食事に対して、「女優ならでは」「アイドルならでは」「芸人ならでは」のアプローチ、ということをしている番組っていうのはなかなかないのかな、と感じます。
宇治原:本当に入りやすいチェーン店から大御所の先生方がお料理を作ったりという、幅の広さという意味では、グルメを取り扱っている番組の中でもちょっと特殊というか異彩を放っていると思います。誰でも観られるというのはそういうところかなと。あと、ほかの番組では見られないというところで言うと、「宇治原が菅にクイズで負ける」ことがある(一同爆笑)これはなかなかない。
菅:ないよな。(この番組は)出ちゃうからな、ホンマの実力というか、知識じゃなくて知恵が(一同爆笑)
水野:あっ、確かにそれ感じる時あるわ(一同爆笑)
宇治原:あったらあかんがな!あとは、今日も(この取材の中で)思うんですけど、(この番組に)ホンマに河田アナが要るんかな、と(一同爆笑)
河田アナ:要りますよ!止めて!そんな話は、ロケ車の中だけにして!
宇治原:収録の最初に、誰も覚えていない一言を置きにいくだけやから(一同爆笑)
河田アナ:ホントにマホレスってすてきな番組だなと思います。出演者の皆さんがホント露出が多く、いろいろなメディアで活躍しているメンバーですけど、特に真紀さんなんて、あの女優の水野真紀がこんなイジられる番組ってないと思うんですね。しかもそれを真紀さん自身が楽しんでいる、そして菅ちゃんが「お得好きキャラ」という新しいキャラに変えるという、この番組でしか観られないメンバーの皆さんの活躍というのがあると思うので、引き続き視聴者の皆様にお楽しみいただければと思います。
『水野真紀の魔法のレストラン』
MBS
毎週(水)後7・00~8・00
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