5月10日(日)の『情熱大陸』(MBS/TBS系)は、新型コロナウイルス研究の最前線に立つウイルス研究者・塩田達雄の活動を追う。
塩田は、実験によってウイルスの感染の仕組みを解き明かすスペシャリストで、40年ほどウイルスと向き合い続けてきた。HIVや、デング熱を引き起こすデングウイルスなど、扱うのはどれも“人類の敵”ばかり。HIVの研究では、専門誌で日本人唯一の編集員を務めるほどの世界的な権威だが、そんな実績をよそに、塩田は研究を続けている。
ところが、新型コロナウイルスの蔓延で状況は一変。「自分にもできることがあるのでは…」と考えた塩田は、日本のベンチャー企業など数社と手を組んで、新型コロナウイルスの「迅速診断キット」の開発に取り掛かった。感染の有無を調べるためのもので、「PCR検査」よりも簡便でスピーディー、低コストなものを目指している。
「医療の現場を助けることになる」と、意気込む塩田。緊急事態宣言が発表され、国内の状況も厳しさを増す中、国からも完成を急ぐよう声がかかっているという。
また、塩田は新型コロナウイルスの増殖実験にも挑んでいる。ウイルスを増やすことで、そのウイルスの性質を知り、ワクチン開発や診断キットの検証などに役立てようというのだ。未知のウイルスを相手に、実験はうまくいくのか。新型コロナウイルス研究の最前線に迫る。
<ウイルス研究者/塩田達雄 プロフィール>
東京都生まれ。
大阪大学微生物病研究所免疫・生体防御研究部門、ウイルス感染制御分野教授。
東大医学部卒業後(医学博士)、東京大学医科学研究所に所属(助手→助教授)。センダイウイルス遺伝子構造を世界で初めて明らかにした。日本ウイルス学会、日本エイズ学会、日本感染症学会等に所属。
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