彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』の全公演中止を受けて、主演の小栗旬とジョン王役の横田栄司よりメッセージが到着した。
1998年のスタート以来、芸術監督・蜷川幸雄の下でシェイクスピア全37戯曲の完全上演を目指し、国内外で話題作を発表し続けてきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。
その第36弾『ジョン王』は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束が見通せない現状を鑑み、6~7月に予定していた全公演の中止が決定した。
その際発表されたシリーズ2代目芸術監督の吉田鋼太郎のメッセージに続き、主人公フィリップ・ザ・バスタード役の小栗旬とジョン王役の横田栄司よりメッセージが到着した。
<小栗旬 メッセージ>
干支を一周廻ろうとしているときにとうとう久しぶりに彩の国さいたま芸術劇場の板の上に戻れること、非常に楽しみにしていたのですが、今回はかなわず残念です。
楽しみにしてくれていた方々も同じように感じてくれているのではないでしょうか。
しかし、残念残念ばかり言っていても先には進めないので前を向きたいと思います。
幸い、先日演出の吉田鋼太郎さんより「お陰で演出を練る時間がいっぱい出来たよ」という心強い連絡を頂き、また新たな楽しみができました。
ですが、練れる時間がたっぷりある中で5、6周廻りに廻っておかしな演出にたどりつきやしないかと一抹の不安を抱え始めたのも事実です。笑
とにかく、今回声をかけてくれた皆さんの気持ちに答えるべく、小栗も必ず戻って参りますので、皆様もまた戻ってきていただけたらと思います。
それでは、またその時。
小栗旬
<横田栄司 メッセージ>
どんなに大きな戦争や感染病があっても演劇はなくなりませんでした。今回もきっとそうです。
僕たちは必ずまた立ち上がります。だからお客様、与野本町の皆様、この世界に夢を抱いて演劇学校や劇団に入ることになっていた若いみんな、どうかもう少しだけお待ちください。
甚だ僭越ですが、僕たちはこれからも演劇の力を通じて、皆様の人生をささやかに明るく照らして行くことを、俳優養成の教育が再開されることをお約束します。
2020年5月12日
蜷川さんの命日に寄せて。
<吉田鋼太郎 メッセージ>
※公演中止決定時のメッセージ
このひと月、僕たちキャスト、スタッフ、プロデューサー全てのジョン王メンバーはパドックでゲートがオープンする瞬間を待つ競走馬のようでした。
でも今回ゲートは開きませんでした。
そして幾ステージかをやはり中止せざるを得なかった前公演「ヘンリー八世」の雪辱を大いに果たす意気込みだったのですが、それも叶いませんでした。
残念です。
残念ではありますが気を取り直して又前を向いて準備をします。
必ず近い将来、極近い将来「ジョン王」も「ヘンリー八世」も上演しようと思っています。
又、彩の国さいたま芸術劇場で皆様にお目にかかれる事、楽しみにしております。
それまでどうぞ皆様も、呉々もお元気でお過ごし下さい。
彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督 吉田鋼太郎
彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』
全公演中止
<キャスト>
小栗旬 横田栄司
中村京蔵 玉置玲央 白石隼也 植本純米
間宮啓行 廣田高志 塚本幸男 飯田邦博 二反田雅澄 菊田大輔 水口てつ 鈴木彰紀※ 竪山隼太※ 堀源起※ 阿部丈二 山本直寛 續木淳平※ 大西達之介 坂口舜 佐田照/心瑛(Wキャスト)
吉田鋼太郎
※さいたまネクスト・シアター
<スタッフ>
作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
美術:秋山光洋
照明:原田保
音響:角張正雄
衣裳:宮本宣子
ヘアメイク:大和田一美
擬闘:栗原直樹
演出助手:井上尊晶
技術監督:小林清隆
舞台監督:倉科史典
制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団、ホリプロ
企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会