◆演劇関係者やお客様へのメッセージ
崎山:こうして舞台に立てることがどれだけ当たり前じゃないのかっていうことがすごく身にしみていて。だからこそ誰も陽性者が出なかったからラッキー、舞台できるという感覚は全くなくて。
日々、次の公演ができるかどうか分からないという中で、僕らなりの演劇をどう届けられるかっていう思いがすごくあります。
周りでも中止になってしまった人とかもいて、すごく胸が締め付けられる思いもありますし、演劇を作る人間として、なんとかこうして作品を届けられるように、一日でも多くできるように務めていくのが僕の今やるべきことなのかな思っています。
きっとそれを一人ひとりが思っていたら、いつかみんなが演劇をできる日が必ず来ると思っていますので、一人ひとりの意識がすごく大切なのかなと思います。
安井:演劇に限らず、エンターテインメントはお客様があってのものだと思っています。その中で、個人的なことなんですけど、舞台をやるにあたって、僕は7ORDERというグループをやっているんですけど、ファンレターの中に「行けなくなっちゃったごめんね」っていうメールがあったんです。こういうご時世で劇場に足を運ばないという選択をするお客様もたくさんいらっしゃると思うんです。
そう言わせてしまったのがとても心苦しく感じて。配信だとかいろんなエンターテインメントの届け方というのが無限に広がっていくものだと思っているので、ネガティブな感情が出ないような世の中になるといいなって。
僕たちはエンターテインメントの表現の仕方もそうですけど、届け方も自分たちなりに模索してどんどん新しいチャレンジをしていくべきなんだろうなと今回のことで感じました。
陳内:舞台に立つのは3月の頭以来になります。ここまで演劇から離れたというのは、僕の芸能活動史上一番長い期間になると思うんですけど、端的に言って僕は芝居に飢えましたし、板の上に立ちたかったんですけど、個人的な欲求みたいなものだけではどうしようもない日々でした。
お客様が表現しているものを見たいって言ってくださってもなかなか難しい、でやっと今日立てる。
でもここがゴールではなくて、これまでの日常に、これまでの演劇の在り方に戻ることはあるのかないのか分かりませんけれども、いまやっと新しい演劇のかたちの第1歩をこうやって踏み出せることにものすごく感謝していますし、お役様にもお待たせしましたという気持ちと、引き続き気をつけて頑張っていきましょうということを伝えたいです。
毛利:演劇というのは古くは有史以前から続いてきました。その中で、今回とは比にならないような疫病や世界大戦、日本では震災など、これ以上大変な時期というのはたくさんありました。
それでも演劇はなくなりませんでした。
だから必ず演劇がなることはありません。
このコロナで一番大変な状況ではありますが、お客さんの求める限り、私たちは努力し続けますので、それを信じてお客様に応えていきたいなと思います。必ず乗り越えてみせたいと思います。