7月1日(水)より開幕した三谷幸喜 三作品三連発公演の一作である、「大地(Social Distancing Version)」(以下「大地」)が、8月23日(日)に大千穐楽を迎えた。併せて、三谷と大泉洋よりコメントが到着。
1994年からPARCO劇場をホームグラウンドとして、新作を発表し続けている三谷のライフワークである「ショーガール」「其礼成心中」と共に上演した「大地」。三谷が今年1月に開場した新生PARCO劇場のために書き下ろした本作は、俳優への愛を込めて描いた“三谷流俳優論”となっている。
出演者は大泉をはじめ、山本耕史、竜星涼、栗原英雄、藤井隆、濱田龍臣、小澤雄太、まりゑ、相島一之、浅野和之、辻萬長と、三谷作品には欠かせないメンバーから実力派まで、一筋縄ではいかない個性豊かなキャストが集結。
とある共産主義国家の収容所を舞台に、「演じる」行為を禁じられるという極限状態を強いられた俳優たちが、演じるとは何か?笑うとは何か?生きるとは何か?と問いかける本作は、コロナ禍におけるSocial Distancingという不都合を不都合に終わらせず、より豊かな演劇表現に結び付け、スタッフ、キャスト一丸となって創り上げた舞台となった。
8月23日(日)に大千穐楽を迎え、三谷は「一人の感染者を出すことなくこの日を迎えられました。正直、毎日ひやひやでした。役者の皆さん、ご苦労様でした。舞台スタッフ、劇場スタッフ、本当によく頑張ってくれました。なにより数々の不都合を乗り越えて、観劇して下さったお客様に感謝。やれば出来る、でもやるのは大変」と、感謝とねぎらいの言葉を述べる。
大泉は「演劇を含むエンタメは『不急』かもしれませんが決して『不要』ではありません。それは半分しか入っていない客席からの、満席の時にも負けない熱い拍手が教えてくれました。今後、多くの舞台が僕らが出来たように、安全に開催されて行くことを信じています」と、熱い思いを語った。大泉のコメント全文は、次ページを参照。
<大泉洋 コメント>
こんなにも、千穐楽を迎えられた事に安堵した舞台はありません。
明日には中止になるかもしれない、大阪への遠征は出来ないのではないかと、常に不安を感じながら、一公演、一公演と積み重ねてきました。
我々役者陣も決して自分が感染しないように細心の注意を払って生活してきましたし、同じく舞台スタッフ、劇場スタッフも考えうる全ての感染予防対策をとって公演を続けてまいりました。
そして検温や消毒、私語の自粛など、その全ての対策に対応していただいたお客様には感謝しかありません。
「大地」が無事に千穐楽を迎えられたことは、今後の演劇界の大きな自信と実績になるでしょう。
演劇を含むエンタメは「不急」かもしれませんが決して「不要」ではありません。
それは半分しか入っていない客席からの、満席の時にも負けない熱い拍手が教えてくれました。
今後、多くの舞台が僕らが出来たように、安全に開催されて行くことを信じています。
<開催概要>
「大地(Social Distancing Version)」
2020年7月1日(水)~8月8日(土)東京・PARCO劇場
2020年8月12日(水)~8月23日(日)大阪・サンケイホールブリーゼ
©西木義和