歌手の武田鉄矢が、自ら司会を務める『武田鉄矢の昭和は輝いていた』(BSテレ東)の放送300回記念取材会に出席。昭和歌謡曲の魅力や、昭和という時代背景について語った。
昭和を象徴する“人”、“モノ”、“できごと”から毎回ひとつのテーマをピックアップし、「昭和」の魅力を再発掘していく本番組は、10月23日(金)に放送300回を迎える。
放送300回を迎えた気持ちを聞かれた武田は「昭和というのは振り返りますと、日本という国の中でも独特の時代。番組を見てくださる方には、たまらなく懐かしい昭和の出来事を、たまらなく懐かしい声と表情でお届けし、その方の中に記憶として眠っているたまらなく懐かしい昭和を刺激できればと、そんな心意気でやっております」と話した。
「この人こそ昭和だなと思う人物は、僕は美空ひばりさんですね」とこれまで取り上げてきた人物の中で印象に残っている人物を挙げた武田。「実際に、ひばりさんの後ろで演奏なさっていた方、息子さん、バンドの方、お付きの方をゲストにお招きしてお話を伺うとき、“戦後の昭和を背負って一人の歌手が生きた”っていう、一種のすごみを感じます。ひばりさんが一番ですね」と改めて昭和歌謡をけん引してきた美空ひばりという人物を振り返った。
また、「美空ひばりなんていう人はオーラがすごいもんですから、ひばりさんから楽屋で一緒にご飯を食べようと言われた時は、私は逃げ出して近くのラーメン屋で食事を済ませてきました。近寄って来られるのも、お話をされるのも嫌でした。そういう昭和のスターの独特の圧力みたいなものがあって」と実際のエピソードも披露。
「別れ際に、ひばりさんから『私の弟の名前があなたとおんなじで鉄矢っていうの。だからあなたが画面に映った時から他人とは思えないのよ』と言われ、『ああ、そうですか』って返しながら、目を合わせることもできませんでした(笑)。今考えてみると本当にもったいないことをしたなと思います」と懐かしそうに笑った。
最後に武田は「私が知っている、ひばりさんから始まる戦後のエンターテインメントですけど、それを支えているのは、実に暗い戦争を体験した人たちなんですよね。暗い体験があるからこそ、底抜けに明るいエンターテインメントを目指したっていう日本人の活力、そういうものをこの番組で取り出せないかなといつも思っております」と、この番組に込める思いを改めて明らかにした。
10月23日(日)は、放送300回を記念して『武田鉄矢の昭和は輝いていた 300回記念 昭和歌謡の幕開け 2時間スペシャル』を放送。ゲストには昭和歌謡を熟知する、中村メイコ、西脇久夫、刑部芳則の3人が登場する。
また、2013年4月の番組放送開始以来アシスタントを務めてきた須黒清華アナウンサーが、10月13日(火)に行われた収録をもって卒業することも発表。後任は、福田典子アナウンサーが務める。
<番組情報>
『武田鉄矢の昭和は輝いていた 300回記念 昭和歌謡の幕開け 2時間スペシャル』
BSテレ東
2020年10月23日(金)後7・00〜8・54
司会:武田鉄矢、須黒清華アナウンサー
ゲスト:中村メイコ、西脇久夫、刑部芳則
<WEB>
公式サイト:https://www.bs-tvtokyo.co.jp/showa/
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