三浦瑠麗×赤江珠緒インタビュー
◆収録を終えての感想をお願いします。
三浦瑠麗(以下、三浦):すごく話が合って楽しかったです。私たちには私たちの積み重ねた人生なりの色々な教訓みたいなのがあって、その視点で話せたのは良かったです。
赤江珠緒(以下、赤江):教育も自分の時とは違うし、新しく変わってくることもあります。新しいことは良い面も悪い面もあって、自分たちの教育が全部否定ではないけど、その中で実は軸にある部分が変わっていないことが、三浦さんと話していて明らかになってきた気がします。それを頼りに今後自分も子育てをしていくべきだなと思いました。
◆三浦さんも同じ考えですか?
三浦:そうですね。結局、今回のテーマは異端であることを恐れないという部分と、世の中が変わっていく中で、変わっていくのは良い面も悪い面もあるけれど、両方ちゃんと考えながら情熱をもって新しいテクノロジーに取り組んでいきたいという人を応援するということだと思います。
Disrupt(破壊する)する人というのは、けっして主流派にはならないけど、一定程度は社会に存在する必要があります。変わりながら継続していくというのがこの社会の本質です。
赤の女王効果と言いますけど、同じところに居続けるためには走り続けなければいけない。変わって努力し続けることがいまある社会を保つことだから、変化を恐れず、社会は異端児を迫害しないであげてほしいと思います。すぐ出る杭を打ちたがるので。
◆三浦さんの幼少期は、“出る杭”でしたか?
三浦:すごく“杭”なんですけど、大して才能のない杭なんです。何のためにそこに出ているのか、自分で全然わからなかった。
役に立つからDisrupterや“杭”を守ってあげるべきというわけではないんです。離れて異質な子も世の中に何かしら存在意義がある。天才はいいんだと言い出したら、障がい者の子はどうなるのだろうか。最近は、障がいがある人には何らかの特別な才能があるはずだ、というかえって彼らを苦しめるような幻想がありますが、それぞれの人にそれぞれの役割や居場所がある。
あまり天才を求めるのも子どもたちを押しつぶしてしまう。ロボットを作って普通の技術者になりたい、でいいんです。生きるっていいことだね、というのが最終的なメッセージであればいいなと思います。もちろん、ただ生きてさえいればいいというわけではないです。
◆お2人は本日が初対談ですが、実際に会ってみていかがでしたか?
赤江:めちゃくちゃ嬉しかったです。もちろん会えたことも嬉しかったのですが、お話して、自分の中で漠然として言葉にできずにもやもやしていた感情みたいなものを三浦さんにぶつけたら、すごくちゃんとした回答をしてくれました。素材を投げたらちゃんとお料理して返してくれたみたいな感じで、それがすごく楽しかったです。
三浦:私たちは地に足がついた担当だと思います。安宅(和人)さんも落合(陽一)さんもよく知っていますけど、たぶんキラキラしているはずです。でも、女性なりの実感というのは生活のありとあらゆる部分に責任を負わされているからこそ生じる実感です。そうすると、思想が身体性を獲得します。
私たちは、使える使えないということを最初から頭の中において議論しているので、楽しいね、面白いね、できたらいいよね、だけで会話が進む人種ではありません。そこが社会においては大事なので、子供とディスカッションする時も面白いね、で突っ走っていく人も必要だけど、私たちみたいな意見を持つ人がいてもいいのではないかと感じます。
番組情報
『異才FUTURE うたえミライの歌』(全3回)
WOWOWプライム
#1:2021年2月20日(土)後9・00
#2:2021年3月13日(土)後9・15
#3:2021年3月20日(土)後9・15
番組サイト:https://www.wowow.co.jp/detail/172339