舞台「カメレオンズ・リップ」のゲネプロが、4月2日(金)に都内で開催。出演者の松下洸平、生駒里奈、岡本健一からコメントが到着した。
劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の数々の戯曲の中から、選りすぐりの名作を才気溢れる演出家たちが新たに創り上げるシリーズ「KERA CROSS」。その第3弾「カメレオンズ・リップ」が、 4月2日(金)の東京・シアター1010公演を皮切りに、約1か月半にわたる全国公演をスタートさせた。
ルーファス役の松下洸平、エレンデイラ/ドナ役の生駒里奈、ナイフ・ハーフムーン役の岡本健一をはじめとする豪華出演者らが、予測不可能のクライム・コメディを繰り広げる。
開幕にあたり、松下は「日々稽古を重ね自分のルーファスを作っていくにあたり、生駒さんや岡本さんのお芝居を見ながら、だんだん自分でも思っていなかったルーファスが出来上がっていきました」とコメント。
続けて「今回、すごく多種多様なジャンルの方々が揃いまして、特に我が家の坪倉(由幸)さんには癒されました。飄々とされていながら、坪倉さんがいて下さると稽古場が明るくなってとても助けて頂きました」と感謝を述べる場面も。
生駒は「今までは自分の持っているものを放出することで形になる役が多かったのですが、今回に関しては全くそうではありませんでした。それを発見することができ、自分自身と結びつけなくて良いんだ、と個人的に思えた瞬間から、今回の役を演じることができるようになりました」と役作りの苦悩を明かす。
いっぽう、岡本はそんな2人を「松下さん生駒さんたちの、若いからこそのエネルギーをオープンマインドで出す姿は見ていて面白いし気持ち良いですし、この『カメレオンズ・リップ』という作品の中に込められている気がします」と称賛。
続けて「作品自体とも繋がる部分があり、トラウマを抱え合う人物が山奥の谷のお屋敷で、唯一ここにいる同士で触れ合うことで本質を見つけてくるような、素敵なテーマだなと思っています」と本作について語った。3名のコメント全文は、次ページを参照。
舞台「カメレオンズ・リップ」は、4月2日(金)〜4日(日)まで東京・シアター1010、4月14日(水)〜26(月)までシアタークリエで上演。その後は、福島・大阪・愛知・新潟での公演が予定されている。
松下洸平 コメント
稽古期間は、あっという間の1ヶ月でした。演出の河原(雅彦)さんが丁寧に演出して下さいました。
僕らは濃密な良い稽古の時間を過ごさせて頂いたので、あとはお客様がどんな反応をして下さるかを気にしながら、稽古通りにやるだけだなと思います。
今回、すごく多種多様なジャンルの方々が揃いまして、特に我が家の坪倉さんには癒されました。飄々とされていながら、稽古で凝り固まっていたところも、坪倉さんがいて下さると稽古場が明るくなってとても助けて頂きました。
ルーファスという役を演じるにあたり、初演の印象をどう払拭していくかが課題でしたが、日々稽古を重ね自分のルーファスを作っていくにあたり、生駒さんや岡本さんのお芝居を見ながら、だんだん自分でも思っていなかったルーファスが出来上がっていきました。
ルーファスの人間らしさを引き出して頂いたのは、本当に共演の皆さんのお陰だなと思います。嘘が得意と豪語していながら一番嘘が下手というルーファスという存在を、どうやったら愛していただけるか、それをこの1ヶ月考えながら稽古をしていました。
KERA CROSSという企画はKERAさんが書かれた過去作品を、演出家とキャストを一新してお届けしていく企画ですが、全く新しい「カメレオンズ・リップ」が完成したと思っています。
本当に個性あふれるキャストの皆さんと御一緒できて、僕も本当に幸せですし楽しいです。
生駒里奈 コメント
日々のニュースを見ながら、公演ができるのかという不安を心のどこかに抱えつつ、自分は新しいことへの挑戦で稽古場でも苦戦していたので、今こうして本番を迎えられたことを、本当に嬉しく、ありがたく思います。これからも感染対策をしっかりして、お客様にもご協力頂きつつ、作品を楽しむということを実践できたら良いなと思っています。
私が今まで演じさせて頂いてきた中でも一番と言っていいほど難しい役を、まだ未経験のことも多い私が演じさせて頂けることになり、そこは正直大変でした。今までは自分の持っているものを放出することで形になる役が多かったのですが、今回に関しては全くそうではありませんでした。
それを発見することができ、自分自身と結びつけなくて良いんだ、と個人的に思えた瞬間から、今回の役を演じることができるようになりました。この役を通して、役の作り方や向き合い方の種類が広がったと感じています。
“嘘の中に隠れている本心”というものの微妙なバランスが難しかったのですが、そこは自分の中で解釈できたのではないかと思っています。
お客様の前に立って、その嘘がみなさまにどう伝わるか、しっかり表現していきたいと思います。
岡本健一 コメント
濃密で濃厚な稽古期間でした。稽古場では、皆本当に面白くて、想定外の笑いがたくさんあるのですが、果たしてこれがお客様の前で伝わるか伝わらないか、どんな印象を受けるのか、楽しみでしょうがないです。
KERAさんがシアターコクーンという劇場で初めて公演した時、大衆に向けて、大きな劇場に向けて書いた作品で、気合も入っていたんだろうし、舞台ならではの演出、舞台でなければ表現できないことなどがいっぱい散りばめられています。それが稽古場ではできなかったりすることがいっぱいあって、劇場に入ってみて、初めてそれを目の当たりにして、ちょっとワクワクする感じがあります。
なかなか人と会うことができない時期に、稽古場は唯一会える人間たちということで、色んな想いで救われる、助けられる部分がありました。腑に落ちないところなどは、皆それぞれが解消するように話し合ったり、すごくオープンで良い時間だったと思います。
松下さん生駒さんたちの、若いからこそのエネルギーをオープンマインドで出す姿は見ていて面白いし気持ち良いですし、この「カメレオンズ・リップ」という作品の中に込められている気がします。
作品自体とも繋がる部分があり、トラウマを抱え合う人物が山奥の谷のお屋敷で、唯一ここにいる同士で触れ合うことで本質を見つけてくるような、素敵なテーマだなと思っています。
公演情報
舞台「カメレオンズ・リップ」
【東京公演】
2021年4月2日(金)〜4日(日)北千住・シアター1010
2021年4月14日(水)〜26(月)日比谷・シアタークリエ
ほか、地方公演の詳細は公式HPを参照
WEB
公式HP:https://www.keracross.com/keracross3