細田善彦 コメント
行定さんに「フランス人の役なのに、全然フランス人にみえない」と言われたのがスタートでした。そこから、自分なりのフランス人研究が始まりました。フランス映画を見たり、フランス人と話したり、フランスパンを食べたり、、、行定さんは演出の際に「実際にこういう人いるじゃない?」と、エピソードを交えて話してくださります。それが面白いし、的確だし、他の方へのコメントも耳をそば立てて聞いて、僕にとってはとても幸せな時間でした。
ギロー役の相島さんが舞台のセリフの掛け合いをサッカーのパス回しに例えて話してくださったのが、すごく印象的で。21世紀パートの多くはリボルバーの前で腕を組んでリボルバーについて考える体勢から始まるのですが、その瞬間、僕の心の中でキックオフのホイッスルが鳴っています。生の舞台で毎回、今日はどんなパス回しが展開されるのかワクワクしています。
この作品の一番の魅力はゴッホとゴーギャンという“無名”の画家のほとばしる情熱だと思います。現代を生きる我々には馴染みのない、評価される前の2人。37歳という若さで亡くなったゴッホの生き様は全ての方に衝撃を与えることでしょう。
ある種、お客様を代表して北乃さんと相島さんと僕はステージ上にいます。みなさんと一緒にゴッホとゴーギャンの世界を感じる旅を楽しみたいと思っています。よろしくお願いします。
金子岳憲 コメント
まだ何かないかなぁ、と探し物をしているような、青い果実のような状態で本番に入って、更に熟していくようなとても良い状態だと思います。本番がはじまって、さらにどう熟していくのか楽しみです。
今回の舞台は様々な人物の人生がクロスするのが魅力の一つだと思います。僕が演じる複数の役の人物も舞台上でゴッホたちとクロスしますが、その前後の人生の時間を夢想しました。彼らの映画のような人生の時間を。
「レナードの朝」、「ゴスフォード・パーク」、「二十日鼠と人間」、「銀河鉄道999」、「北の零年」、「ギャルソン」等のいろいろな映画のシーンをごちゃ混ぜに夢想した彼らの人生の時間を全部盛り込んでやったら、上演時間が12時間を超えてしまったので、皆さんに助けてもらってなんとか2時間ちょっとにまとまりました。心強い皆さんがいてホッとしています。そんな素敵なチームワークに思い入れがあります。
ゴッホやゴーギャンの絵画を生でご覧になったことがない方は、先に生でご覧になってから観劇することをお勧めします。想像が広がって、より楽しめると思います。
東野絢香 コメント
私自身こんなに大きな劇場に立たせて頂くことは初めてで、濃密な約1か月間の稽古は、毎日が勉強であり、戦いであり、何度も心臓が縮こまりそうになりました。猛者たちが熱量をぶつけ合っているのを目の前で体感し、そこに飛び込み何ができるのかを常に考える稽古でした。
自分の芝居で迷いが生じた際、行定さんに観て頂いたり、出演者の皆さんがアドバイスをくださったり。何往復したか分からないほど失敗を繰り返して、自分が今まで経験してきた芝居の枠組みを全て破壊したような気持ちです。“初舞台”の時のように緊張しておりますが、思う存分、素敵な作品をお届けしたいです。
私はヴァエホとクロエの2役を中心に出演させて頂きます。2人とも10代の少女ですが、時代や境遇によって全く違う人生を歩んでいます。湿度の高いシーンもあったり、カラッとしているシーンもあったり、とても生命力の強い作品です。ひとつのリボルバーをめぐり、登場人物が巻き込まれて変化していく様子や、芸術家達の魂のやりとりを肌で感じて頂きたいです。
舞台は観てくださる方と共に作られる空間で、生き物のように毎回変化するものだと思っております。たくさんの方に観て頂けるように、そして何かを感じたり受け取ったりして頂けるように、大千穐楽まで走り抜けていきます。登場人物と共に、“リボルバー”の魔力に、ぜひ巻き込まれてください!
相島一之 コメント
映像で共演した方もいらっしゃいますが全員舞台初共演。そして最年長。とても刺激的で、40年芝居をやってきた者はこのメンバーの中でどう立ったらいいのだろうか? そんなことを探していた稽古でした。
マハさんの脚本は手強くて、大事なエッセンスをズバッと切り取ってボン!と僕らの前に投げられる。僕たちはセリフの奥にある大切なものをきちんと拾ってお客さまに届けたいと思います。
そして、行定さんの演出は鋭く、うかうかしてると笑顔で斬られる。自分は映像の人間だからとおっしゃりながら「どれだけ演劇が好きなんだ!」とツッコミを入れたくなってしまいます。粘り強く「リボルバー」の世界を探っていかれる稽古場はとても面白かったです。
この状況下なので稽古期間中もメンバーと飲みにも行けませんでした(笑)。その代わり稽古場でいろんな話をしました。犬を飼ってる人が多く犬の話題で盛り上がり、畑をやってる話とか、昨日は何を食べて今日は何を食べるんだとか、たわいのない話ですがそんな会話から一座になっていくんだと思います。とても素敵なメンバーでこれからのひと月半がとても楽しみです。
公演情報
パルコ・プロデュース「リボルバー〜誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?〜」
【東京公演】2021年7月10日(土)〜8月1日(日)PARCO劇場
【大阪公演】2021年8月6日(金)〜8月15日(日)東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール
作:原田マハ
演出:行定勲
出演:安田章大 池内博之 大鶴佐助 / 北乃きい 細田善彦 金子岳憲 東野絢香 相島一之
企画・製作:株式会社パルコ
公式サイト:https://stage.parco.jp/program/revolver
撮影:宮川舞子