林翔太、松岡充らのキャストにより2019年3月に日本初演されたミュージカル「ソーホー・シンダーズ」が、今秋再演されることが決定。林と松岡からのコメントが到着した。
現代版“シンデレラボーイ・ストーリー”とでもいうべき本作。主人公の青年・ロビーと、彼の恋人でロンドン市長選の候補者であるジェイムズのチャーミングで真摯なカップルの真実の愛と、2人を取り巻く人々の多様でバイタリティあふれる生きざまを生き生きと描く作品だ。
本作の楽曲を手がけるのは、ミュージカル「メリー・ポピンズ」の追加楽曲や、ミュージカル「ホンク!」などで知られる作曲家ジョージ・スタイルズと作詞家アンソニー・ドリューの名ソングライター・コンビ。2011年にコンサート版としてウエストエンドで産声を上げ、翌年にはオフ・ウエストエンドのソーホー劇場でミュージカル版として上演された。
翻訳・訳詞は、「ビリー・エリオット」「メリー・ポピンズ」など数多くのミュージカルの訳詞を手掛けてきた高橋亜子。演出は、劇団エムキチビートを主宰し、新進の演出家・脚本家として活躍する元吉庸泰。初演に続くクリエイター陣により、瑞々しい言葉でバイタリティあふれる登場人物たちが、生き生きと立ち上がっていく。
そして主演は、前回から続投の林が務め、主人公・ロビーを演じる。今回の再演について、林は「決まった時はとにかくうれしくて、前回の台本を読み返したり曲を聴いたりと、気分はもう『ソーホー・シンダーズ』でした」と喜びが抑えられない様子だ。
ロビーの恋人ジェイムズ役は、こちらも続投の松岡。「コロナ禍での上演、<未来への希望>を身体いっぱい、心いっぱいに感じてもらえる作品にしたいと思っています」と意気込みを述べた。林と松岡、翻訳・訳詞の高橋からのコメント全文は、次ページに掲載。
共演には、東山光明、綿引さやか、西川大貴、豊原江理佳、菜々香、青野紗穂、水夏希、松村雄基といった、実力派キャストが揃った本作。林と松岡が初演時よりもさらに深めたコンビネーションで、仲睦まじい恋人同士を体現する“シンデレラボーイ・ミュージカル”は必見だ。
林翔太 コメント
ミュージカル「ソーホー・シンダーズ」で主演を務めさせていただきます、林翔太です。
再演が決まった時はとにかくうれしくて、前回の台本を読み返したり曲を聴いたりと、気分はもう「ソーホー・シンダーズ」でした。
皆さんも好きな作品だと思うので、待望の再演という感じでとてもうれしいです。
前回の上演の時はミュージカル経験も少なく、共演者の皆さんやスタッフの皆さんに助けられながらなんとかやり切ったという感じなので、今回は成長した姿も見せられたらと思います。
演出の元吉さんとは3度目のお仕事なのですが、役者1人1人と心から向き合ってくださる方で、とても安心感があり信頼しています。今回もすごく楽しみです。またロビーを演じることができるんだ! とすでにワクワクしています。
前回観た方も今回初めて観られる方も「ソーホー・シンダーズ」の世界を楽しんでいただけたらと思います! ぜひ劇場にお越しください!
松岡充 コメント
2019年初演の千秋楽、「絶対また再演で会おうね!」とキャスト・スタッフの皆と約束してましたが、2020年春、あの頃誰も想像もしていなかったコロナの脅威に直面し、この作品だけでなく全てのエンターテイメントにおいて有人観客での上演は難しいのではないかと思っていたところでの再演が決定し、いち表現者としてとてもとても未来が明るく開けるように感じたのを記憶しています。
この作品のタイトルとなっている「SOHO CINDERS」は、和訳すると「英国ロンドンのシンデレラストーリー」つまり、男性版シンデレラ物語ということになります。
今はまだ「マイノリティ」と表現されてしまいますが、僕はこのワードのイメージがあまり好きではなく、さらにはこのワードへの印象として少なからず含まれるであろう「ネガティブ」な感情も好きではありません。
というのは、そもそも人は生まれ持って個であり、1人1人違ってのことなのに、たった1つのチープな価値観でまとめ、マイノリティ(少数派)と呼ぶことに抵抗を感じています。
自分以外の誰かと、時間や物質や経験を共有することによって、それまで知らなかった新たな発見からの喜びや悲しみなどの感情を得て、人生は彩りを増していくものと理解しています。
その観点からすると、この作品の登場人物の人生が、ただ特異なものということではなく、現代を生きる人々、それぞれにフィットするであろう場面やメッセージがある作品だと思っています。
それを演技や演出でもっと身近に感じてもらえるように表現できないかと想いを込めて、この再演でまた新たな「SOHO CINDERS」を創りたいと思っています。
ポジティブなこと以外は全てネガティブか?
僕には、それらがすべて後ろ向きではないと思えます。
一瞬、後ろ向きな発言や行動に思えることも、次に進むための大きなステップへの前段階として一歩後退していることだってあるはず。
キラキラと光り輝くものを創り上げるには、その裏にあるくすみや傷に対峙することがあるからこその明るい未来だと思っているので、それを今回の再演を観る方々にも感じて欲しいと意気込んでいます。
今作を観劇された方の「明日からまた一生懸命生きるぞ」と思えるパワーに繋げるために、僕たちが演じる役柄のマイノリティ(違和感のある表現であるが)な部分=痛みや傷があるけどそれは幸せへのアプローチなんだということを表現できればと。
コロナ禍での上演、<未来への希望>を身体いっぱい、心いっぱいに感じてもらえる作品にしたいと思っています。
翻訳・訳詞:高橋亜子 コメント
再びオールドコンプトン通りを訪れることができること、とても幸せに思います。ロビーたち愛すべきソーホーの住人たちと、どんな魔法をこの街に創造することができるのか。お稽古が始まるのが楽しみでなりません。
林くん、充さんの2人が繊細に紡いで下さったロビーとジェイムズの距離感、重なる手。目まぐるしく回るランドリーのように、出演者全員で考え、組み上げたシーンワーク(だってアンサンブルキャストをゼロでやることになるなんて!)。
初演の思い出は尽きませんが、再演となった今回は新たな気持ちで戯曲と、魅力的な音楽たちと向き合って、新たなワークオブアートを立ち上げていきたいと思います。
ランドリーのように回り続ける街、声を挙げる街ソーホーのシンデレラたちにどうか会いに来てくださいませ。
作品情報
「ソーホー・シンダーズ」
【プレビュー・埼玉公演】2021年11月3日(水・祝)東松山市民文化センター
【名古屋公演】2021年11月5日(金)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【山口公演】2021年11月7日(日)山口市民会館 大ホール
【香川公演】2021年11月9日(火)レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
【大阪公演】2021年11月13日(土)・14日(日)枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
【神奈川公演】2021年11月20日(土)やまと芸術文化ホール メインホール
【東京公演】2021年11月25日(木)〜12月12日(日)紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
公式サイト:https://www.soho-cinders.jp/
公式Twitter:@soho_cinders_jp