舞台「Le Fils 息子」のフォトコールと取材会が、8月30日(月)に都内で開催。主演の岡本圭人のほか、若村麻由美、岡本健一、演出のラディスラス・ショラーが登壇した。
2018年にフロリアン・ゼレール作、ラディスラス・ショラー演出でパリのシャンゼリゼ劇場にて初演された「Le Fils 息子」。フランス最高位の演劇賞であるモリエール賞にて最優秀新人賞を受賞するなど高い評価を受け、ロンドンのウエストエンドなど世界13か国で上演された。
思春期の絶望と不安に苛まれながら必死にもがく息子・ニコルと、愛によって息子を救おうとする父親・ピエールを描く家族の物語で、ラディスラスが演出を手掛ける東京芸術劇場の企画第2弾として、日本で初めて上演を行う。
今回、本作で主人公・ニコルを演じるのは、単独初主演を務める岡本圭人。さらに、父・ピエール役には圭人の実の父親・岡本健一、実母アンヌ役には若村麻由美のほか、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬という実力派キャストが顔を揃えた。
そんな本作のフォトコール及び取材会が、8月30日(月)に開催。開幕にあたり、圭人は「今、すごくドキドキしています。お客様を迎えられるということがまず奇跡的なことですし、いろいろな方々に感謝の思いでいっぱいです。初日公演が終わった後にどのような景色が見えるのだろうということも楽しみで」と思いを口にする。
続けて、健一は「基本的にいただいたお仕事はすべてお受けする姿勢でいるのですが、今回偶発的にこういうお仕事をいただきました。昔から圭人は『パパと一緒に舞台をやるのが夢』と言っていたので、もう早く叶えちゃえばいいんじゃないと(笑)。夢はどんどん消化していって欲しいですね」と親子での初共演について触れ、優しい笑顔を浮かべた。
そんな2人について、ラディスラスは「稽古をしている時は他の役者と同じく1人ひとりの役者として接していたので、2人が実の父子であるということを実はほとんど忘れていたんです。ただ、小屋入りしてからは2人の絆というものを感じ始めていて、彼らの関係性がこの作品にプラスアルファを生んでいるということを実感しています」と絶賛。
若村も「ラディスラスさんもおっしゃっていた通り、稽古中は逆に『本当は親子じゃないよね?』と思うこともあって(笑)。ただ、ニコラとピエールになると、本当に濃密な親子になるんです。劇中でアンヌがニコラに対して『あなたとパパは違う』と発するせりふがあるのですが、私自身としてもタイプの違う役者さんだなということを感じているので、実感を込めて言うことができています」と2人の印象を語る。
すると、圭人が「『あなたとパパは違う』というのは、僕自身もジャニーズ事務所に入ってからずっと言われていた言葉だったのですごく刺さりますし、実はニコラに共感できる部分もあって」と。
「お父さんが隣にいるので言いにくいんですが…(笑)」と前置きしながらも、「ピエールは頑固なうえ、『自分が言っていることは間違っていない』『俺は息子のためにこれだけしてるのに』という感じで物語が進んでいきます。そこは少しだけ(お父さんと)似てる部分があるのかなと思っていて、今まで自分が言えなかったことを舞台上で言えたかなという感覚もあります」と明かす一幕もあった。
話題が稽古中のルーティーンに及ぶと、圭人は「朝は別々に行くんですが、帰りは一緒に帰ってます」と。「その時はもう芝居のことは全部取っ払って、お互いに好きな音楽の話をしたりして。今までの人生の中でここまで親子としての時間を過ごしたり、話したりということがあまりなかったので、すごく素敵な時間を過ごさせてもらっています」と健一とのほほ笑ましいエピソードを披露。
最後は、圭人が「いま自分にできる限りのことをして、たくさんの方々にこの物語の素晴らしさや『生きる意味とは』ということを伝えていけるよう、キャスト、スタッフ一同精いっぱいやっていきたいと思います」と挨拶をし、取材会は締めくくられた。
舞台「Le Fils 息子」は9月12日(日)まで東京劇場 プレイハウスで上演されるほか、各地での地方公演も予定されている。
公演情報
「Le Fils(ル・フィス) 息子」
【東京公演】2021年8月30日(月)〜9月12日(日)東京芸術劇場 プレイハウス
※その他、地方公演の詳細は公式サイトを参照
出演:岡本圭人、若村麻由美、伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬、岡本健一
WEB
公式サイト:https://lefils-theatre.jp