『踊る大捜査線』『教場』シリーズで知られる脚本家・映画監督の君塚良一が初の舞台演出を手掛ける「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」が開幕した。
裕福な家庭に生まれ育ったエリート大学生2人が実業家の息子を誘拐して殺害したという、1924年のアメリカで実際に起きた「ローブとレオポルド事件」を題材にした本作。歴史に残る猟奇的殺人事件の容疑者となるリチャード・ローブを演じるのは、ふぉ~ゆ~の辰巳雄大。そしてもう1人の容疑者であるネイサン・レオポルド役を林翔太が務める。
初日の開幕に先立って行われた取材会では、ジャニーズJr.時代に「同じグループにいた時期がある」という辰巳と林が仲むつまじいやりとりを展開。辰巳が「その時はまさか2人で主要人物としてステージに立つとは想像もできなかった。その頃の自分たちに『諦めずに頑張ってたらこういう景色が見られるよ』と伝えてあげたい」と語ると、林も「さっきも(フォトセッションで)撮影してもらいながら、“こんな日が来るとはね”と話してた」と感慨深げな様子だった。
さらに林は「僕が(事務所の)オーディションを受けた時に辰巳君は一番前で踊ってて、ずっと踊りを教えてもらっていた。今回こうやってガッツリ一緒にお芝居させていただけるのはうれしいけど、お話を頂いた時は“見定められるんじゃないかな”ってちょっとドキドキしました(笑)」と後輩ならではの緊張感もあったと告白。
すると先輩・辰巳は「今聞いてびっくりしたのが、オーディションの時“僕は一番前で踊ってたんだ”って。“そこからどんどん下がっていったんだな”と衝撃を受けました(笑)」と、今でこそ数々の主演舞台に立ち、バラエティでも活躍しているが、数年前まで先輩たちのバックダンサーとして実績を積んできたふぉ~ゆ~らしいコメントも飛び出した。
ローブとレオポルドは相棒であり共犯者、そして恋人同士という間柄。記者から「稽古中にお互いキュンキュンしたことは?」と聞かれると、「(辰巳は)ローブみたいに本当にセクシー。家でもずっと動画を見ていたみたいで、すごく研究してる。稽古を重ねるごとにどんどんセクシーになっていくので、最後の通し稽古の時とかは、レオポルドとして本当にキュンキュンしながら芝居してました」と林。その傍らで辰巳は「研究したとかあんま言わないで…」と恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべていた。
セクシーさの研究について記者から追及されると、「元からです! 生まれ持ったセクシーさがあふれ出たかなとは思ってるんですけど…」と言い張る辰巳。しかし「最近はバラエティ色が強い」と指摘され、辰巳は「僕は本当にやりたいのはコレ(芝居)です! いや、バラエティもやりたいんですけど(笑)」とタジタジになっていた。
辰巳は「1920年代の裕福な家庭に育った男という部分を2人ですごく研究しました」と役作りの過程を明かしつつ、“セクシーさ”については「作品の中にも出てくる俳優の(ルドルフ・)ヴァレンティノさんの映像を見たり、同じ1920年代を描いた『華麗なるギャツビー』の(レオナルド・)ディカプリオさんからヒントを頂いたり。あと、この役を頂いた時に“森田剛君ならどうやるかな?”ってちょっと思ったので、剛君の映像を見ました」と明かした。
すると今度は記者から、森田剛が降りてきたらどんな感じかという振りが。ズボンのポケットに手を突っ込みながら「ま、辰巳の舞台は行かないよ」と物まねを披露した辰巳は、「僕、河合郁人ではないので…!」と慌ててツッコミを入れていた。
作品の宣伝ビジュアルに書かれた“もう後戻りはできない…。”というキャッチコピーにちなんで辰巳は、「僕はもうバラエティでお尻も出したので(笑)」と笑いつつ、「『ネバー・ザ・シナー』の宣伝でテレビに出させていただいた時、メークさんに『あ、うずたま見ました!』って言われて(笑)。バラエティの自分を、俳優・辰巳雄大で越えていかないといけない。後戻りはできないなと思いました」と主演舞台への意気込みを語った。
舞台「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」
2021年9月2日(木)~9月12日(日)
東京・品川プリンスホテル クラブeX
2021年9月18日(土)・19日(日)
大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
作:ジョン・ローガン
演出:君塚良一
出演:辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、林翔太、荒木健太朗、前島亜美、山岸拓生(拙者ムニエル)、姜暢雄、磯部勉
公式サイト:https://www.nts-stage.jp/
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●photo/木村直軌(舞台写真)