松尾スズキが2019年に書き下ろし、第71回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞した話題作を、宮藤官九郎×安藤玉恵と三宅弘城×ともさかりえという2組のキャストで再演決定。「命、ギガ長スW(ダブル)」と題して、2022年3月より上演される。
「大人計画」を主宰し、作家、演出家、俳優、映画監督とマルチな才能を発揮する松尾スズキが、2019年に“演劇を始めたころの素朴な悦び”を求め自ら企画・プロデュースし、「部活」として新しく立ち上げた「東京成人演劇部」。
その旗揚げ公演となった「命、ギガ長ス」は、作・演出の松尾と映画・ドラマ・舞台で活躍する俳優・安藤玉恵による、“8050問題”をテーマにした2人芝居だ。
登場人物は、認知症の年老いた母親と、その年金を当てに生活しているニートでアルコール依存症の中年の息子、その親子のドキュメンタリーを撮るために彼らに密着している映像作家志望の女子大生と彼女を指導する大学教授の4人。舞台上の役者の息遣いまで感じられる空間で、濃密な芝居が繰り広げられた。
そんな作品がタイトルを「命、ギガ長スW(ダブル)」と一新し、ダブルキャストで再演されることが決定した。東京公演は初演と同じく、「ザ・スズナリ」で約1か月の上演。その後さらに大阪、北九州、松本へと巡演していく。
出演者には、松尾が絶大なる信頼を寄せる宮藤官九郎と、初演から続投の圧倒的存在感の俳優・安藤が“ギガ組”として。松尾作品は2013年の「悪霊」以来となる三宅弘城と、キュートな魅力と実力を兼ね備えた、ともさかりえが“長ス組”として、2人芝居に挑む。
コロナ禍で以前よりも深刻化している “8050問題”というシリアスなテーマを扱いながらも、可笑しみやばかばかしさ、切なさのエッセンスがふんだんに詰め込まれた本作。演劇の持つ臨場感を、笑いと共に体感できる作品となりそうだ。松尾及び出演者からのコメントは、次ページに掲載。