「Amazonオーディブル 戦略発表会2022」が開催され、杏、今井翼、南沙良、森川智之が登壇した。
イベントでは、Amazonオーディブルが1月27日(木)より12万以上の対象作品が楽しめる聴き放題へ移行されることを発表。さらに、杏と共同企画で制作したオリジナルポッドキャストの配信、今井翼、森川智之、南沙良出演でアメリカの人気コミック「The Sandman」日本語音声版の制作、高橋一生、木村佳乃らの朗読で、村上春樹著の10作品を日本語では初めてオーディオブック化するプロジェクトが始動することも発表された。
「サンドマン」では、今井がナレーション、森川が主人公のモルフェウス役、南がヒロインのデスを担当。今井は「僕は今回初めてオーディブルに参加させていただいたんですけど、とても重厚感のある『サンドマン』が日本に初上陸ということで、そういった記念すべき時にナレーションを担当させていただけるというのは非常に光栄なことです」と。
南は「初めて挑戦するジャンルのお仕事だったので、緊張というか不安はあったんですけど、とても光栄な気持ちで思い切って挑戦させていただきました」と心境を明かした。
森川は「声優の最初はラジオドラマからなんですね。時代を経て、新しいコンテンツ、オーディブルとして、最新の技術を使ったオーディオで作れる、その一端を担えるというのが僕としては光栄だと思いますし、うれしく思います」と語った。
普段、オーディブルは活用しているかという質問には、森川が「オーディブルを楽しませていただいている1人なんですけど、明日から定額制なんですね。早く教えてほしかったです(笑)。自分の時間が増えてきたじゃないですか。教養だったり娯楽を楽しむことも貪欲にいろんな情報を取り入れたいという時代だからこそ、このオーディブルで楽しめるっていうのはいいですね」と。読書好きな南は「私が大好きな作品がそろっていたので、あらためてオーディブルで楽しめるかな」と笑顔で語った。
「サンドマン」の収録について問われると、今井は「シェイクスピアが絡んできたりと、普段の日常とかけ離れた世界観なので、そこをストーリーテラーとして、絵のない環境の中の収録って難しいんですが、この作品の背景であったり、臨場感というものを大切にやらせていただいています」と。
南は「声だけで表現するということで、すごく新鮮な気持ちでやらせていただきました。一番難しかったのは、本国版の声優さんのせりふに尺を合わせるのが難しいなと思いました」と明かすと、多くの吹替作品を経験している大ベテランの森川も「難しいですよね。僕も難しいです(笑)」と本音を語った。
今井も「僕も慣れないことだったので、場合によってはもっとたっぷりとか、そのまんまの尺でいかなくてはいけないので、結構長いせりふを決まった波形の中にはめていくというのは難しいですね」と感想を明かし、森川も「急かされている感じがしますよね。これは経験した人にしか分からない」とその難しさを明かした。
イベントでは、「サンドマン」1話冒頭の今井の語り部分を公開。今井は「これだけの深い世界観が描かれているので、僕は声のお仕事も大事にしているんですが、映像に合わせた吹き替えと違って、片方の耳では原作の英語のせりふを聞いて、片方では自分の声が聞こえて、それで波形があって。非常に難しくて予定のスケジュールよりもだいぶ時間をかけてしまって、スタッフの皆さんには大変ご迷惑をおかけしているんですけど、でもやるからには、原作の世界観というのを丁寧にやりたいと思っているので、そういう気持ちで収録をさせていただいています」と。
森川は「初めて聞いたんですけど、今井さんのナレーション、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか! 渋い声ですね。私、声優事務所の社長もやっているんですけど…、ライバルが出てきちゃったなと。ずっと聴いていたいですし、一気に世界観に引き込まれますよね」と絶賛。これに今井は「まだ収録が続くので、ありがたいお褒めの言葉ですが、プレッシャーにも感じています」と照れくさそうに語った。
今井は「音声コンテンツならではの自分だけの時間の中で、その物語の情景であったり、キャラクターであったりっていうものを、その世界にたっぷりと浸っていただいて。読書とは違う楽しみかたをぜひともしていただきたいですね」と。南は「ダークな世界観ではあるんですけど、コメディチックな笑える部分や、考えさせられる部分もあったりとか、いろんな角度から楽しめて、何度聞いても面白い作品だと思います」とアピールした。
杏は企画から携わったポッドキャスト「JOURNEY TO THE ORIGIN WITH ANNE」を発表。この番組では、杏が選んだ1冊の本を地図にして、今気になっているものやことの起源をたどるオーディオジャーニーを配信する。
杏は「本当に0からのスタートだったので、逆に変えると何をやっても大丈夫っていうフィールドの広さがありました。じゃあ、どこを目指せばいいんだろうかっていう、共通認識を私と制作の皆さんと共有するために、何度も何度もミーティングを重ねたりして、今も作り中です」と語った。
内容については、「歴史というものが好きなんですけど、堅いイメージを持たれる方もいると思うんです。ものだけでなくて、ストーリーがすごく好きで、今の自分に必ず何かつながることがあるんじゃないかっていうのを探すことがとても好きなんです。今回はオリジンを巡る旅っていうふうに、日常のものにも、“今急に現れたわけじゃないよね”“誰がどういう思いで植えたんだろう”っていうストーリーを探っていくと新しい視点で日常を過ごせるかもしれないというところから、私自身もこの番組を進めていく中で、思いをはせるようになったので、きっと聞いていただいた皆さんにも日常の彩りとして楽しんでいただけるようなコンテンツになったんじゃないのかなと思います」と明かした。
杏は「これからどんどん新しいサービスが始まるということで、気軽にいろんなジャンルの作品を楽しめるようになってきました。私が参加したもの以外にもたくさん楽しめますので、みんなで一緒にドアを開けて、新しい世界へ行ってみましょうっていう気持ちで、既に楽しまれている方は、引き続き広がっていく世界を一緒に楽しんでいきたいし、これからっていう方は、ぜひこちらへいらしてくださいというような気持ちです。みんなで楽しんでいくことが少しでも心の栄養になっていくといいなと思います」とアピールした。
また、村上春樹の10作品がオーディブルに加わることも発表。「騎士団長殺し」を高橋一生、「海辺のカフカ」を木村佳乃、「神の子どもたちはみな踊る」を仲野太賀、「東京奇譚集」をイッセー尾形、「職業としての小説家」を小澤征悦が担当する。
高橋と木村から音声メッセージが到着し、高橋は「村上さんの作品は僕にとって思入れのある作品ばかりですが、その中でも『騎士団長殺し』は好きな作品の一つです。以前、この作品の書評を書かせていただいた際に、これは僕の物語のように感じると書かせていただきましたが、今回あらためてこの作品と向き合い、どう自分自身が反応していくのかとても楽しみにしております」と。
木村は「本当に大興奮です。同時に緊張しております。出版された時に読んだので、結構前になるので、このたび読み直して、今の私が読んだらどう感じるか、『海辺のカフカ』の世界観を皆さんの想像力をかき立てられるような朗読を目指して頑張りたいと思います」と意気込んだ。
この記事の写真