乃木坂46の久保史緒里を主演に迎え、秋之桜子が脚本、寺十吾が演出を手掛ける舞台「桜文」が、9月5日(月)の東京・PARCO劇場公演を皮切りに、大阪、愛知、長野で上演されることが決定した。
本作は、古き良き日本を舞台に、幽玄でエロティック、情感あふれる物語をユニークな感性で美しく描きだすことに定評のある秋之桜子による書き下ろし作品。秋之は、2010年に昭和の文士たちをモデルにした「猿」で第16回劇作家協会新人戯曲賞優秀賞を受賞。2012年に自身で立ち上げた演劇集団「西瓜糖」では、大正~昭和という時代を背景に男と女の「生と性」、その先にある「欲求」を色濃く浮かび上がらせる作品を執筆しており、外部公演にも多数脚本を提供。その艶やかな世界観で見る者をとりこにしている。
演出を手掛けるのは、寺十吾。俳優の心の奥に眠っている感覚を表現させ、作品世界を多様化させる演出術で、今や引く手あまたの寺十。秋之とは「西瓜糖」でタッグを組んでおり、その相性の良さは折り紙付き。明治期、吉原随一の花魁をめぐる耽美な悲恋の物語が、機微に触れた情感たっぷりの演出で描き出される。
吉原随一の花魁・桜雅を演じるのは、乃木坂46のメンバーとして活躍しながら、女優として舞台やテレビドラマにも精力的に出演している久保史緒里。桜雅が一人前の遊女になる前の少女時代に心から思い合っていた相手・仙太と、仙太とうり二つの容貌だったために、桜雅と深く関わっていく小説家志望の青年・霧野一郎の二役を、舞台・テレビドラマ・映画とジャンルを問わず活躍しているゆうたろう。さらに、禿(かぶろ)上がりの若い遊女である振袖新造の葵役に、女優、そしてアーティストとしてマルチに才能を発揮する松本妃代、桜雅の髪を結い続け、吉原随一の花魁となっても心許し信頼した髪結い・与平役に石倉三郎。
そして、当代きっての大店、紙問屋の旦那で、物語が大きく動くきっかけとなる桜雅の豪華絢爛な花魁道中を開く西条宋次郎を榎木孝明が演じる。そのほか、石田圭祐、阿知波悟美、加納幸和、木村靖司、有川マコト、塾一久といった演技巧者がそろい、明治期の吉原を体現する。
久保は「花魁役を演じるのは初めてなのですが、目に見える部分は豪華で美しくきれいでも、苦しい過去を抱えていたりと、その一人ひとりの背景を知れば知るほど深い世界だと思います。今回の役を演じる上で、当時の感じや所作はもちろん、いかに桜雅が過去に抱えている悲しさを表現できるか、というところもポイントになってくると思うので、頑張りたいです」と意気込んでいる。久保、ゆうたろう、榎木らのコメント全文は次ページに掲載。
久保史緒里 コメント
私が演じる桜雅は悲しい過去を抱えている、明治中期随一といわれていた花魁です。
今回の台本を読ませていただき、この作品の世界観や桜雅の過去に触れて、パワーと衝撃のある作品だと思いました。
花魁役を演じるのは初めてなのですが、目に見える部分は豪華で美しくきれいでも、苦しい過去を抱えていたりと、その一人ひとりの背景を知れば知るほど深い世界だと思います。今回の役を演じる上で、当時の感じや所作はもちろん、いかに桜雅が過去に抱えている悲しさを表現できるか、というところもポイントになってくると思うので、頑張りたいです。
今回の作品は私にとって挑戦となる舞台です。演出の寺十さんや大先輩の共演者の方々と一緒に演じていけたらと思います。
作品の世界の絢爛さを舞台上からお届けいたしますので、ぜひ楽しみに劇場にお越しいただけたらうれしいです。
ゆうたろう コメント
霧野一郎役のゆうたろうと申します。
「桜文」は僕自身初めてのテイストの作品、そして久しぶりの舞台出演という事で気合と高揚感とともに不安とプレッシャーをすごく感じています。課題もたくさんありますが稽古を重ねていく上で少しずつ役と共に成長できるよう全力で挑みますのでぜひ期待していてください。それでは劇場でお会いできることを楽しみにしています!
榎木孝明 コメント
初めての台本をワクワクしながら一気に読みました。興奮を覚えつつ、同時にストーリーは私の中で映像化していました。初見でそれが出来るか出来ないかは、舞台が成功するか否かの大きな条件です。もちろん今回は大成功で大傑作となり、満足げなカーテンコールの自分まで見えました。
男の色気に加えて醜い嫉妬心まで要求される作品です。何とやりがいのある役柄でしょう。寺十吾さんはぜひやらせてもらいたかった演出家です。出会いに感謝して精いっぱい努めたいと思います。
脚本:秋之桜子 コメント
三年前、お声がけ頂き、気がふれるほど美しく儚い物語をPARCO劇場で描きたいと「桜文」が立ち上がりました。コロナ、戦争と世界は大きく揺らぎましたが、この物語を紡ぐことが出来、上演となったこと嬉しく思います。主役の花魁役には乃木坂46の久保史緒里さん。清楚な透明感とともに憂いを帯びた目と儚さで、この舞台にさまざまな香りを放って頂けることでしょう。相手役の若き文士には優しい笑顔の中に男を感じさせるゆうたろうさん。そして人気実力とも充実の榎木孝明さん、石倉三郎さん。花組芝居の加納幸和さんはじめ骨太な舞台人の参加も決まり、演出は秋之と何度もタッグを組む寺十吾さんとなれば、そこにもう「桜文」の世界が匂い始め、この秋が待ち遠しくてなりません。
演出:寺十吾 コメント
これ言っていいのかしら?実は作家の秋之桜子さんは元文学座の女優、山像かおりさんなんです。しかも秋之さんはある限定された時間内にのみ山像さんに降りてくるらしく、だから山像さん?に戯曲の質問をしてもまるでちんぷんかんぷん。これウソじゃないんです。今まで秋之さんと何度も仕事をしましたが本当なんです。現に秋之さんから夜中にメールが来ると山像さんのメールとはまるで質感が違って、しかも何かに取り憑かれたかのような長文が多いんです。その秋之さんが今回描いた「桜文」は、文才に恵まれた花魁と美しい言葉や文章に恋焦がれた明治の若き文士との激しくも禍々しい恋の物語です。もちろん主人公の久保史緒里さんもゆうたろう君も何かに取り憑かれないとこの作品に飲み込まれてしまいます。2人に一体何が憑依するのか?お楽しみに!
作品情報
舞台「桜文」
脚本:秋之桜子
演出:寺十吾(じつなし・さとる)
出演:久保史緒里(乃木坂46)
ゆうたろう
松本妃代、石田圭祐、阿知波悟美、加納幸和、木村靖司、有川マコト、塾一久
石倉三郎、榎木孝明 ほか
■東京公演
2022年9月5日(月)~25日(日)
会場:PARCO劇場(渋谷PARCO8F)
料金:1万1,000円、U-25チケット5,500円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
一般販売日:2022年7月23日(土)
■大阪公演
2022年10月1日(土)~2日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール
料金:S席1巻1,500円、A席9,800円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
一般発売日:2022年9月4日(日)
■愛知公演
2022年10月5日(水)
会場:名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
料金:1万1,000円、車いす席1万1,000円、U-25チケット5,500 円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
一般発売日:2022年7月23日(土)予定
■長野公演
2022年10月8日(土)
会場:サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
料金:S席1万1,000円(U-25:5,500円)、Sペア席:20,000円※S席2枚、A席8,000円(U-25:4,000円)(全席指定・税込)※未就学児入場不可
一般発売日:2022年7月18日(月・祝)