池田純矢が作・演出を手掛ける即興音楽舞踏劇 『砂の城』 東京公演開幕に先立ち、フォトコールと取材会が行われ、主演の中山優馬をはじめ、岐洲匠、夏川アサ、野島健児、池田純矢、鈴木勝吾、升毅が出席した。
池田の「エン*ゲキ」シリーズ第6作となる『砂の城』は、中山演じる主人公のテオの亡骸が小高い丘の大木にあるところから物語が始まり、自ら命を絶ったテオがそこに至るまでどう生きたのかを描く作品。幼なじみと婚礼を迎え幸福に満ちあふれていたテオの日常が、あることをきっかけに“砂の城”のように崩れ落ちていくという人間のさまざまな思惑が交錯する感情的なストーリーとなっている。
「即興音楽舞踏劇」と題された本作。即興で音楽を奏で、歌い、舞うといった革新的な試みについて中山は、「即興で何かを表現してやろうと思って舞台に立つのではなく、その瞬間に出てくるものを信じて感情を出す。それも自分の中から生まれたものだけでなく、相手役の皆さんからいただくものを自分に取り込んで乗せて出す。その反応としての表現もとても大切だと思っています」と。稽古に明け暮れる日々も毎日が刺激的だと話し、「こんなことを思い付く純矢君は本当にヤンチャな人だと思います」と笑顔で語った。
これには岐洲も「本番ではいかに自分が自由にここに立っていられるかが大切」と同意しながらも、「ここまで自由になったことがなくて、挑戦できる自由の幅が大きすぎてよく分からないです(笑)」とコメント。他の共演者たちも「初めての舞台が即興音楽舞踏劇というハイレベルな作品で、すごい挑戦」(夏川)、「初めて尽くしですごく勉強になります」(野島)と、池田が作り上げる唯一無二の世界観に困惑、驚きながらもやがて感嘆に変わっていくさまざまな感情が入り乱れている様子が見て取れた。
そんな問題作を手掛ける池田は、「120点をたたき出す芝居をするために即興性はなくてはならないとあらためて感じました」と自信の笑み。主演の中山との関係性についても「ぶつかることを恐れずにディスカッションをしつつ稽古ができたし、対立せずに思ったことを吐き出せる健康的な関係。そこから生まれる信頼がないと即興という作り方は成り立たない」と強固な信頼関係をのぞかせた。
フォトコールで披露された歌については、主演の中山も「実はほとんど聞いたことのない、初めて聞いた歌がいっぱいあった」という即興劇ならではのコメントが乱発。さらに池田から「僕、ゲルギオスをちゃんと演じるのこれで1回目くらいなんです。ずっと演出してきてたので…」と驚きの告白が飛び出すと、升がすかさず「ほんと、迷惑なんだよ!」と笑いながらツッコむなど、笑いも即興性で生み出すカンパニーの絆の強さが見てとれた。
エン*ゲキ#06即興音楽舞踏劇『砂の城』は、10/15(土)から10/30(日)まで東京・紀伊國屋ホールで19公演、大阪は11/3(木・祝)~13(日)までABCホールで14公演を予定している。
公演概要
エン*ゲキ#06即興音楽舞踏劇『砂の城』
作・演出:池田純矢
出演:中山優馬、岐洲匠、夏川アサ、野島健児、池田純矢、鈴木勝吾、升毅、佐竹真依、高見昌義、永森祐人、真辺美乃理、森澤碧音
ピアノ演奏:ハラヨシヒロ
イベントHP:https://www.ktv.jp/event/enxgeki6/