12月から来年1月まで全国4都市で上演される舞台『4000マイルズ~旅立ちの時~』に出演する高畑淳子がカンテレ本社で取材会を開き、91歳の祖母役を演じるに当たっての意気込みを語った。
舞台『4000マイルズ~旅立ちの時~』は、2011年にオフ・ブロードウェイにて世界初演、2012年にオビ―賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、2013年にはピューリッツアー賞の最終候補となり“ヒューマンドラマの傑作”と言われる作品。そんな世界的話題作の日本初演版に岡本圭人、森川葵、瀬戸さおり、高畑の4名が挑む。
物語は、大学生のレオ(岡本)が祖母・ヴェラ(高畑)の住むマンハッタンのアパートに、深夜突然現れるところから始まる。レオはアメリカ西海岸から東海岸までを自転車で横断する旅の途中で不幸な事故に遭い、心に傷を負いながら、旅の最終地点であるニューヨークにたどりつく。一方のヴェラも、夫の死を未だに受け入れられず、隣人と朝晩電話で安否確認するだけの孤独な毎日を送っていた。突然始まった2人の共同生活に、レオのガールフレンド・ベック(森川)や行きずりの女子学生・アマンダ(瀬戸)が加わりさまざまな波紋をもたらしていく。
ヴェラの年齢設定は91歳と、実年齢よりはるか上の役を演じることに対して「おばあちゃん役なので地毛を白髪にしているんですけど、さすがに歯を抜いて入れ歯にはできないので、歯がないときの顔の作り方を練習しています。背中も丸いほうがいい気がしていて、本番では背中に座布団を入れようかな」とおちゃめに役作りを語った高畑。続けて、「ものすごくしゃべるんですよ、このおばあちゃん(笑)。だから見た目を91歳に近づけるというよりも、ヴェラという人間が91年間歩んできた人生の中身を耕していきたい」と意気込んだ。
高畑は10月から始まった連続テレビ小説『舞いあがれ!』に登場する五島列島に住むおばあちゃん・祥子役も好演中。ヴェラとの違いについては「朝ドラのおばあちゃんは多くを語らないけど孫に自分の考えをしっかりと伝えるタイプ。でもヴェラは逆に孫とたくさん語り、一緒に悩み、怒り、考える。とにかく人間臭さがあります」と分析した。
いっぽう、孫のレオを演じる岡本の印象を聞かれると、「読み合わせで集まった時には、もう既に小さい手帳に細かい字でびっしりと調べものをしていました。読み合わせが終わってから『アメリカの左から右までってどのぐらいの距離なんだろうね~?』とのん気に聞いたら『…4000マイルですよ』って言われちゃった(笑)」と孫と祖母の息の合ったエピソードを披露し、取材陣の笑いを誘っていた。
公演概要
舞台『4000マイルズ~旅立ちの時~』
出演:岡本圭人、森川葵、瀬戸さおり、高畑淳子
東京公演 2022年12月12日(月)~12月28日(水)@シアタークリエ
大阪公演 2023年1月7日(土)~1月9日(月・祝)@梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
ほか、愛知・香川で上演。