11月11日、第64次南極観測隊を乗せて東京を出発した南極観測船「しらせ」。そんな第64次南極観測隊に、テレビ朝日が来年3月下旬まで初密着する。
今回、テレビ朝日では『報道ステーション』、1月1日(日)放送の『羽鳥慎一モーニングショー新春SP』をはじめ、1月30日(月)~2月5日(日)には報道情報番組を中心にさまざまなテレビ朝日の番組が参画する「未来をここからプロジェクト×SDGs」ウィーク第4弾と連動し、「未来をここからプロジェクト~南極ノート~」と銘打った一大プロジェクトを展開。
今年6月に社内で「南極プロジェクトチーム」を立ち上げ、報道局を中心に取材内容の検討、放送スケジュールなどを議論。現在、テレビ朝日の記者2名が「しらせ」に同乗し、1か月半もの月日をかけて南極へと向かっている。
彼らは昭和基地に到着した後、2か月近くにわたって隊員と同じ施設に寝泊まりするなどして、知られざる南極での生活や観測隊の活動を密着取材。あわせて、世界の未来を変えてしまうかもしれない危機=「氷床融解」、最新の研究内容についても徹底取材を行い、現地中継も交えながら南極の今を伝える。
なお、『報道ステーション』では定期的に「しらせ」に同乗した記者の動向を伝えるほか、南極到着後も現地と中継を結び、現場から最新の状況をリポート。また、『羽鳥慎一モーニングショー新春SP』でも南極中継を実施する。
そして、「気候変動」を主軸テーマに据えた「未来をここからプロジェクト×SDGs」ウィーク第4弾では、さまざまな報道情報番組や制作系の情報番組、バラエティ番組で、南極での取材内容も盛り込んだ特別企画や特集を発信していく。
取材チームは、知られざる南極の環境と生活を実際に体験しながら取材を敢行。彼らが昭和基地を訪れる頃、南極は真夏シーズンだが、平均気温はマイナス1℃、太陽は1日中沈まない。そして、内陸部では年間平均マイナス50℃という世界も。過酷な環境の中、観測隊はどのように調査を行っているのか…。取材チームが日々の調査に密着し、その全貌に迫る。
また、昭和基地の食生活を支える力強い味方といえば、南極料理人だ。今回、派遣されている料理人たちに、食材の保管法や生鮮食品の扱い方、正月の特別料理の中身などを取材。基地のなかにある憩いの場「南極BAR」の様子や、隊員たちの休日にも密着し、南極での娯楽にも焦点を当てていく。
さらに、「しらせ」での1か月半におよぶ船上生活も取材。食事風景など日々の営みに加え、観測船が分厚い氷をどのように砕いて南極へ向かうのか、その仕組みにも肉薄する予定という。
今回のプロジェクトでは、気候変動問題において決して無視することのできない、南極にまつわる最新研究についても多角的に取材。『報道ステーション』をはじめ、さまざまな番組で現地中継も交えながら紹介していく。
そのひとつが、昨年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告で発表され、世界に衝撃を与えた「氷床融解」。このまま地球温暖化が進めば、世界各地の氷床がさらに溶け、海面が上昇する恐れがある、と指摘されているのだ。
南極には地球上の9割の氷があり、これはすべて溶ければ海面が約60メートル上昇する量にあたる。実際に最新の研究では、海に張り出している棚氷の下に暖かい海水が流れ込み、氷を溶かしている実態が明らかに。果たして、暖かい海水が氷河の下に流れ込むメカニズム、未来の世界に与える影響とは…。
分厚い氷の中を調べるボーリング調査、南極で今回初めて運用される水中ロボット「MONACA」なども徹底取材し、南極で今起こりつつある危機と研究内容について深く分かりやすく伝えていく。
また、気候変動の分析に用いられている氷のタイムカプセル=「アイスコア」の研究についても取材。実は、南極大陸の氷には過去の環境や空気が保存されており、深く掘って取り出したアイスコアを調べると、はるか昔の環境が判明するというものだ。
そこで、テレビ朝日は今回、過去に入手し、国立極地研究所で冷凍保管されている、70万年前のアイスコアを撮影。さらに、未だ誰も手にしたことのない100万年前のアイスコアの掘削に挑戦する日本チームの様子も、実際の映像と共に送る予定という。
ほかにも、超音波発信器を使って南極の氷の下に生息する魚の生態をひも解く研究など、興味深い最新研究についても特集。さまざまな角度から、南極の今を伝える「未来をここからプロジェクト~南極ノート~」に注目だ。
テレビ朝日のSDGsの取り組み:https://www.tv-asahihd.co.jp/sdgs/