“見えない虐待”を生き抜いた女性の歩みと思いを描く『私の中のかけらたち~虐待を生きる22歳~』2・11放送

エンタメ総合
2023年02月11日
第37回民教協スペシャル『私の中のかけらたち~虐待を生きる22歳~』

第37回民教協スペシャル『私の中のかけらたち〜虐待を生きる22歳〜』(午前10時30分〜11時25分)が、2月11日(土)にテレビ朝日ほか全国で放送。ナレーションを上白石萌音が担当する。

2021年度、全国の児童相談所が対応した児童虐待は、207,659件と過去最多を記録(2022年/厚生労働省)。そんな中、ニュースとして報道される悲惨な虐待死は年間数十件ほどと、虐待が疑われる事案のほとんどが、報道されることのない“見えない虐待”ともいえる。

この春、小学校の養護教諭として働き始めたさくらさん(仮名)には、同僚にも子どもたちにも伝えていない過去が。それは、物心ついたときには始まっていた、母親からの虐待だ。「死ね」「消えろ」「お前なんか生まなきゃよかった」などの心をえぐる暴言や、「ゴミかと思った」と言われて頭や体を踏みつけられた記憶。同居していた父も、祖父母も、その虐待行為を止められなかったという。

警察も児童相談所も家庭の異変に気づいていたものの、さくらさんに目立った傷やあざがなく命の危険がないことが分かるとそれ以上、家庭に介入してくることはなかった。さくらさんは、もうこの家にはいられないと自ら飛び出し、高校生の時に児童養護施設に入所。必死に勉強し、奨学金を得て、大学へ。2022年春、夢だった保健室の先生となった。

第37回民教協スペシャル『私の中のかけらたち~虐待を生きる22歳~』

「虐待を受けた私だから、気づける子どもの気持ちがあると思うんです。私が幸せになるにはもう手遅れでしたけど、こんな私の過去もこの先につながるんだとしたら、何か意味があるのかなって」と、過去の想いを胸に夢への第一歩を歩み出すも、さくらさんに抗えない記憶の波が押し寄せる。

憧れの保健室の先生として、子どもたちと接する日々にやりがいを感じていた矢先、体が突然思うように動かず、学校に通えない状態に。やりたいことができているのになぜ…と、自問自答を繰り返す中で、さくらさんは心の中でふたをしていた幼いころの自分の気持ちをもう一度たどっていくことに。

「傷ついた過去の私も救うことができたら」と消せない記憶と向き合い、もがきながら、夢を追いかけて生きるさくらさんの歩みを通し、“見えない虐待”の本質を描いていく。

担当ディレクター・中村育子(信越放送)コメント

この企画はニュースでもほかの番組でも一度も放送したことがなく、今回、皆さまにご覧いただくのが本当に初めてのことになります。番組を企画したきっかけは自分が児童虐待について興味関心があったからなのですが、私が思っていた児童虐待というものは本当に一部で、ニュースにとりあげられることのない虐待というものを、自分も一緒に問いかけていく感じでした。今までなかなか語られてこなかった、見えづらい、知らない、伝えづらい、こういった虐待の形を、本人だけではなく家族・周辺の環境も含めて、少しでも丁寧に伝えられたらと思って作りました。
取材の過程については、さくらと向き合ってインタビューをしているときも、さくらの母親と取材の交渉をしているときも、さくらが元気がないときも、いろいろな問題に立ち向かっているさくらと一緒にいるときも、ずっと気が張り詰めていました。
それでも一番強く感じたのは、彼女たちは決して特別な人ではなかった、ということです。まさにこの瞬間も、いろんな問題を抱えた親子が一つ屋根の下で暮らしていると思います。この番組をいろんな方に見ていただいて、子どもを育てること、自分が子どもだったときの気持ち、自分の隣にいる人への想像力を少しでも感じ取っていただける、そんな役割ができたらうれしいなと思います。

第37回民教協スペシャル『私の中のかけらたち~虐待を生きる22歳~』

番組情報

第37回民教協スペシャル
『私の中のかけらたち~虐待を生きる22歳~』
テレビ朝日
2023年2月11日(土)午前10時30分~11時25分
※その他地域の放送日時は番組HPを参照

番組HP:https://www.minkyo.or.jp/program/special/37/

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