稲垣吾郎が主演を務める舞台「サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-」が、4月14日(金)から再始動することが決定した。
2021年4月に初演の幕を開けるも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、わずか数公演で東京公演の中断、大阪公演の中止を余儀なくされた話題作がいよいよ再始動。
代々続く死刑執行人という宿命を背負いながらも「人間の生死を決められるのは神だけではないのか」「死刑制度はなくさなければならない」と死刑廃止論を唱え、自問自答を続けたシャルル=アンリ・サンソン。処刑人でもあり医師でもあった彼の、内面にうごめく葛藤を稲垣が全身全霊で表現する。
演出を白井晃、脚本を中島かずき(劇団☆新感線座付作家)、音楽を三宅純が担当。キャストにはフレッシュな若手俳優が集結。フランス革命の一番の当事者であり、サンソンの敬愛の対象でもあるルイ16世役には、蜷川幸雄演出「盲導犬」で舞台デビューを飾り、近年もウィル・タケット、鄭義信、ノゾエ征爾ら個性豊かな演出家から愛され続ける大鶴佐助が新たに挑む。
そして新キャストには、2.5次元舞台から映画、テレビドラマへと活躍の幅を広げ独自の存在感を放つ崎山つばさ、劇団EXILEのメンバーで映画、ドラマと多くの話題作への起用が続く佐藤寛太、2.5次元舞台から翻訳劇までさまざまな舞台でキャリアを重ね進化を続けるD-BOYSの池岡亮介が加わり、革命期の青年たちを演じる。
初演メンバーからは、数多くの映画、ドラマでキャリアを築き、話題作への出演を続ける落合モトキ、舞台はもちろん映画やドラマでも着実に存在感を示す清水葉月が続いて出演。
さらに、ギロチンの発案者で医師のギヨタン役には、重鎮・田山涼成、シャルルの父親とロベスピエールの二役には榎木孝明も続投、若者たちの群像劇に奥行きをもたらす。
稲垣らキャストと制作陣のコメント全文は、次ページに掲載。
稲垣吾郎(シャルル=アンリ・サンソン役)コメント
「サンソン」再始動の話を聞いたときは素直にうれしく思いました。白井さん、中島さん、三宅さんという素晴らしいクリエイターの方たち、そしてフレッシュなメンバーも加わるキャストの皆さんと、改めてこの作品に向かい合えることに感謝しています。
“死刑執行人”という非情な宿命を背負ったサンソンに再び向き合い、彼のような人物がいたという事実を、舞台を通して皆さまに伝え、未来につなげていければと思っています。
いろいろなお仕事をさせていただく中で、舞台は自分が自由に羽ばたけるような貴重な場所です。初演時は中止になってしまった公演も多く、ご来場がかなわなかったお客さまもいらっしゃると思います。今回は多くのお客さまと時間を共有できることを楽しみにしています。
演出・白井晃 コメント
2021年4月の突然の中断から2年。再び「サンソン」が動き出す。私は、今回の公演を再演とは捉えていない。あの日の憤りからこの作品はずっと続いている。だから、再演ではなく再始動である。
2年間という時間の中で私たちは多くのことを学んだ。不安のまん延、虚偽と真実の不確かさ、価値の変化。だからこそ、今、フランス革命の中心にいて、時代の波に翻弄されながらも、使命を全うすることで自己の存在を見出そうとした「サンソン」の姿が崇高に思えてくるのだ。
脚本・中島かずき コメント
「サンソン」が再始動する。2021年に唐突に中断され、その公演の大半を中止せざるを得なくなり、それでもなんとか神奈川公演で大千穐楽にだけはたどり着けた。だが、そこにいた誰もが不完全燃焼な思いを胸に「もう一度」と熱く願っていた作品だ。2年の時を経て、新しいメンバーを加えて、ようやく胸のくすぶりに火をつけることができる。暗くつらい時代の重い使命を抱えた男の物語だが、しかし、その炎があれば、闇の先の光にまでたどり着けると信じている。
音楽・三宅純 コメント
世襲の「死刑執行人」という宿命、動乱の時代がもたらす過酷な試練、シャルル=アンリ・サンソンをめぐる数奇な史実を知って、僕は震撼した。彼が責務を執行した現場の多くは、パリの住まいから徒歩圏にあり、街が今までとは違って見えてきた。サンソンの生きた時代、カオスとデカダンス、彼の美学とリリシズムを、白井晃さんの音楽構成案に繰り返し登場する「重低音」というキーワードと、どのように交差させるべきか、試行錯誤したのが今回のスコアだ。
この作品の初演はコロナ禍に翻弄され、余儀なく中断されたが、僕にはそれすらも物語の背景にある動乱の時代の事象に見えてきてしまっていた。今回の再演に際しては、中断された悔しさのエネルギーが昇華され、さらにすごみのある舞台になることを期待している。
大鶴佐助(ルイ16世役)コメント
フランスには友人も多く、実際にフランス人を演じたこともあり、縁深いものを感じています。フランス革命という歴史の象徴でもある題材、そして首を切られてしまうルイ16世の心情などまだまだ未知の部分も多く、改めて勉強してお稽古に入りたいと思っています。
崎山つばさ(トビアス・シュミット役)コメント
お話をいただいたときは喜び、不安、緊張、楽しみなどが入り混じり、背筋が伸びる思いでした。18世紀という特別な世界観に入り込めることにワクワクしています。多くのことを吸収して1日も早くなじめるように稽古に励んでいきたいと思っています。
佐藤寛太(ジャン=ルイ・ルシャール役)コメント
「銀河鉄道の夜」でご一緒させていただいた白井さんの演出ということで、演目を聞く前に「やりたいです!」と伝えました。初日から千穐楽に向けて変化することを楽しみながら、たくさん怒られて成長していきたいと思います。
池岡亮介(ルイ=アントワーヌ・サン=ジュスト役)コメント
今回のような時代の作品に出演するのは初めてですが、物語の裏側を探ることが好きなので“死刑執行人”という題材に隠されている見えない部分を追求できればと思っています。
役者の心情までしっかり見てくださる白井さんの期待に応えられるよう、うそのない演技をお見せしたいです。
公演情報
「サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-」
【東京公演】2023年4月14日(金)~4月30日(日)東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2023年5月12日(金)~5月14日(月)オリックス劇場
【松本公演】2023年5月20日(金)~5月21日(日)まつもと市民芸術館 主ホール
チケット料金(全席指定・税込) S席13500円 A席10000円/(松本公演のみ)B席 7500円
公式サイト:https://sanson-stage.com/
公式Twitter:@sansonstage