THE RAMPAGEのパフォーマー・陣による1人舞台「Slip Skid」が、3月2日(木)より東京・中目黒キンケロシアターで上演。それに先駆け、公開ゲネプロと囲み取材が3月1日に開催された。
「Slip Skid」は、陣が挑む初の1人舞台。囲み取材では、まず実現に至った経緯について「昨年、舞台をやってみないかとお声がけをいただいたのですが、その時は1人舞台以外にも、誰かとやるという他の選択肢があったんです。ただ、こういう大きな挑戦というのは何度もできないと思ったのと、表現者として自分1人で何かを作るということに挑みたかった」と明かした陣。
続けて、「スタッフさんが共にすてきな作品を作ってくださっていますが、この舞台に立つのは僕1人。プレッシャーはありましたが、こういう覚悟みたいなものは表現者としてなくてはならないものかなと思っています。せりふを覚えるところから入れると2か月ぐらいたっていると思うんですけど、その間ずっと明日の初日に向けてやってきました」と軌跡を振り返った。
普段はTHE RAMPAGEとして16人で活動している陣だが、今回の稽古を通して「意外と1人が好きやなと思っちゃったんですよ(笑)」とも。「でも、他の現場でメンバーに会うと自然と鼓舞されるというか。THE RAMPAGEは頑張っていないメンバーがいないので、つらいときも“頑張るって当たり前やな…”とか、そういうことにいつも気づかせてくれる。でも、今回は僕がせりふや動き覚えないと進まないので、1人であることが1番の原動力でした」と笑顔で語った。
公開ゲネプロの客席には、陣に熱視線を送るメンバーの姿も。何か会話を交わしたか問われると、「終演後に話したのですが、“演じてる感じがしなくてすごかったです”と。あと、やましょう(山本彰吾)が“なんか映画見てるみたいでした”って言ってくれて」と。「僕自身、変に演じるというよりも、楽屋からふっと出てきてそのまましゃべりだす、ということを意識していて。演出の小沢(道成)さんからも“それぐらいのテンションでいいよ”みたいなことを言ってもらっていたので、そういう言葉を掛けてもらってすごくうれしかったです」と胸をなで下ろした。
劇中では、縫いぐるみなどの小道具に扮し、青年・ケン以外のキャラクターも演じる陣。彼らとケンのやりとりも本作の見どころのひとつとなる。これについて、陣は「“イメージ”することがすごく大変でした。全部1人でやっているのはもちろん、劇中で流れる(他のキャラクターの)声も全部僕が収録しているので、それぞれイメージを作って、そこに言葉を乗せていくということの難しさを感じて。ただ勉強になりましたし、とてもいい経験になりました」と明かした。
続けて、公演を成功させるに当たってやっている“ゲン担ぎ”があるか問われると、悩む表情を見せつつ「早く起きる」と回答。「お昼の公演もあり、早く起きないと状態が整わないので。特に明日(3月2日)は13時からなので、 10時にはもう会場入りしていると考えたら、8時には起きて代々木公園を朝ランしてから来ると思います!」と笑顔を見せ「睡眠欲に負けない」と意気込んだ。
最後に陣は「(この作品は)ケンという主人公が自分の人生と向き合う物語。きっと生きていたら誰でも葛藤や嫉妬をしたり、挫折することってあると思うのですが、ケンはそれを隠して、ふたをしながら生きています。僕はたまにそのふたの中を覗いて、自分と向き合うことで成長できるんじゃないかと考えているので、そういった自分の中の思いみたいなものを感じていただいて、 帰り道に自分と会話してもらったり、そういうきっかけになれば。何点を目指すとかではなく、誰かの気持ちにちょっとでも残ったらいいな」と本作に込める思いを熱弁。
そして「僕しか出ない舞台を見に来ようと思ってくださってる皆さん、本当にありがとうございます!(笑)」と感謝しつつ、「今、この世の中はすぐに答えを求めたがりますが、皆さんが感じたものが正解であって、本当にそのまま受け止めてほしいです。ケンがもどかしくてイライラしたらそれはそれでいいし、“そういうことある!”と共感してもらうのもいいですし、自由にこの舞台を楽しんで帰っていただけたら僕はすごくうれしく思います」とメッセージを送った。
公演情報
「Slip Skid」
公演日時:2023年3月2日(木)~3月5日(日)
場所:東京・中目黒キンケロシアター
チケット料金:8,800円(全席指定/税込)
脚本/演出:小沢道成
キャスト:陣(THE RAMPAGE)
公式HP:https://slipskidstage.com/