二代目座長・早乙女太一率いる劇団朱雀の新作公演「祭宴」が、5月19日(金)の東京公演を皮切りに上演スタート。それに先駆け、5月18日に公開ゲネプロが開催された。
公演は三部構成となり、まず幕開けの一部は二代目座長・早乙女太一による女形の舞をメインにした舞踊ショー。太一の女形といえば…というような彼の代表曲「胡蝶之夢」をはじめ、なじみのある曲だけでなく和太鼓との共演、実演などの新鮮な取り組みも。
また、太一は曲間のわずかな時間でガラリといでたちを変え、涼やかに登場する。舞台上でその早替えの手順をチラリと目撃できる場面もあり、スタッフたちの手際の良さ、曲のリズムやきっかけに合わせながら着替えるしぐさも美しい本人の所作に、「お見事!」と言うほかない良き見世物が展開する。
そうして舞台上でボリュームのあるゴージャスな衣裳を着込むと、そこから始まるのは艶やかな花魁道中。その妖しさ、圧倒的な美しさに、会場のあちこちからため息が漏れていた。
続いて、二部で披露されるのは日替わり芝居。9本の演目が日替わりで上演されることになっているが、ゲネプロで上演されたのは、劇団☆新感線の座付き作家である中島かずきが今回の公演のために書き下ろした新作「桜吹雪八百八町」。
物語は、両国橋のたもとで咲き誇る一本桜の古木の下で展開する。太一演じる、遊び人の金さんの周囲で起こる不穏な事件。その真相を目撃してしまう“桜の精”を太一の弟・友貴が演じるが、この2人が絡む場面が生き生きとチャーミングで、2人への愛、劇団への愛をも感じる描きっぷりだ。
聞きなじみのあるテーマ曲が流れるほか、“金さん”以外にもさまざまなモチーフへのオマージュを匂わせつつ、ダイナミックな殺陣やお白洲での名裁きの場面、いかにも“中島節”と言える痛快な決めぜりふも続々と登場。見せ場満載の人情話かつお江戸ファンタジーとなっている。
三部は、出演者全員による舞踊ショー。全力を尽くして踊る“騒ぎ屋”メンバーたちとの一体感を魅せながら、1曲目から一気にお祭り騒ぎの時間帯に突入。ここでも、早乙女兄弟の高速超絶技巧の殺陣と身体能力、そのポテンシャルを惜しみなく堪能できる。コミカルなパートあり、セクシーなダンスもありと盛りだくさんで、日本文化を組み込んだエンターテインメントの可能性が詰まった時間だ。
まさに「祭宴」というタイトル通り、祝祭感に満ちた、この集団でしか表現できない、見どころしかないステージ。二代目座長・早乙女太一の覚悟と、もてなしの心づくしを感じられる公演となっている。さらに、5月26日(金)・27日(土)の公演には須賀健太ら、6月17日(土)・18日(日)の福岡公演には喜矢武豊(ゴールデンボンバー)のゲスト出演も決定しており、こちらも要チェックだ。
公演情報
劇団朱雀「祭宴」
チケット料金:全席指定8,800円
東京公演:かめありリリオホール
日時:2023年5月19日(金)~5月31日(水)
大阪公演:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
日時:2023年6月7日(水)~6月11日(日)
福岡公演:キャナルシティ劇場
日時:2023年6月16日(金)~6月18日(日)
沖縄公演:アイム・ユニバース てだこホール 大ホール
日時:2023年6月24日(土)~6月25日(日)
総合プロデュース・演出:早乙女太一
出演 :早乙女太一
早乙女友貴、富岡晃一郎、久保田創、安田桃太郎
小川智之、岩崎祐也、熊倉功、南誉士広、藤原儀輝
関根アヤノ、高畠麻奈、小林礼佳、沙也香
Yui Watanabe、Mai Watanabe、Peco
鈴花奈々/葵陽之介
「劇団朱雀」公式HP:https://www.gekidan-sujaku.com/