歌舞伎俳優の尾上右近が、8月2日(水)、3日(木)に浅草公会堂で開催される「尾上右近自主公演 第七回『研の會』」の記者発表会を行った。
『研の會』は右近が2015年から取り組んでいる自主公演。未経験の名作にあえて挑戦するのも見どころの1つで、初の浅草での開催となる今回は「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」と「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」に挑む。
今回の演目を「広い劇場になったらやりたいと思っていた」という右近は、『夏祭浪花鑑』について「自分の中でこの演目は、お役と俳優さんがパチパチとハマらないとできないようなものです。今回はありがたい出演者に恵まれました」と。特に右近と同世代で今回『研の會』初参加となる坂東巳之助については、『研の會』の翌日が歌舞伎座の初日という強行スケジュールで出演することに触れ、「歌舞伎界でこれから新しい景色を一緒に見ていこうということを誓っている仲間だからこそ頼めたこと」と信頼を寄せた。
一方の『道成寺』は女形舞踊の最高峰と言われる演目。「とにかく体力勝負のお役でもありますが、音羽屋にとりましても縁の深い演目でもありますので、大事に大事に初役の白拍子花子を務めたいと思っています」と意気込みを。今回初めての浅草公演についても「浅草は東京出身の僕にとって故郷が見つかったと思わせてくれた土地です。(浅草公会堂での開催は)キャパも広がって客席数も増え、“新たな第一回”というつもりで挑ませていただきたい」と話した。
記者発表会では特別版公演ポスターも披露。日本を代表する現代美術家・横尾忠則氏が手掛けたもので、「普段ポスターは自分のアイデアで製作しているのですが、今回は横尾忠則さんに直談判して特別に作っていただきました」と。サプライズで横尾氏から「『研の會』が続く限り、お手伝いさせていただければうれしいです」というメッセージが届くと、満面の笑顔を見せて喜んでいた。