ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の製作発表が6月22日(木)に開催され、堂本光一、観月ありさ、森公美子、鈴木ほのか、芋洗坂係長、岸祐二、彩吹真央、小堺一機、小野桜介、チョウ シ、涌澤昊生、日本版演出のウォーリー木下が登壇した。
原作は1964年の出版以来、児童文学として長らく世界的なベストセラーとなっているロアルド・ダールによる小説「チョコレート工場の秘密」。ウィリー・ウォンカの工場では、世界の子供たちに愛されるウォンカ・チョコレートが生産されていたが、その製作工程は秘密となっていた。
ある日、ウォンカは世界で売られるウォンカ・チョコレートのうち5枚だけ、ゴールデンチケットを入れることを宣言。チケットを手に入れた子供は工場に招待され、そのうち1名にはすてきなご褒美がもらえるという。工場に招かれたチャーリーら5人の子供とその家族はウォンカの案内で、信じられないような、驚くべき体験をする…。
小説を原作にしたミュージカル版の日本初上演となる本作で、謎に満ちた天才ショコラティエ、ウィリー・ウォンカ役を務めるのは堂本光一。「SHOCK」シリーズでミュージカル単独主演記録1位を更新し続ける堂本にとって、本作は2018年初演の「ナイツ・テイル-騎士物語-」以来5年ぶりの新作ミュージカル挑戦となる。日本版翻訳・演出はウォーリー木下が担当する。
このたび行われた製作発表に、キャスト陣とウォーリーが登壇。まず、ウォーリーが「ここ何年間か、自由に動き回ったり、遊んだりすることができなかった時期が続きました。でも、やっぱり好きなものを好きって言いたいし、やりたいことをやりたい。そういった人間が本来持っているエネルギーやパッションみたいなものは失われたくないと思っています。そんな中、この作品には音楽も振付も演出も演技も、全てが総合芸術として“楽しいことをやるぞ”というものであふれています。世界一ポップでカラフルなおもちゃ箱をひっくり返した作品にしたいと思っておりますので、ぜひ皆様、わくわくしながら待っていていただきたいです」とあいさつ。
そして、主演の堂本は「本作については数年前にちらっと話を聞いていたんですけど、そのまま流れるかなと思っていたらここにきて形になるということで、すごくワクワクしています。ウォーリーさんが“おもちゃ箱をひっくり返すような”とおっしゃいましたが、ひっくり返してぶっ壊すぐらいの感じですよね?(笑)本当にそれぐらいのとんでもない作品になるんじゃないかなと思っています。日本版がどういった形になるのか、正直まだ見えていないんです。ウォーリーさんの頭の中だけにあることだと思うので、それをみんなで形にしていくのがすごく楽しみです」と語った。
今回の製作発表では、共演キャストも解禁。まず、チャーリーと共にチョコレート工場に足を踏み入れる祖父・ジョーじいちゃん役に小堺一機。「この作品の要となる大事な役なので、近くの神社に行って“お願いします”と伝えたら、神社の方から“頑張ってください”と聞こえたような気がしました… 歳のせいかと思いますけれども(笑)。孫と一緒に素晴らしい冒険をさせていただきたいと思っています」。
そして、純粋な心を持つ少年・チャーリー・バゲット役には小野桜介、チョウ シ 、涌澤昊生のトリプルキャストが決定。小野は「みんながやりたかった役だと思うし、みんなが憧れている帝国劇場なので、最初から最後まで演じ切れるように頑張ります」、チョウは「今回チャーリーとして舞台に立てることがとてもうれしいです」、涌澤は「チャーリーはダンスをいっぱいやると聞いたので、手をいっぱいに伸ばして元気に踊りたいと思います」と笑顔で語った。
また、コンピューターオタクでひきこもりのマイクの母親・ティービー夫人役に彩吹真央。「この作品にはたくさんの子役の方が出るので、その親もたくさん登場します。それぞれの親バカっぷりがキャラクターとして表現されていると思うんですけど、中でもティービーはぶっ飛んだ親バカなんだろうなと。息子を愛するが故にぶっ飛んだ息子に育ててしまった、そんなぶっとんだ母親役をぶっ飛んで演じたいと思います」。
ロシアの富豪のワガママ娘・ベルーカの父親・ソルト氏役に岸祐二。「この作品はもともと映画を見ていて大好きでした。ファンタジー、そして社会風刺がある少しドキッとするようなシーンがあったり。そんなエンターテインメントが僕は大好きなので、この作品の日本初演に関わることができて本当にうれしいです。そして素晴らしい先輩方、共演者の方々とご一緒できて幸せです。光一君とは『ナイツ・テイル』でご一緒させていただいて、また光一君の挑戦に一緒に向かえるということを幸せに思っています。それを皆さんにお届けできるように頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」。
何でも一番でないと気が済まないバイオレットの父・ボーレガード氏役に芋洗坂係長。「バイオレットという女の子の親は映画ではお母さんだったと思うんですけど、今回はお父さんとして、ファンキーに演じられればと思っております。どう見ても面白くなるだろう、というキャストの皆様、演出のウォーリーさん、そしてスタッフの皆様の足を引っ張らないように頑張りたいです。今回、私の課題は痩せすぎてしまうと岸さんとキャラがかぶってしまう可能性があるので、おいしいものを食べながら頑張っていきたいと思います」。
肥満児・オーガスタスの母親で、バイエルンで精肉店を営むグループ夫人役に森公美子、鈴木ほのかのWキャストが決定。森は「チョコレート工場の映画を何度も見るたびに、これミュージカルだったら私だなと思っておりました(笑)。でも、ブロードウェイで上映されたときに難しいだろうな、結構歳だしなとも思っていて。今回決まって本当にありがたい限りでございます。どういうシチュエーションなのか、先ほどウォーリーさんに聞いたんですけど教えてくれないんですよ。本当に楽しみでございます」と。
鈴木も「光一さんとは2000年の『SHOCK』の初演以来23年ぶりにご一緒させていただけるということで、まさにゴールデンチケットが当たったような気分で感無量でございます。オーガスタスは原作で“オーガスタス・ぶく太り”と訳されていまして、その“ぶく太り”の母親としてとにかく骨組みをしっかりと作り、肉作りをたっぷりとして血を通わせていきたいと思っております。私も今からわくわくしております」と笑顔を見せた。
そして、夫を亡くし、貧しくも家族を必死に支えるチャーリーの母・バケット夫人役に観月ありさ。「私はミュージカルが今回で2作目なので、とにかく皆さんの足を引っ張らないようにやりたいなと思っております。この世界観の中で、癒やし的な存在になれればいいなと思っております。今からとても楽しみです。よろしくお願いいたします」。
このそうそうたるキャスト陣の中でも、特に帝国劇場に強い思い入れを持っているのが堂本。「考えてみれば、今年は『JOHNNYS’ World』があって『SHOCK』があって『DREAM BOYS』があって、『チャーリーとチョコレート工場』があって。こんなに帝劇でやらせてもらっていいんでしょうか」とびっくり。「よく“帝劇の住民だ”と言われたりもするんですけど、僕にとってはとんでもないことで。やっぱり帝劇という場所は諸先輩方が素晴らしい歴史を築いてきた劇場ですから、そこに立たせていただけるということへの気持ちは初演の頃から変わっていなくて。本当に恐れ多くて、だからこそいつも一生懸命やらせていただこうという気持ちでいます」と思いを明かした。
そんな堂本について、観月は「先日(堂本が出演する)『SHOCK』を観劇させていただいたのですが本当に豪華で、とにかく光一さんの身体能力の高さを感じる舞台でした。あっという間に3時間たってしまって本当に飽きることのない舞台だなと感動したのですが、そんな光一さんとご一緒できるというのはとても光栄だなと思っております」と。また、初めて立つことになる帝国劇場についても「本当に分からないことだらけですので、皆さんにいろいろと聞きながら千秋楽までやり切っていきたいなと思います。そしてこの歴史の長い劇場に立てるということをすごく感謝しておりますし、自分の経験としても、今後に生かしていけるような作品になればいいなというふうに思っております」と意気込んだ。
一方、小堺は「チャーリーと一緒に冒険を楽しむということで、こんなに幸せなおじいちゃんはいないと思います。そして、今日初めてちゃんと皆さんのお顔を見たりあいさつをさせていただいて、本当に自分が半分客であるかのように、どういうふうになるのか楽しみでしょうがない。それが苦しみに変わらないように頑張っていこうと(笑)。誰かから影響をもらったり、僕も皆さんに影響を与えられたりしたら、それが化学反応になるのかなと思いますし、本作は題材が面白いので、自分の想像を超えたことがいっぱい起こりそうな気がして、楽しみです」と期待を膨らませた。
また、森が「私は光一君が飛ぶのではないかと…!」と問いかけると、堂本は「違う意味で飛ぶシーンがあります」と明かし、ウォーリーも「夢のようなシーンがあります」と。それを聞いた森は「私も飛ぶ準備をしておきます!」と気合を入れていた。
最後に、堂本が「この作品はブラックなところはすごくブラックだし、ウィットに富んでいる部分もたくさんある。でも、その言葉の裏にある何かを受け取ってもらえるようになっていくと、ポップな部分プラスアルファですてきな作品になるのかなと思っています。そのあたりをいかに自分たちで料理できるかですね、すごく難しいと思うんですけれど。内容的にはひっくり返してぶっ壊すような作品でもありますが、人間のエゴもあるし愛情もあるしでたくさんのものが詰まっている作品だと思うんです。どうやって伝えるのかもですが、お客さん一人一人がどんな感想を持ってくださるのかも楽しみにしております」と語った。
作品情報
ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」
2023年10月 東京・帝国劇場
2024年1月 福岡・博多座
2024年1~2月 大阪フェスティバルホール
<Cast&Creative>
ウィリー・ウォンカ:堂本光一
脚本:デイヴィッド・グレイグ
音楽:マーク・シェイマン
歌詞:スコット・ウィットマン/マーク・シェイマン
原作:ロアルド・ダール
映画版楽曲:レスリー・ブリカッス/アンソニー・ニューリー
日本版翻訳・演出:ウォーリー木下
訳詞:森雪之丞
振付:YOSHIE・松田尚子
アートディレクション:増田セバスチャン
音楽監督・指揮:塩田明弘
美術:石原敬
照明:藤井逸平
映像:鈴木岳人
音響:山本浩一
衣裳:小西翔
ヘアメイク&ウィッグ:SAKIE
歌唱指導:亜久里夏代/柳本奈都子
稽古ピアノ:宇賀村直佳/若林優美
オーケストラ:東宝ミュージック/ダット・ミュージック
演出助手:平戸麻衣
舞台監督:三宅崇司
アシスタント・プロデューサー:松本宣子
プロデューサー:齋藤安彦/今村眞治
製作:東宝