堂本光一主演のミュージカル『Endless SHOCK』の制作発表会見が行われ、4・5月の帝国劇場公演、7・8月の梅田芸術劇場公演、9月の博多座公演、そして11月には再び帝国劇場にて公演を行うという、過去に例のない長期間の全国ツアーの開催が発表された。
『SHOCK』シリーズは今年の公演でついに上演2000回を達成し、また国内演劇の単独主演記録2017回を超えて歴代1位に到達する予定となっている。そんな記念すべき2024年公演のライバル役には、佐藤勝利(4・5月、9月公演)、中山優馬(7・8月公演)、上田竜也(11月公演)と豪華なトリプルキャストが実現。会見には堂本、佐藤、中山、上田のほか、ヒロインのリカ役を務める中村麗乃、綺咲愛里、オーナー役の前田美波里、島田歌穂が登壇した。
冒頭で堂本は「今年は4、5月…7、8月、11月と…自分でもいつやるのか覚えられないぐらい(笑)」と上演月を思い浮かべながら語り始め、中山から「9月もあります」とフォローされると「9月もあるの?(笑)あぁ、そうですか(笑)。っていうぐらい、多くやらせていただきます」とまずは公演数の多さに触れた。
そして「帝国劇場が休館するということで(2025年2月休館)、この作品は帝国劇場と共に歩んできたところがある。これは資料にも載っていないと思うんですけど、自分としては“今年で『SHOCK』の幕を閉めようかな”と思っています。えー、(理由は)年齢でございます。…冗談です(笑)」と突然の発表で報道陣を驚かせた。「そういった意味でも豪華なキャストの皆さんに集まっていただいたので、盛大に花火を打ち上げようかなというイメージで、最後にやらせていただこうかなと思っております」と今年の公演に対する思いを明かした。
2022・2023年公演に続いてライバル役を務める佐藤は「僕のエンタメの根源が『Endless SHOCK』です。その思いの強さも乗せて、最後の『Endless SHOCK』を並走できることを心から光栄に思います。一生懸命務め上げて、最高のゴールを一緒に迎えられるよう努力していきたいと思います」と決意を。
2018・2019年以来、5年ぶりにライバル役を務める中山は「またこの『SHOCK』に参加させていただけること、大変光栄に思っております。僕が芸能を目指して歩み始めたときからこの作品はこの世の中にあって。ずっと見させていただいて、それに参加できる日が来て。そして今年最後になるということに大変衝撃を受けていますが、その分、身が引き締まる思いです」と心境を明かした。
2020・2021年公演以来の出演となる上田は「20年ぐらい前に光一君に“おまえは『SHOCK』に出るな!”と言われたとき(笑)、まさか最後の11月の公演をやらせていただくことになるとは夢にも思いませんでした。“閉め”ということでこれまで以上にしっかりとライバル役を追求して、見に来てくださるお客様に“素晴らしい公演だったな”と思っていただけるようにしっかり努めていきたいと思います」と意気込んだ。
質疑応答であらためて『SHOCK』の閉幕を決意した理由を聞かれ、堂本は「2~3年前から自分の中で考えていました。(帝国劇場の)他にやれる劇場がないというのも理由のひとつです。作品としても、『Endless SHOCK』という形になった26歳当時の年齢設定の内容で、自分が今45歳になって。まぁ、“いい時”かなと。ともに歩んできた帝国劇場が休館になるのであれば、そこで自分が出る『SHOCK』は一度幕を閉めてもいいのかな」と意図を説明。続けて「さっき(上田)竜也が“閉め”って…こいつが“閉め”って言うと、違う“シメ”に聞こえるけど(笑)」とおどけるひと幕も。すかさず上田から「違う、“幕を閉める”の“閉め”(笑)」とツッコまれ、「大丈夫かな?ってドキドキしてた(笑)」と、世間的にはヤンチャなイメージのある後輩をイジってみせた。
ライバル役の3人を含め、近年の『SHOCK』シリーズに出演してきたキャストは堂本の決断に寂しさをにじませる。2013年からオーナー役で長年出演してきた前田は「とても残念です。こんなにも素晴らしい作品を光一さんが手放していいのか、と。数年前に“若い人でこの作品やることはないの?”と聞いたら、“今は考えていません。帝劇で作った作品は帝劇で閉めるんです”っておっしゃっていました」と明かし、「でも光一さんは演出家にもなっているので、いつかこれを超える素晴らしい作品を作ってまた演じられることを祈っています。その時はぜひ私もおばあさん役で出してください(笑)」とちゃめっけたっぷりにエールを送った。
初演以来20年以上愛され続けてきた『SHOCK』シリーズの魅力を聞かれ、堂本は「残念なことに、僕は一度も外から見たことがないので(笑)。この作品を完全に客観的な目で見た感想を僕からは言えないんです。ただステージに立っている自分から言えることは、とにかくずっと命を燃やしてきたということ。自分には大した技術があるわけではないし、素晴らしい役者さんが世の中にたくさんいる中で“自分は大したことないな”と思ってしまうので。その中でできることは“命を燃やしていこう”“ステージ上でウソをつかないようにしよう”という思いでステージに立ってきた。それをお客様に受け取っていただけたのかな」と語った。
一方、上田は「一度出たら『SHOCK』が心に根付いていて。プライベートでも、『SHOCK』の歌を鼻歌で歌ってるんですよ」とすっかり『SHOCK』にハマっている様子。これには堂本も「『SHOCK』大好きだね(笑)」とうれしそうに応じていたが、続けて上田が「だからキャスト全員で、最後“シメ”に行きたいと思います(笑)」と意気込むと「書き方ですね(笑)、どの字にするか」とフォローしていた。
将来的に『SHOCK』の主演を後輩に譲ることを考えているのか尋ねられると、堂本は「自分の思いとしては、誰かにやってもらいたいなと思います」と本音も。「来年以降、例えば…。『SHOCK』は帝劇のサイズに合わせて作ったものなので、できる劇場も限られますしミュージカル版としては持っていけないと思うんですけど。例えば“感謝祭”のような形で違う地方にイベントとしてはできるのかもしれない…。全然分からないですよ? 今適当なことを言っているので、“勝手なこと言うな”って思ってる人がたくさんいると思います(笑)。そういったことができるかもしれないし。作品としては、誰かに自分の役をやってもらいたいなという思いは強くあります」と、あくまで“個人的な思い”としながらも、今後に期待を感じさせた。
囲み取材では、「最後を意識したキャスティング」だと明かした堂本。長年『SHOCK』を支えてきた後輩グループのふぉ~ゆ~が久しぶりに4人そろっての出演を果たすことに触れ、「役の配置どうしようかなって悩んでるんですよね。じゃんけんかな?(笑)」と演出家としての苦悩も。フライングのサポートも務める重要なポジションも務めるふぉ~ゆ~だが、「フッキングは松崎(祐介)以外なら誰でも大丈夫です。松崎だけにはやらせられないな、と。松崎はキャッチングは上手なんですよ?(笑)」とこの場にいない天然キャラの後輩をイジって笑いを誘った。
作品情報
舞台「Endless SHOCK」
作・構成・演出・主演:堂本光一
2024年4月11日(木)~5月31日(金)東京・帝国劇場
※「Endless SHOCK」「Endless SHOCK -Eternal-」同時上演
出演:堂本光一、佐藤勝利、越岡裕貴、松崎祐介、高田翔、寺西拓人、松尾龍、尾崎龍星、石川直、中村麗乃、前田美波里・島田歌穂(Wキャスト)
7・8月 大阪・梅田芸術劇場メインホール
出演:堂本光一、中山優馬、林翔太、室龍太、高田翔、原嘉孝、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里、島田歌穂
9月 福岡・博多座
出演:堂本光一、佐藤勝利、福田悠太、辰巳雄大、室龍太、高田翔、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里、前田美波里
11月 東京・帝国劇場
出演:堂本光一、上田竜也、福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介、松尾龍、尾崎龍星、石川直、綺咲愛里・中村麗乃(Wキャスト)、前田美波里
●photo/九重圭吾