『理想的本箱 君だけのブックガイド』(Eテレ 毎週土曜 午後9時~)が、4月6日(土)よりレギュラー放送をスタート。出演者の吉岡里帆、太田緑ロランス、幅允孝からコメントが到着した。
『理想的本箱』は「あなたと本の幸福な出会いを仲介する“君だけのブックガイド”」をコンセプトに、気鋭のブックディレクター・幅允孝(はば・よしたか)が、漠然とした悩みや不安、好奇心にそっと寄り添う本を、古今東西のあらゆる書物の中から3冊選書して紹介する番組。
番組の世界観は、静かな森の中にある「プライベートライブラリー」。ただ本を紹介するだけではなく、ドラマやアニメや朗読などでその世界に入り込める「映像の帯」というこの番組オリジナルの演出を交え、本の魅力をビビットに伝える。
過去の選書テーマは、「もう死にたいと思った時に読む本」(21年)、「同性を好きになった時に読む本」(21年)、「もっとお金が欲しいと思った時に読む本」(22年)、「初めてお葬式に行った時に読む本」(23年)、「戦争が迫ってきた時に読む本」(23年)など(過去の選書テーマはHPに記載)。
MCとなる理想的本箱の主宰は吉岡里帆、司書に太田緑ロランス。3年前からスタートし、これまでに14本放送されてきたが、4月からは新しくレギュラー番組となり、毎週土曜午後9時に放送する。
吉岡里帆 コメント
同じ本についてそれぞれの解釈を共有しながらじっくり話せるのが本当に楽しくて、この番組を通じて本の読み方が変わりました。難しいと思っていた本が急に身近なものになったり、本に出会ったことで人生観がほんの少し変わったり。読んだことでものの見方が全然変わるのが本の力だと思っています。それを4月から毎週紹介できるのが、この上ない喜びです。
太田緑ロランス コメント
幅さんの選書は予想もしない方向からの変化球や直球など、毎回うならされるラインナップで、ワクワクしながらページを繰っています。初回から3年がたち、チームワークもどんどんよくなっていると感じています。収録は毎回私自身得ることが多く、本当に有意義な時間で、この読書体験を皆さんと毎週シェアできることをとても幸せに感じています。
幅允孝 コメント
今は人と本の距離が離れている時代だと感じています。だからこそ「こんな本があるんだ」「こういう捉え方があるんだ」と視聴者の方に思ってもらえるような選書や解釈を定期的にご紹介したいし、そんな番組になればうれしいです。
各地の図書館に番組への“共感”広がる
◆番組紹介の本を手に取れる
『理想的本箱 君だけのブックガイド』は2021年に始まり、これまでに番組に共感した10の図書館(番組で把握している限り)に、放送に合わせて「理想的本箱」コーナーが設けられ、番組で紹介された本が置かれてきた。
幅允孝は「新刊」だけでなく、古典と呼ばれる本(その後復刊)からも選書。そうした“時代を超えた本”を所蔵するのは、図書館ならではのこと。また、図書館によっては番組で紹介した3冊に加え、その館の司書がテーマに合わせて選んだ本を合わせて紹介する取り組みもされている。
◆デジタルの今だからこそ本の魅力を
気に入った箇所を何度も読んだり、前に戻ったり…と、自分のペースで世界に浸れるのが本の良さの1つ。その「体験」は、速効性はないかもしれないが人生のどこかで必ず助けてくれる。番組は、そうした「本」との出会いに満ちた図書館とのコラボを、放送が回を重ねるにつれて広げていきたいと考えている。
これまでに理想的本箱コーナーを設置した図書館
・海老名市立有馬図書館(神奈川県)
・大牟田市立図書館(福岡県)
・久慈市立図書館(岩手県)
・高浜市立図書館(愛知県)
・玉野市立図書館(岡山県)
・苫小牧市立中央図書館(北海道)
・那須塩原市図書館(栃木県)
・日田市立淡窓図書館(大分県)
・文京区立小石川図書館(東京都)
・行橋市図書館(福岡県)
※掲載は番組で把握している図書館を五十音順で表記
<那須塩原市図書館 コメント>
那須塩原市図書館みるるでは、幅さんにアフォリズム(文字の彫刻)の掲出や、選書にご協力をいただいております。そんな幅さんが出演される番組に呼応して、特集を組みました。8回目の番組が終了後、8つのテーマで紹介された本を全て集めて、テーマごとに展示しました。そのほか幅さんのプロフィールの掲出や幅さんの著作も展示しました。展示期間中は、常に8割以上の本が「貸出中」になるなど、大変好評を博しました。
<久慈市立図書館 コメント>
未知の本と出会えるのでは、お客様の読書の幅が拡がるのではと期待し『理想的本箱』コーナーを設置しました。コーナーに配架した本はすぐに借りられ、立ち止まって読まれている方もいらっしゃいました。また、番組を視聴したお客様からのお問合せも図書館に寄せられ、『理想的本箱』への関心の高さを感じました。
◆参考 これまでに選書された3冊の一例
テーマ:~戦争が迫ってきた時に読む本~(23年7月放送)
1冊目:「戦争は女の顔をしていない」
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ・三浦みどり訳/インタビュー集
2冊目:「短くて恐ろしいフィルの時代」
ジョージ・ソーンダーズ・岸本佐知子訳/小説
3冊目:「ひろしま」
石内都/写真集
番組情報
『理想的本箱 君だけのブックガイド』
Eテレ
2024年4月6日(土)スタート
毎週土曜 午後9時~
©NHK