ミュージカル「モーツァルト!」の製作発表記者会見が6月4日(火)に開催され、Wキャストで主人公のヴォルフガング・モーツァルト役を演じる古川雄大、京本大我(SixTONES)が登壇した。
「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性を重層的な作劇で“人間モーツァルト”35年の生涯に迫り、2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた本作品が、約3年ぶりに帝国劇場に帰ってくる。ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビによる作品で、数々の名場面と名曲で紡がれる大ヒットミュージカルだ。
そんな本作が、帝劇クロージングラインナップとして8月に開幕するに当たり、製作発表記者会見が6月4日(火)に開催。Wキャストで主人公のヴォルフガング・モーツァルト役を演じる古川雄大と京本大我が登壇した。
今回が3度目の出演となる古川は「僕自身、この作品に参加するのは3回目なのですが、今までいろんなミュージカルをやらせていただいてきた中で、この作品は特に大好きな作品の1つです。この作品の世界観はもちろん、楽曲も含め、ヴォルフガングの一生を描くという点で、役者としてとても魅力ややりがいを感じております。なので、また今回参加できて本当に幸せです」と。
「初めて参加させていただいた時はとにかくあがいてなんとかやり切り、2回目の時には少し技術的に余裕が出てきて、自分の中でつかんだものもあったのですが、いろいろな関係者の方から『1回目の方が良かったよ』という声を頂きまして…(笑)。僕がつかんだものってなんだったんだろう、面白いって難しいなと思いつつ、1回目の時は何か足りないものを目指して追い求めている姿、みたいなものが反映されて役に生きたのかなと。なので、今回は3回目になりますが、より自分を追い込んでいきたいなと。3回目にして、自身のベストのヴォルフガングを作れるように頑張りたい」と意気込みを語った。
対して、今回初めてヴォルフガング役に挑む京本は「僕は約10年前に初めて本格的に『エリザベート』という作品でミュージカルに挑戦させていただいたのですが、そこで難しさや過酷さを知りながら、同時にミュージカルの面白さや奥深さも感じて。いろんな作品をもっと勉強したいと思った時に出合ったのがこの作品で、面白く、魅力的な作品ってまだまだたくさんあるんだなと思ったんです」と。
「そこからいつか自分も『モーツァルト!』を務められるぐらいミュージカルを頑張ってみたい、とぼんやり大きな夢を胸の奥に抱いていたのですが、それからコツコツ毎年舞台に挑戦してきて、こうして20代ラストの年に『モーツァルト!』という作品に挑戦できる機会を頂けたこと、本当に光栄に思っております」と喜びを語った。
さらに、Wキャストを務める古川との縁も明かし「僕が『エリザベート』に初めて出演した時に、Wキャストとして一緒にやらせていただいたのも雄大君なんです。なので、今回一緒にやらせていただけるというのがすごく心強くて。僕にとっては本当にお兄ちゃんのような存在で、10年前からたくさん甘えてきて、そんな僕をいつも引っ張って支えていただいて…。なので、ちょっとは大人らしくなったところを見せたいのですが、まだまだ頼ってしまうと思います」と笑みを浮かべた。
互いの印象を問われると、古川は「これまで芸能界にいて、美しい人やカッコいい人はたくさん見てきましたが、彼は特に美しいですよね。ただ、その美しさとは真逆に、すごく努力家でストイックな一面もあって。同じ役をやらせていただく中で感じることもありましたし、彼が別で主演していた作品を見たときにも、どれだけ努力してきたかっていうのがステージ上から伝わってきたんです。そういうギャップも魅力的ですし、この見た目があったらもっと調子に乗っていいと思うんですよ(笑)。でも、決してそうではない、彼の努力を尊敬しています」と京本を称賛。
そんな京本は「僕も全く同じ気持ち」と照れ笑いしつつ、「このポスタービジュアルもそうですけど、雄大君もうらやましいぐらいカッコいいじゃないですか。前の時の『モーツァルト!』のポスタービジュアルも大好きで、帝劇で別の作品をやっている時にもわざわざロビーに見に行ったりしてたぐらい本当に大好きで。雄大君こそすごいストイックですし、お芝居が繊細で、細かいところまでこだわって突き詰めてやってらっしゃる印象。でも、男らしさみたいなものもしっかり兼ね備えていて、僕の憧れといいますか、理想の男性像です」と。
そんな古川の意外な一面にも言及し「実は抜けているところもあり、そこがすごくギャップ。10年前に初めてお話した時も、急に『チョコレート食べる?』とチョコレートを下さって(笑)、それで緊張していたのが和らいだんです。そういうお兄ちゃん的な面もありながら、気づいたら筋トレしていたり、マイペースなところも魅力的で。観察していてもすごく楽しい、すてきな先輩だなと思っています」とその仲良しぶりを告白。「『エリザベート』の時は地方公演中に一緒にカラオケに行き、高音対決をしたり、X JAPANを絶対に地声で歌わなきゃいけないゲームをしたり…(笑)」と懐かしんだ。
役作りについては「周囲の人々との関係性をしっかり描きながら、これまでのアプローチとは違う、自分で課題を課していきたい。自分をとにかく追い込んで、役だけでなく古川雄大自身も追い込んでいくことで、言うなら1回目の時のような切羽詰まった感じを目指したい。ちょっと妥協したくなりますけど、それぐらいしないといいものはできないんじゃないかなと思っているので、とにかく甘えずいけたら」と古川。
京本は「本番期間も長いですし、役と向き合っていく上で京本大我としての強さも持っておかないと自分がダメになってしまう怖さがあり、いろいろなことに気をつけながら向き合っていきたいです。そして、天才が天才役を演じるのは難しいと思うのですが、僕のように特別秀でていない人間がコツコツ積み上げて作り上げるからこその面白さというのが絶対にあると思っていて。グループにも天才だなと思うメンバーがいるので、そういうキャラクターを日々勉強しながら、いろんなことを吸収しながらやっていけたら」と前を見据えた。
そんな京本に対し、天才だと思うメンバーが誰かを問う質問が。これに対し、京本は「みんな天才なのですが、特にそう思うのはジェシー。ジェシーは自分のことを天才じゃないって言うのですが、僕からすると才能のかたまりといいますか。 もちろん努力もたくさんしているのですが、これは元々彼が持ち合わせているものだなと感じることが多くて、そういうのを見ると僕もより頑張ろうと思えるんです。僕らはみんな得意分野がそれぞれあるのですが、結局やってみたらなんでもできちゃうので、そこがSixTONESの尊敬するところであり、好きなところ」と胸を張った。
最後に古川は「今回5代目のモーツァルトが誕生しましたが、他にもさまざまなキャストが変わっています。今まで愛してくださった方にはぜひ変化を感じていただけたらいいなと思いますし、このカンパニーならではの『モーツァルト!』をお届けできるように頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と。
京本も「初めての挑戦になりますが、これまで経験させてもらったことを大事にしつつ、新鮮にいろんなことを取り込んでいく勇気を持ちながら、このヴォルフガングというとても難しい役に取り組んでいきたいです。雄大君は先程“自分を追い込む”とおっしゃっていましたが、僕はもう“自分を追い殺す”つもりでやれたらと。壊れる寸前まで痛めつけながらやらないと、皆さんに感動を感じていただけることはないだろうなと思っています。たくさんの皆さんに支えていただいて、しっかり自分の足でステージに立って演じられたら」とあいさつし、会見を締めくくった。
作品情報
ミュージカル「モーツァルト!」
2024年8月19日(月)~9月29日(日)帝国劇場(東京)
2024年10月8日(火)~27日(日)梅田芸術劇場メインホール(大阪)
2024年11月4日(月)~30日(土)博多座(福岡)
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)
オリジナルプロダクション:ウィーン劇場協会
公演:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京
製作:東宝株式会社
公式HP:https://www.tohostage.com/mozart/