スペインの巨匠と言われる劇作家アントニオ・ブエロ・バリェホの傑作で、昨年韓国でミュージカル化されて話題となった『燃ゆる暗闇にて』が日本初上陸。10月5日(土)に東京・サンシャイン劇場にて開幕した。
平和な盲学校に一人の転校生が来たことで巻き起こる変化を軸に、“幸せ”とは何かを問う本作。学園の中心人物で主人公のカルロス役には特撮ドラマ『王様戦隊キングオージャー』(2023年)出演以降、初ミュージカルとなる渡辺碧斗を迎え、校内に混乱をもたらす転校生イグナシオ役で佐奈宏紀と坪倉康晴がWキャストで出演。そのほか生徒役で熊谷彩春、コゴン、高槻かなこ、雨宮翔(GENIC)、菅原りこ、日髙麻鈴、さらに校長役で壮一帆が作品に華を添える。
初日前日には公開ゲネプロが行われ、取材会にキャスト陣が集結。渡辺は「先生役の壮さんに見守ってもらいながら、同年代のメンバーたちと1か月かけて作り上げてきて、僕自身すごく支えられた部分もあります。稽古場でやってきたことをそのまま出せれば」と本番に向けて意気込みを語った。続いて佐奈が「ひと言ではまとめられない作品なので、劇場で見て感じて何かを持ち帰ってもらえたら。魂や苦しみや何から何まで燃やして千秋楽まで突っ走っていきたい」と話すと、ミゲリン役のコゴンが思わず拍手したことから一同和やかな雰囲気に。役柄同様にムードメーカー的な存在であることを感じさせたコゴンは「キャストの皆さんと頑張って準備しました。明日から本番でとても緊張していますよ! ハハ!」と照れた様子を見せつつも、「いろんな姿を見せる機会になると思うので、劇場でお待ちしています」と笑顔を見せた。
また、佐奈と坪倉がWキャストを務めるイグナシオの違いについて質問が及ぶと、共演者たちから「セクシー(坪倉)とワイルド(佐奈)」(高槻)、「稽古場での印象は、柔(坪倉)とパワーを感じる剛(佐奈)」(渡辺)という意見が。坪倉は「僕自身Wキャストが初めて。佐奈ちゃんとのWキャストで2パターン見られると思うので、ぜひ2人のイグナシオを見ていただけたら」とコメントした。
取材会の最後には、渡辺が「盲学校が舞台ですが、扱っているテーマは生きている人全員に当てはまるもの。自分の幸せを見つめ直すきっかけになったり、自分の幸せの方向性を決めるとき、何かの選択の時に頭によぎる作品になればと思います。誠心誠意、最後まで走り抜けていきますので応援のほどよろしくお願いいたします」と締めくくった。
ミュージカル『燃ゆる暗闇にて』は、東京・サンシャイン劇場にて10月5日~13日に上演。舞台手話公演や字幕・台本サポート、舞台説明、音声ガイドなど公演によって鑑賞サポートも実施する。
ミュージカル『燃ゆる暗闇にて』公式HP:musical-moyuru-kurayami.jp/