「timelesz Project -AUDITION-」で“仲間”を探し、8人“家族”となったtimelesz 最終オーディションから見えた新メンバーの魅力

エンタメ総合
2025年02月18日
timelesz襲名式
襲名式ではメンバーカラーのドリンクを手に(左から)菊池風磨(紫)、篠塚大輝(白)、寺西拓人(水色)、橋本将生(ピンク)、佐藤勝利(赤)、猪俣周杜(黄色)、松島聡(緑)、原嘉孝(黄緑)

2024年4月1日、メンバーの卒業により佐藤勝利、菊池風磨、松島聡の3人体制となったSexy Zoneが、timeleszへの改名と新メンバーオーディションの実施を発表した。ボーイズ(ガールズ)グループのオーディション番組は珍しくない。だが、プロデューサーなどの第三者ではなく、現役のアイドルグループのメンバーが共に活動する新メンバーを自ら選ぶオーディションは史上初。Netflixで毎週配信された『timelesz Project -AUDITION-』(略称『タイプロ』)は大きな話題を呼び、コアなファン以外からも日に日に注目度が高まっていった。

そして2025年2月15日、寺西拓人(30)、原嘉孝(29)、橋本将生(25)、猪俣周杜(23)、篠塚大輝(22)の5人がtimeleszに加入することが番組内で発表された(※年齢は2025年2月17日現在)。timeleszは8人グループとして、新たなスタートを切った。

timelesz
timelesz
オーディションを通して“仲間”を探す

応募総数は1万8922件。一次選考からオリジナルメンバーの3人が全ての書類に目を通したという。彼らが繰り返し公言していた選考基準は「仲間探し」だ。歌、ダンス、ルックス、トーク力、スター性など、アイドルに求められる資質はいくつもあるが、3人が一貫して重視していたのはtimeleszというグループへの熱量と、メンバーとの親和性だった。

初期の審査で、timeleszに対する解像度が低い候補者(グループ名の表記を間違える人や、Sexy Zoneやtimeleszの曲を知らない人など)をメンバーが詰めた場面が今でも強烈に印象に残っている。「デビューしたい」という気持ちはあって当然で、候補者の「timeleszのメンバーになりたい」という本気度を、3人はずっと見定めていた。本気であればグループのために死ぬ気で努力をするし、おのずと己が成長する。どんなにスキルや経験値、「デビューしたい」という熱量が高かったとしても、「timeleszでなくてもいい」という気配を少しでも醸し出す候補者は脱落していった。

このオーディションに、自身が経験した就職活動を重ねる視聴者が多かったのはさもありなんと思われる。どんなにスペックやスキルが高くても、人間性に魅力があったとしても、会社から「うちの会社を愛してくれる、こいつと一緒に働きたい」と思ってもらえなければ採用してもらえないのだ。

「timelesz Project -AUDITION-」6次オーディション
最終(6次)審査

最終(6次)審査には、合格した5人の他に、浅井乃我、浜川路己、本多大夢を加えた8人が残っていた。観客を入れた有明・東京ガーデンシアターが審査会場で、合格者の人数は未定。REDとBLUEに4人ずつ分かれ、それぞれのチームに佐藤、菊池、松島も加わり、新曲「Rock this Party」を7人でパフォーマンス。そして、もうひとつの課題曲として、8人で、Sexy Zone/timeleszにとって大切な楽曲である「RUN」を熱唱した。フォーメーションの変化が多く、それぞれに見せ場のある「Rock this Party」ではオリジナルメンバー3人との相性が、「RUN」ではそれぞれの熱量や限界を突破する力をどれだけパフォーマンスにのせてお客さんに届けられるかが、審査のポイントだったように思う。

「timelesz Project -AUDITION-」REDチームのパフォーマンス
REDチームのパフォーマンス(左から)浅井乃我、菊池風磨、原嘉孝、佐藤勝利、本多大夢、松島聡、篠塚大輝
「timelesz Project -AUDITION-」BLUEチームのパフォーマンス
BLUEチームのパフォーマンス(左から)寺西拓人、松島聡、猪俣周杜、菊池風磨、佐藤勝利、浜川路己、橋本将生
菊池、佐藤、松島が語った新メンバーの魅力

新メンバーとしてtimeleszに加入した5人はどんなキャラクターなのか。2月15日に行われた「timelesz 襲名式」こと新体制発表記者会見で、オリジナルメンバーの3人が語ったそれぞれの魅力を引用しつつ簡単にお伝えしたい(以下、発表順)。

橋本将生について、菊池は「一見いわゆる“陽キャ”なんですけど、実は繊細で気にしい。そういうところも含めて魅力」と語った。佐藤は番組内で「無限大の可能性がある」「センターになれる」とそのポテンシャルを評価した。実際、橋本は本番に強く、6次審査の「Rock this Party」ではとてつもない輝きを放っていた。

ジュニア時代に菊池と同期だった寺西拓人は、一度もグループ活動をしないまま、役者としての立ち位置を築き上げた。佐藤は「(後輩の自分を)優しく受け入れてくれる本当に人間力の高い先輩」「歌も踊りもものすごい人」とその人間性とスキルを絶賛する。

猪俣周杜は、佐藤が「愛されるキャラクター」「天然」「かわいらしい」と言うように、襲名式でも彼の天然ぶりに何度も爆笑が起きていた。その一方で、「言われなくても自分に足りない部分を見つけて、ひたむきに努力する姿は、すごく印象が良かった」(佐藤)という、ギャップも持つ。

篠塚大輝は一橋大学の4年生。芸能活動を一切したことがなく、歌もダンスも初心者だ。立つだけで絵になるスター性と、負けず嫌いで物おじしない性格は視聴者にも伝わっているが、菊池が評価したのは「伸びしろを裏付ける努力」と「問題解決における判断力や決断のスピードが速い頭の良さ」であった。

原嘉孝は寺西と同じくジュニア出身で、「宇宙Six」というグループを経て、現在は役者として活動している。松島が「太陽のよう」と表現する原の明るさが、timeleszに笑いを生み出す。襲名式でも大車輪の活躍を見せていた。「トレーナーさんが指摘できないくらいスペックが高い」(松島)原が、timeleszのパフォーマンスを底上げすることは間違いない。

選ばれなかった3人の持つ可能性

襲名式で、6次審査の合否の分かれ目について質問された菊池は、「ある段階からは(8人)全員合格という気持ちでした」と前置きしつつ、「一緒にグループ活動をする上で、より『一緒に歩んでいける』可能性を感じさせてくれたメンバー」「相性は全員良かったので、バランスですかね」とコメントした。

ここからは筆者の個人的な推測だが、新生timeleszのメンバーの顔触れと、襲名式の色付け(衣装やヘアメイクなどのスタイリング、松島が毛筆でしたためた「timelesz襲名式」の看板、“家族”というキーワードで表現されたグループの絆、乾杯の演出など)から、彼らが「大人(のアイドルグループ)」であることに力点を置いているように感じた。浅井、浜川、本多の3人はそれぞれにスキルが高くスター性があるが、少年っぽさも色濃く残る。特に浅井と浜川はまだ10代。彼らが今、既にデビューして13年のキャリアのあるオリジナルメンバーと共に活動するとなると、今の時期にしかないフレッシュな魅力を封じ込めてしまう可能性がある。この3人なら別の場所、別の形で必ずスターになれるし、その方がtimeleszというよりも彼らにとって正解だと、オリジナルメンバーの3人が判断したのではないか。その答え合わせをする日はそう遠くないと予感している。

そしてオリジナルメンバーにも変化が

このオーディションを通して候補者たちが劇的な成長を遂げたように、オリジナルメンバー3人も大きな変化を見せた。今まで我々に見せていなかった部分があらわになったと表現する方が正確かもしれない。

菊池風磨はタイプロの発案者としてリーダーシップを発揮し、売れることへの貪欲さをむき出しにした。InstagramのStoriesと質問箱の機能を活用して、批判の声に真摯(かつクレバーに)答えていったときの瞬発力と対応力には舌を巻いた。頭の回転の速さは知っていたつもりだったが、ここまでだったとは…!

佐藤勝利がこのオーディションについて語る言葉や、候補者たちにかける言葉には、文学性のようなものがあった。いくつもの言葉を飲み込んで、自分の中で整理した上で放たれた言葉は、濃度、純度、強度の全てが高い。また、グループやメンバーへの愛をストレートに言葉にするようになったことも大きな変化だろう。佐藤の「シノ(篠塚大輝)を背負いたい。ずっと一緒にいたい。仲間になってほしい」という言葉はもはや愛の告白のようだった。

一番殻を破ったように見えたメンバーが松島だった。いつも天使のように優しい松島が、候補者たちの不甲斐ないパフォーマンスに怒り、「ファンを舐めてもらっちゃ困ります」と、今までメディアでは一度も見せたことのない険しい表情で、厳しい言葉を投げつけたのだ。彼の、timeleszというグループと応援してくれるファンへの愛の強さが伝わってくる出来事だった。

新生timeleszが「Anthem」を歌う日

タイプロのテーマ曲「Anthem」は、3人体制になったtimeleszが一発目にリリースしたシングルでもある。リリックとサウンド、ダンスの全てにおいて闘志をむき出しにしたこの曲は、3人の決意表明として鳴り響いていたが、襲名式で菊池が「我々は家族となりました。名字は『timelesz』です」と宣言したことによって、8人の決意を示す曲となる。「Anthem」という楽曲が彩ってきた「timelesz Project」のクライマックスとして、8人がこの曲をパフォーマンスするときのまなざしに注目したい。

●Text/Takako Sunaga photo/Keigo Kokonoe

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