6月12日(金)公開の映画「あなたにふさわしい」初日舞台あいさつに山本真由美、橋本一郎、宝隼也監督が登壇し、コロナ禍の中で公開日を迎えた思いや撮影秘話を語った。
本作は、1つの別荘で休暇を共に過ごすことになった2組の夫婦が、それぞれ離婚の危機に直面することになる5日間の物語。宝監督は本作で長編監督デビューを果たし、映画「ハッピーアワー」などの高橋知由が脚本を手掛ける。
物語の軸となる夫婦を、上田慎一郎監督の「テイク8」でヒロインを演じ、「カメラを止めるな!」で主題歌を歌唱した山本真由美と、「殿、利息でござる!」など話題作への出演が続く橋本一郎が演じ、「オイド映画祭東京」では主要キャストが特別賞(演技部門)を受賞した。
宝監督は「2017年から準備してやっと上映となったのですが、大変な世の中となってしまい不安な中準備してきました。ただ、こうやって映画館がやっているということが本当に救いとなっています。『あなたにふさわしい』は小さい映画なんですけど、本日から上映が始まりますので、ぜひ応援していただけたらうれしいです」と。
山本は「映画が公開されるか不安だったんですけれど、こうやって公開初日を迎えられたことを本当に嬉しく思っています」、橋本は「舞台や映画(の撮影)が飛んだりする中、初日が迎えることができて本当にうれしく思います」とあいさつした。
脚本を読んだ時の感想について山本は「直接的な言葉のやりとりというよりは、行動だとかが一つひとつ影響し合って人間関係が浮き彫りになっていく作品で、軽井沢の別荘地で繰り広げられていくというのは興味深いなと思いました」と語った。
それぞれが演じたキャラクターの役割についてどう考えて演じたかを聞かれると、山本は「人と人は影響し合っていると思いますが、美希の行動で、周りのみんなを振り回すというか、きっかけを与えるという印象でした。つかみどころがないというか、スルッと抜けていくというような印象がありました」と。
橋本は「由則は多弁な方なんですけれど、その多弁さの中に、何か足りないというか、見ている方に入ってこないように意識しました」と語り、妻に不倫される夫という役柄については「由則は機微に対して感度が高い方ではないです。自分もそういうところがあるんですが、自分が本当にされたらどうなるんだろうなと考えたんですけど、もしかしたら同じような行動をとるかもしれないと思いました」とコメントした。
そんな中、宝監督から「撮影中は知らなかったんですけれど、山本さんは、不倫相手役の中村有さんと撮影前にデートしたそうですが、どういう想いからデートされたんですか?」と質問が。
すると山本は「スキャンダルに聞こえますけど(笑)、撮影前に顔合わせがあって中村さんの方から、『役について話せるものなら話し合いたい』と提案がありました。現場によってはそれができないこともありますが、中村さんは連絡をくれて、『1回会ってご飯でも行きますか』と言ってくれたんです」と。
そして「その時はおでんを食べました。言ってもいい話なんですけど、そういう役柄でもあるので、秘密を抱えて、あえて密会をしたことは皆には内緒にして撮影に挑みました」と告白し、「中村さんと(橋本)一郎さんは仲良しなのに、あえて内緒にしてしまいました。今言っちゃいましたけどね!」とおちゃめな面を覗かせた。
最後に「こういった状況の中で劇場に足を運んでくださり、本当にありがとうございます。映画は映画館で見る体験で、今日の季節であったり、ここまでいらっしゃる記憶と一緒に残るものなのかなとも思いますので、ぜひスクリーンで楽しんで行って頂けたらうれしいです」(山本)、「こういう時期にここで皆さんとご一緒できたということに感謝しています。見に来てくださってありがとうございます」(橋本)と感謝を伝え、初日舞台あいさつは終了した。
映画「あなたにふさわしい」
アップリンク吉祥寺で公開中ほか全国順次公開
<スタッフ&キャスト>
監督:宝隼也
脚本:高橋知由
出演:山本真由美、橋本一郎、島侑子、中村有、鶏冠井孝介、紺野ふくた
配給・宣伝:アルミード
公式ホームページ:www.anafusa.com
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