公開中の映画「いつくしみふかき」の舞台あいさつが都内で行われ、主演の渡辺いっけいらが登壇した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による公開延期を経て、6月19日に公開されたばかりの本作。舞台あいさつには、主演の渡辺いっけい、榎本桜、監督の大山晃一郎が登壇し、遠山雄がリモートで出席。それぞれが本作に懸けた想いを語った。
意外にもこれが映画初主演で、「これほどパーソナルな形で携わった仕事は意味がある」と本作への思い入れの強さを見せる渡辺は、「自粛明けで僕らの映画を見に来てくれる方は本当にありがたい」とファンに感謝。また、撮影が3年前に行われたことに触れ、「今、3年前の自分から力をもらっている感覚です。見れば見るほど味が出る作品。お客さんにも必ず何かが伝わる映画だと思います」とアピールした。
本作が長編デビューとなる大山監督は「オンラインでの公開という選択肢もあったのですが、映画館で見てほしいと映画館にこだわって耐え忍んできたので、公開日朝一の回をテアトル新宿で見た時は、涙が止まらなかったです」と長い道のりを経てたどり着いたこの日に感無量の様子。
渡辺とW主演を務め本作の企画も担当した遠山は、映画化の理由を聞かれ「このまま無名の俳優で終わるわけにはいけないという思いで、自分が主演の映画の企画をスタートさせました」とコメント。現在は映画の舞台である長野県飯田市で精力的に上映館回りをしているため、東京との往復を避けてのリモート出席となった。
この日の司会も担当した榎本は、「売れない俳優と売れない監督が大先輩に乗っかって作った映画」とおどけながらも、「僕と遠山と大山が同期で、芽が出ないまま17年かかりました。“6年かけて作った映画”と謳われていますが、僕らにとっては17年間の集大成。17年の想いがこもった映画です」と胸中を熱く語った。
動画
映画「いつくしみふかき」予告90秒
作品情報
映画「いつくしみふかき」
テアトル新宿ほかにて全国順次公開中
出演:渡辺いっけい、遠山雄、平栗あつみ、榎本桜、小林英樹、こいけけいこ、のーでぃ、黒田勇樹、三浦浩一、眞島秀和、塚本高史、金田明夫
監督:大山晃一郎
ストーリー
30年前。母・加代子(平栗あつみ)が進一(遠山雄)を出産中に、あろうことか母の実家に盗みに入った父・広志(渡辺いっけい)。「最初から騙すつもりだったんだろ?」と銃を構える叔父を、牧師・源一郎(金田明夫)が止め、広志は“悪魔”として村から追い出される。進一は、自分が母が知らないものを持っているだけで、母が「取ったの?この悪い血が!」と狂うのを見て、父親は“触れてはいけない存在”として育つ。
30年後、進一は、自分を甘やかす母親が見つけてくる仕事も続かない、一人では何もできない男になっていた。その頃、広志は舎弟を連れて、人を騙してはお金を巻き上げていた。
ある日、村で連続空き巣事件が発生し、進一は母をはじめとする村人たちに、「悪魔の子である進一の犯行に違いない。警察に突き出す前に出ていけ」と言われ、牧師のいる離れた教会に駆け込む。「そっちに行く」という母親に「来たら進一は変わらない」と諭す牧師。
一方、広志は、また事件を起こし、「俺にかっこつけさせてください」という舎弟・浩二 (榎本桜)に、「待っているからな」と言っても、実際には会いに行かない相変わらずの男で、ある日、牧師に金を借りに来る。「しばらくうちに来たらどうだ?」と提案する牧師。牧師は進一のことを「金持ちの息子」だと嘘を吹き込み、進一と広志は、お互い実の親子だとは知らないまま、二人の共同生活が始まる。
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