黒木瞳監督が内館牧子の原作を実写化した映画「十二単衣を着た悪魔」が11月6日(金)より公開されることが決定。これに併せて、主演の伊藤健太郎をはじめとする11人のキャストが解禁された。
本作は、脚本家・小説家の内館牧子が「源氏物語」を題材に執筆した長編小説「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」を基に実写映画化。現代の青年が「源氏物語」の世界にトリップし、奔放で強い女性によって成長していく姿を描く。メガホンをとるのは、女優であり、原作をこよなく愛し実写化を熱望した黒木瞳。脚本は「ちょっと今から仕事辞めてくる」などを手掛けた多和田久美。
主演は『今日から俺は!!』『アシガール』などの話題作に出演し、今年は出演作がひっきりなしに続く伊藤健太郎。伊藤が演じるのは、就職試験59連敗中の実家暮らしのフリーター・伊藤雷。何でもできる弟に対して劣等感を持つ彼が、ひょんなことから「源氏物語」の世界にトリップ。弘徽殿女御に仕え翻弄されながらも、未来を当てる比類なき陰陽師として周りから認められることで成長していく。
弘徽殿女御役を演じるのは、伊藤とは初共演となる三吉彩花。嫌われ者、野心家などのイメージの弘徽殿女御を、現代のキャリアウーマン顔負けのハートと冷静な分析力で息子を帝にしようと信念を貫く芯の強い女性として演じる。
そのほか、若手実力派からベテランまで、個性豊かなキャストが集結。雷と絵巻物の世界で出会い、妻となる倫子役に伊藤沙莉。右大臣で弘徽殿女御の父役にラサール石井、雷の母・伊藤明子役に戸田菜穂。
弘徽殿女御の夫・桐壺帝役に伊勢谷友介、弘徽殿女御に仕える家臣役に山村紅葉と笹野高史。弘徽殿女御の息子役に田中偉登、雷の弟・水役に細田佳央太。そして光源氏役には沖門和玖が抜擢された。
伊藤健太郎 コメント
この映画は取柄もない、自分に自信がない現代の男の子がそれまで行ったことのない世界で成長していく物語です。
タイムスリップするお話は初めてではないのですが、映画で時代劇は初めてになります。人が成長する部分にフォーカスした話が個人的に好きで、変わっていく様を演じるのもすごく好き。だから今回このお話を頂いたときはとてもうれしかったですし、監督も黒木瞳さんということでどんな面白い作品になるのだろうとワクワクしながら、自分なりに成長感をどう出そうかと考えながら撮影に臨みました。このような情報解禁の発表タイミングが自身の誕生日と重なるのが初めてなのでうれしいです。
三吉彩花 コメント
弘徽殿女御役を演じさせていただきました三吉彩花です。本作に出演が決まった時はうれしかったです。
それと同時に緊張感もありましたが、黒木監督にぶつかっていきたい気持ちが強かったです。
この作品はインプットとアウトプットをものすごいスピード感で行い、今まで自分自身でも知らなかったスイッチを押していただきました。何より監督を信じて毎日撮影現場に行けたことがうれしかったです。女性が強く自分の信念を持って生きる、優しさの中にもたくましさがある作品だと思います。ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。
監督・黒木瞳 コメント
自分の居場所を見つけられず、人と比べられて自信をなくす人は多いかと思います。この物語は、そんなネガティブ男子が、源氏物語の中でキラキラと生きている人たちと出会って、自分の存在価値を見つめ直していくという“希望のお話”です。
ネガティブな大学生を演じるのは、伊藤健太郎さんです。撮影は、ほぼ順番通りに行いました。すると、健太郎さんの顔が日に日に変わっていくのです。ダメンズだった(もちろんお芝居ですが)彼が、ラストシーンでは見事なまでの清々しい顔へと変化していきました。彼の演技の賜物ですが、さらに彼を突き動かしたのは、『十二単衣を着た悪魔』が持つ小説の魅力だと、私は再確認した次第です。
源氏物語にはそう詳しくない私でもこの小説に魅了されたのは、内館さんが学生の頃から気になっていたという弘徽殿女御を、別の視点から描いているところです。実に潔いトップレディの生き様、時代を冷静に見つめることのできる才能、ジタバタしない生き方は品性のある女性であり、そして母親として息子への無償の愛が見え隠れするところに、女としての哀愁が漂います。
この難しい弘徽殿女御を演じてくださったのは、三吉彩花さんです。十二単衣が似合う女優はこの方の右に出る人はいないでしょう。そして、この美しい彼女からは想像できないような、センセーショナルなセリフの数々。“悪魔”とは、人の英知を超え凡人には太刀打ちできない心の強さを持った人なのだと、彼女の演技を見ていて感じたものです。
そして、伊藤沙莉さん、笹野高史さん、山村紅葉さん、伊勢谷友介さんほか、この作品の中で、すてきに自在に演じてくださった出演者の方々、さらに未熟な私を支えてくださったスタッフの方々に心から感謝しております。
皆様の心に届けられる作品になったかどうか、ぜひ、劇場でお確かめいただければ幸いに存じます。
原作・内館牧子 コメント
幻冬舎から「十二単衣を着た悪魔」が出て、すぐのことです。黒木瞳さんが、監督としてぜひ撮りたいとおっしゃったのです。本当にすぐのことでした。原作の「源氏物語」ではヒステリックで悪役の弘徽殿女御に、いち早く魅力を感じてくださった。黒木監督しかないと思いました。
劣等感のかたまりのような伊藤雷を伊藤健太郎さんが、弘徽殿女御を三吉彩花さんが演じ、一癖も二癖もある脇を、一癖も二癖もある実力派が固めてくださる本作です。
千年後の今、自信を持って弘徽殿女御に捧げます。
作品情報
「十二単衣を着た悪魔」
2020年11月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
原作:「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」(幻冬舎文庫)
<出演>
伊藤健太郎 三吉彩花
伊藤沙莉 田中偉登 沖門和玖/戸田菜穂 細田佳央太/ラサール石井 伊勢谷友介/山村紅葉 笹野高史
監督:黒木瞳
脚本:多和田久美
制作・配給:キノフィルムズ
<WEB>
公式サイト:http://juni-hitoe.jp/
公式Twitter:@12hitoe_movie
公式インスタグラム:@12hitoe_movie
©2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー