“星ばあ”という老婆役に挑んだ桃井はこの役柄に挑戦するにあたって心掛けたことを聞かれると、「実は全然なくて(笑)。監督が髪の毛を選んでくれたんですね。それで私の撮影前の仕事はパーマをかけるってだけだったのよ(笑)。あの頭で全部が出来ちゃうっていう、色々話したけど結局、頭だったっていうね(笑)。なんでそんなにこだわってたのか、それは監督に聞いてください」と冗談交じりに髪型の重要性を語る。
藤井監督は「自分の中の星ばあのイメージがもじゃもじゃなんですよね(笑)。それでいて、風になびかれてるイメージがあって。服とか髪の毛とか。でも、最初はカツラかもしれないなって思ってたら、次打ち合わせした時にはもうパーマをかけて下さっていて、それを観た瞬間に『あ!星ばあだ!』ってなったんですよ」と、現実でも桃井と“星ばあ”が重なったことを告白していた。
そして今回抽選で選ばれた招待者から寄せられた“宇宙いち聞きたい質問”を答えるコーナーでは、清原への「星ばあから言われた言葉で、何が1番心に響きましたか?」という質問が取り上げられる。
それに対して清原は「“しぶとく生きろ”って星ばあに言われるシーンがあるんですけど、つばめとしてその言葉を受け取った時ももちろん感じることがあったんですけど、完成したものを観て時間が経って今でもその言葉を思い返したときに、深く自分の中にその言葉が染み込んできて、今真っ直ぐ前を見てちゃんと今自分がやっていることを一つ一つ丁寧にしぶとく図太くやっていきたいなって、つばめとしても私としても心の中に残り続けるんだろうなって思います」と、自身の心にもその言葉が響いたことを明かした。
「今のこの全世界的にも厳しい時期に、星ばあだったら何て言うでしょうか?」という質問に対し、桃井は「生きとけ!ってことですかね。とにかく歳食ってみてはっきりわかったのはね、若いときに考えてたほど人生長くないんだなって。やっぱり生きてるってことは結構面白いなって、歳食ってからもまた人生面白いのでね、とにかく生きとけ!ですかね」と、星ばあさながらの金言を披露。
最後に、清原は「この作品は本当に本当に大切な作品で、撮影中から撮影が終わった後も、あんな奇跡的で充実していた輝かしい夏を藤井組のみなさんとキャストのみなさんと過ごせた私は本当に幸せだなあって今でも思います」と幸せを噛みしめつつ振り返る。そして「あの素晴らしい現場を経て完成した素晴らしい作品となっておりますので、大人になった方、これから大人になる方へ、すごく懐かしい気持ちにさせてくれるところもあれば、自分の行動を思い直したくなるような部分とか、そんな風に皆さんの心に何かが残るような作品になっていればなと思います」と述べた。
桃井は「若い時の悩みってちっぽけだったような気がするけど、悩みって大きい小さいとかじゃなくて、本当につらいんだなーって、若い時の自分を思い出すようなそんな映画になっています。こういう時期だから映画館に行ってとはなかなか言えないんだけど、でもやっぱり映画館で見てほしいな」と、作品に対する思いの強さゆえの願いをこぼす。
藤井監督は「これだけ屋根の下にいる時間はないよなと自分も家にいて思いました。たくさんの人にも見てもらいたいですが、みなさま一人一人の心に残るような作品になっていると嬉しいです。今日はありがとうございました」と締めくくり、大盛況のうちにイベントは幕を閉じた。
<舞台挨拶概要>
「宇宙でいちばんあかるい屋根」完成披露試写イベント
2020年8月3日(月)新宿バルト9 シアター9
登壇者:清原果耶、桃井かおり(リモートでの出演)、藤井道人監督
<作品情報>
「宇宙でいちばんあかるい屋根」
2020年9月4日(金)全国公開
出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり
主題歌:清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)
作詞・作曲・プロデュース:Cocco
脚本・監督:藤井道人
原作:野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)
配給:KADOKAWA
<WEB>
公式サイト:https://uchu-ichi.jp/
©2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会