“監督絶対主義”の映画レーベル「Cinema Lab」誕生!第1弾は本広克行監督×小川紗良「ビューティフル ドリーマー」

映画
2020年08月12日
映画「ビューティフル ドリーマー」
映画「ビューティフル ドリーマー」

本広克行監督、押井守監督、小中和哉監督、上田慎一郎監督が参加する映画実験レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」が発足。第1弾作品として、本広監督×小川紗良主演による映画「ビューティフル ドリーマー」が11月6日(金)に公開されることが決定した。

「Cinema Lab」は、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えた、通称ATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した映画実験レーベル。「限られた制作予算」のみを条件に、監督の作家性を最大限に生かす「監督絶対主義」で映画を制作していく。

第1弾を手掛けたのは、日本実写映画歴代興収1位の「踊る大捜査線THE MOVIE2」で監督を務めた本広監督。「サマータイムマシン・ブルース」(2005年)、「幕が上がる」(2012年)に続く、青春映画3部作の3作目として、小川紗良主演「ビューティフル ドリーマー」が11月6日に公開される。

原案は、同じCinema Labのメンバーで、本広監督がリスペクトしてやまない押井監督がこの映画のために書いた「夢見る人」。

舞台は、本広監督も学生時代に所属した「映画研究会」。映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが“いわくつきの台本”の映画化に挑んでいく。

本広監督は、新たな試みとして、完全な脚本を用いず、おおよその筋だけを立て、現場で俳優や監督が口頭の打ち合わせで芝居をまとめる“口立て”を用いた手法で演出した。

監督としてメンバーをリードする主人公のサラを演じるのは小川紗良。カメラ担当でサラを支えるカミオに神尾楓珠、助監督兼雑用係として奮闘する映研のムードメーカー、モリタに劇団ナイロン100℃所属の森田甘路。プロデューサーのリコを藤谷理子、メイク担当のシエリを、札幌の劇団イレブンナイン出身のヒロシエリ、録音担当のウチダを、劇団スポーツの主宰の内田倭史が演じる。

また、映研OBとしてメンバーを支えるタクミに斎藤工。確かな演技力で撮影に貢献するサヤカに、秋元才加。さらに、瀧川英次、升毅が出演する。

映画「ビューティフル ドリーマー」出演者

本広克行監督 コメント

本広克行監督
本広克行監督

シネマラボというレーベルは、当初小中監督から「現代のATG」を作らないかという提案から始まりました。ラボ=実験。予算に制限がありながらも監督の作家性を最優先し、後世に残る作品を生み出す事を目的としたレーベルです。
映画はオールドメディアであり、長い間その形を変えていません。それをどのような形で進化させるのかをいつも考えています。興行的には、厳しいかもしれません。でも、やらないと後世に残る映画は作れない。作家性のある作品が少なくなっている今、次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか、というのをずっと思っていました。その土台に、押井監督、小中監督、上田監督をはじめ私たちがなれればいいと思っています。
その第一弾となったのが、「ビューティフルドリーマー」です。ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回のために押井監督には「夢みる人」という原案となる本を書いてもらいました。
当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会にし、主演を小川紗良さんに演じてもらいました。小川さんは実際に大学で映画研究会に入って作品を作っていて、自然と出る演出する言葉を知っているのと、信じた事に周りを巻き込んで猛進して行きそうな強いまなざしが今回の主演に絶対に必要な人でした。
全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの「実験」として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。
ぜひこの不思議な映画を、多くの人にいろいろな感情で楽しんでもらえればと思います。

小川紗良 コメント

小川紗良
小川紗良

大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。映画サークルって、いろいろな珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、機材が壊れたり、しょうもないことでケンカしたり、色恋沙汰がもつれたり。それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。“伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。本当に、映画サークルって変。
それでも、サークル活動や映画撮影の在り方が変わり果ててしまった今となっては、あの変な日々も懐かしく思えたり。2020年、思いがけずこの映画は「癒し」になるかもしれません。
人と人との距離の近さが生む珍事件たちに、ぜひ心をふっと緩ませてみてください。
夢みる人、そしてかつて夢みた人に、届きますように。

作品情報

映画「ビューティフル ドリーマー」
2020年11月6日(金)テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

出演:小川紗良 藤谷理子 神尾楓珠 内田倭史 ヒロシエリ
森田甘路 斎藤工 秋元才加 瀧川英次 升毅 他

監督:本広克行
原案:押井守『夢みる人』
脚本:守口悠介
キャラクター設定・構成:奥山雄太(ろりえ)、横山翔一
脚本協力:高井浩子
製作:勝股英夫(エイベックス・ピクチャーズ)、石川光久(Production I.G)
エグゼクティブプロデューサー:西山剛史 森下勝司
企画・プロデュース:穀田正仁 稲葉もも
プロデューサー:雨無麻友子
アソシエイトプロデューサー:上久保友貴
宣伝プロデューサー:高原万平
撮影:川越一成
照明:木村伸
録音:倉貫雅矢
美術:相馬直樹
編集:岸野由佳子
サウンドデザイン:大河原将
VFXスーパーバイザー:大見康裕
音楽:菅野祐悟
装飾:桑田真志
衣裳:中島エリカ
ヘアメイク:堀奈津子
監督補:山口淳太
助監督:松田祐輔

制作プロダクション:LDS
配給:エイベックス・ピクチャーズ
製作:映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会 エイベックス・ピクチャーズ Production I.G 清栄コーポレーション ポニーキャニオン

公式HP:https://beautifuldreamer-movie.jp/
公式Twitter: cinemalab_jp
公式Instagram:cinemalab_jp

©2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会

この記事の写真

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