8月15日(土)に放送された特集ドラマ『太陽の子』(NHK総合)。このテレビドラマとは違う視点で描かれた映画の公開が、2021年に正式決定した。さらに出演者の柳楽優弥と有村架純、黒崎博監督よりコメントも到着。
終戦75周年を迎えた2020年。この記念すべき年に発表された「太陽の子」は、NHKとELEVEN ARTS Studios(USA)による、日米合作作品として製作された。
大きな感動を呼んだテレビドラマ版とは異なった視点で描かれる映画では、時代に翻弄された修(柳楽)・世津(有村)・裕之(三浦春馬)、それぞれの想いが交錯する感動ドラマと共に、「原爆開発」の依頼を受けた修をはじめとする研究員の情熱と葛藤を臨場感たっぷりに、より深く描きだしていく。
「セカンドバージン」や連続テレビ小説『ひよっこ』の黒崎博監督のもと、音楽には「愛を読む人」のニコ・ミューリー、サウンドディレクターに「アリー/スター誕生」のマット・ヴォウレス、声の出演には「ジョン・ウィック」のピーター・ストーメアなど、ハリウッドの第一線で活躍するキャスト・スタッフが参加。国際色豊かでハイクオリティな日米合作作品として、期待が高まる。
本作の舞台は、戦況が激化し、最終局面を迎えた1944年。京大物理学研究室は「どの国よりも早く、原爆を作る」という依頼を受ける。そこで研究に勤しむ実験好きの若き科学者・修と研究員たちは、託された国の未来のために情熱的に核エネルギーの研究を進めていく。だが、その一方で科学者として兵器開発を進めるべきなのか葛藤を抱えることに。
そんな中、戦地から修の弟・裕之が一時帰宅。また、兄弟が秘かに想いを寄せる世津も家を失い、幼なじみである修の家に住むこととなる。入念なる歴史考証を元に制作された本作は、原爆開発を背景に、第二次大戦下の日本を熱く生きた若者たちの姿を丁寧に映し出していく。
戦争が悲惨さを増していく最中、図らずも国の未来を託された若者たち。情熱の全てを注ぐこの道は正しいのか、研究を進めるべきなのか。愛する人のため、国のために迷いながらも進み続ける研究者たちが、最後に目にしたものとは…。
この度の発表にあたり、柳楽は「私が演じた修は、研究に対する情熱を燃やしながら自分の行為に疑いを持ち、葛藤していきます。彼の問いを意識しながら、監督と毎日話し合い、自分たちの中での答えを探しながら演じさせていただきました」と、役作りについて振り返った。
有村も「今自分が見ている景色と同じように、太陽の光や緑豊かな木々、何もかも鮮明に映し出され感じ取っていたに違いないと思うと、生きてゆく日々が当たり前でないことを痛感しましたし、再び惨劇の場とならないよう願いたいと思います」とメッセージを寄せる。
黒崎監督は「若者たちは今その刹那に命を燃やして生きる。その先に何が待っているかは誰にも分かりようがなく、だからこそ命は尊い。この映画にはそんな人生の一瞬一瞬が刻まれています」と、本作についての思いを語った。3名からのコメント全文は、次ページを参照。