映画「あのこは貴族」の公開日が2月26日(金)に決定し、高良健吾・石橋静河・山下リオら追加キャストも発表された。併せて、3名と原作者の山内マリコよりコメントも到着。さらに、ティザービジュアルと特報映像も解禁となった。
都会の異なる環境を生きる2人の女性が、恋愛や結婚だけではない人生を切り拓く姿を描いた本作。監督は初のオリジナル長編作品「グッド・ストライプス」で、新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子。原作は、映像業界が注目する山内マリコによる同名小説だ。
主人公の箱入り娘・華子役は門脇麦、地方から上京し、自力で生きる美紀役は水原希子が演じる。さらに今回、追加キャストとして、奇しくも2人を繋ぐこととなる弁護士・幸一郎役に高良健吾、華子の学生時代からの友人でバイオリニストの逸子役に石橋静河、美紀の友人で同じ名門大学に入学する平田役に山下リオが決定。
そのほか、銀粉蝶、佐戸井けん太、篠原ゆき子、石橋けい、山中崇、高橋ひとみ、津嘉山正種など、実力派俳優が集結した。20代後半から30代にかけて、息苦しさを抱える女性たちが軽やかに変化していく姿を、最後の青春譚として静かに紡いでゆく。
出演にあたり、高良は「当時、意識していたことを現場がアップしてから時間が経つにつれ、自分の中でより大きな意味を持っていることに驚いています。本当にいい経験をさせてもらいました。映画自体も時間がひとつのキーワードです」と、当時を振り返りながら作品を語る。
石橋は「今回、初めてプロのバイオリニストの役を演じることになり、短い期間でしたが猛特訓をして、肩がガチガチに凝りながらも、なんとか自分なりの精一杯を形にしました」と、役作りについてを明かした。
山下も「撮影中、岨手監督は、優しく背中を押し続けて下さいましたし、希子ちゃんとは、旧友のように居心地よくいさせて頂きました。あの一瞬一瞬が、すべて愛おしい時間です。ありのままの自分を抱きしめてあげたくなる映画になっているのでは」と、愛が伺えるコメントを寄せている。3名と原作者の山内からのコメント全文は、次ページを参照。
今回解禁された特報では、お見合いの末、幸一郎との結婚生活をスタートした華子だが、彼に「華子には夢なんかあるの?」と、結婚することのみにしか関心がなかったことを言い当てられてしまう。一方で、華子とは一見接点などなさそうな美紀だが、幸一郎と楽しげにパーティで過ごしている様子が…。
そして、美紀を偶然見かけた華子がタクシーを降り、自転車で通り過ぎる彼女を呼び止める瞬間までが切り取られている。2人がこの出会いをきっかけに、どのような決断をし、人生を切り拓くのか。その先の展開が楽しみになる映像だ。
また、同時に解禁されたティザービジュアルは、「ミッドサマー」「デッド・ドント・ダイ」などで知られるグラフィックデザイナーの大島依提亜、人気イラストレーターの塩川いづみがイラストを描き下ろしたもの。異なる階層に生き、身に纏うものが異なっていても、中身は同じ女性であると、シンプルな線で描くことで気づきを与えてくれるビジュアルとなっている。
<動画>
特報
<高良健吾 コメント>
それぞれの一生があり、そこにある当たり前のズレが、それぞれの一生に色を添えていて、すべてがひとつの生き方で、この役だからこそ思うことが多くありました。その加減を監督と話し合うことが多く、役としての立場を監督は包み込んでくれていたと思います。そして、感覚的な演出がいろんな気づきを与えてくれて楽しかったです。
当時、意識していたことを現場がアップしてから時間が経つにつれ、自分の中でより大きな意味を持っていることに驚いています。本当にいい経験をさせてもらいました。映画自体も時間がひとつのキーワードです。
わからない正解が多い中、この映画はいろんな今。が押し付けられることなく切り取られていると思います。
<石橋静河 コメント>
今回、初めてプロのバイオリニストの役を演じることになり、短い期間でしたが猛特訓をして、肩がガチガチに凝りながらも、なんとか自分なりの精一杯を形にしました。お芝居の面では、門脇麦さんと水原希子さんという人間的にも素晴らしいお2人とご一緒できたことがとても嬉しかったです。ぜひ劇場でご覧ください!
<山下リオ コメント>
私は、日々生きていく中で、社会には見えないカーストがあるのでは?と思うことがあります。そして、その社会の目を気にしながら、自由に生きることは難しい。台詞の一言一言に共感し、そんな社会に生きる女性たちが、足掻きながらも成長し、逞しく生きていく姿に、いつしか私自身がリンクし、演じながら勇気をもらっていました。
撮影中、岨手監督は、優しく背中を押し続けて下さいましたし、水原希子ちゃんとは、旧友のように居心地よくいさせて頂きました。あの一瞬一瞬が、すべて愛おしい時間です。ありのままの自分を抱きしめてあげたくなる映画になっているのでは。
是非、たくさんの方に観ていただきたいです。
<原作者・山内マリコ コメント>
映画「あのこは貴族」、正直に言ってわたし、ものすごぉーく気に入ってます。2021年の日本映画の大収穫のひとつなんじゃないかと。
籠の鳥のようなヒロイン華子は、いつも安全なタクシーの中から、2度目のオリンピックを夢見て普請中の東京を眺めます。そして上京者という名の越境者であるもうひとりのヒロイン美紀は、バッグを斜めがけにして自転車を漕ぐ。異なる階層に属する2人を岨手監督は、移動手段ひとつとっても映画的にアプローチしている。
その演出力は本当に見事で、主役から傍役まで役者さんたちは誰もがその役柄を生きていて、命が吹き込まれるってこういうことかと唸りました。深みのある映像、美術、衣装、音響、どれをとっても丁寧ないい仕事ばかり。映画を観るよろこびをビリビリ感じます。
世襲され固定化した社会階層と、女性をしばる価値観。女同士を分断させてなるものかと橋をわたす、逸子の存在。原作に込めたメッセージを大事にしてくれているのは、監督の作家性とこの物語が、ちゃんと共鳴しているからにほかなりません。監督ありがとう。岨手監督に撮ってもらえて、とても幸せな作品となりました。
<作品情報>
「あのこは貴族」
2021年2月26日(金)全国公開
監督・脚本:岨手由貴子
出演:門脇麦 水原希子 高良健吾
石橋静河 山下リオ 佐戸井けん太 篠原ゆき子 石橋けい 山中崇
高橋ひとみ 津嘉山正種 銀粉蝶
原作:山内マリコ「あのこは貴族」(集英社文庫刊)
配給:東京テアトル/バンダイナムコアーツ
<WEB>
公式サイト:https://anokohakizoku-movie.com/
公式Twitter:@aristocrats0226
公式Instagram:@aristocrats0226
©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会