全国公開を10月16日(金)に控えた映画「スパイの妻」の配信トークライブが、10月7日(水)に開催。主演の蒼井優・高橋一生・黒沢清監督が登壇し、第77回ヴェネチア国際映画祭で受賞した銀獅子賞のトロフィーもお披露目された。以下、オフィシャルレポートを掲載する。
日本を代表する映画監督・黒沢清の最新作となる本作。主演は、実力派女優・蒼井優。儚げでいて芯の強さを持ち、夫を愛し抜く聡子を圧倒的な存在感で演じている。「ロマンスドール」に続いて蒼井と夫婦を演じる高橋一生は、正義の遂行のために手段を選ばない純粋な夫・優作を魅力的に体現。さらに夫婦を取り巻く役者も、日本映画界を代表する俳優たちが集結した。
10月7日(水)に開催された本作の配信トークライブには蒼井、高橋、黒沢監督が登壇。つい先日、ヴェネチアから到着した銀獅子賞のトロフィーを前に、黒沢監督は「ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選ばれただけで、もう十分幸せだったんですが、おまけにこのような賞をいただけて…。そのニュースを聞いたときは『やった』と思いつつ実感がなかったんですが、このトロフィーが届いて、なにやら映画の歴史に名前が刻まれたんだなという感慨がわいてきました」としみじみ語る。
初めてトロフィーを目にしたという蒼井は「人生でこんな近くで見ることができるなんて…。触れる距離にあるんですけど(おそれ多くて)全然触ろうと思わないというか、すごい圧があります」とおののくと、高橋も「同じくです。ここにあるという現実感がないです」と実物を前にし、緊張の面持ちに。
この日のトークは、事前にファンから集められた質問およびリアルタイムでTwitterに寄せられた質問に、可能な限り3人が答えていくという形式で進行。
劇中、1940年代の時代に合わせた様々な衣装が登場するが、お気に入りの衣装を尋ねられた高橋は、蒼井が映画のポスターでも着用している「黄色いワンピースが可愛かった」と話し、自身も同様にポスターで着用していたスーツがお気に入りだと述べる。一方の蒼井は、「山に行くときのモンペが好きです。モンペを着ると落ち着くんです(笑)」と意外な回答をしていた。
続けて、蒼井が黒沢監督について「今回で(一緒に仕事をするのは)3本目なんですが、初めて監督が神戸の出身で、関西人なので笑いをなるべく大切にされていると伺って…。現場では寡黙なイメージがあったので意外でした」と明かし、高橋も「まさか笑いを取ろうと思っているとは…(笑)」と驚きを口にする場面も。
また、互いの印象や魅力を尋ねられた高橋は、「夫婦役は2度目だったんですが、お芝居に関しては全幅の信頼を置いているので、楽しみで仕方がなかったです」と笑顔を浮かべる。蒼井も「尊敬している先輩なんですが、一緒に何かを作るということをさせていただけるのがありがたいです。すごい先輩であることを知りつつ、一緒に歩んでくださることに感謝しています。できればまた共演したいです!」と再共演を熱望していた。
本作について、高橋は「見方によっていろんな捉え方ができる映画。根幹にあるのは、人が人を思うということ、人間的に生きていくための根源的なテーマが随所にまぶされている作品だと思います」と分析する。
蒼井も「人によってはホラーよりも怖い映画だと思います。夫婦の映画でありながら、ミステリーであり、謎がたくさんあって、見る人の数だけ答えがあります。ぜひ劇場で面白さと恐ろしさを楽しんでください」とアピールした。
黒沢監督は、改めて蒼井と高橋について「すさまじいお芝居を見せてくれる」と絶賛。「時に剛速球を、時にはすごい変化球が見ている方に飛んでいくので覚悟してご覧ください。それはみなさんを傷つけるのではなく、必ず心の中に刺さっていくと思いますので、どうか真正面から受け止めてください」と自信をのぞかせ、トークライブは幕を閉じた。
<開催概要>
「スパイの妻」配信トークライブ
2020年10月7日(水)東京・ユーロライブ
登壇:蒼井優、高橋一生、黒沢清監督
<作品情報>
「スパイの妻」
2020年10月16日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー
キャスト:
蒼井優
高橋一生
坂東龍汰 恒松祐里 みのすけ 玄理
東出昌大 笹野高史
監督:黒沢清
脚本:濱口竜介 野原位 黒沢清
音楽:長岡亮介
配給:ビターズ・エンド
配給協力:『スパイの妻』プロモーションパートナーズ
<WEB>
公式サイト:http://wos.bitters.co.jp/
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