菅田将暉、有村架純W主演で送る映画「花束みたいな恋をした」が1月29日(金)より公開。偶然に出会い恋をした2人の5年間を描く、脚本家・坂元裕二による映画オリジナルのラブストーリーで、監督は「罪の声」などの土井裕泰が務める。公開に先駆け、完成報告イベントが行われ、菅田、有村、土井監督が登壇した。
完成報告イベントを迎え、菅田は「今日はこんな状況の中、表舞台でごあいさつできることを感謝しております」、有村も「新年も明けまして、無事にこの映画が皆様に届くと思うと、とても楽しみです。無事に公開できることがこんなにありがたいことなんだなと、ひしひしと感じています」と感想を。また、土井監督は「実は去年の1月12日、今日からちょうど一年前がクランクインの日でした。思いもしないことがたくさん起きた一年でしたが、完成を報告させていただけることが本当にうれしいです」と完成を迎えた喜びをしみじみと振り返った。
完成した作品を見て菅田は「現場は順撮りでやらせてもらったので、本当にただただ2人で生活して、思い出を作って育んだものが爆発するという流れがリアルに描かれていました」と感想を。いっぽう有村は「撮影の1か月半、すごく濃厚で充実した時間を過ごせたので、映画を見た時にも私の中にまだ絹がいて、ずっと続いていくんだろうなと不思議な感覚になりました。坂元さんが脚本をされているせりふや空気感は、今生きている人たちにものすごく刺さるような作品になったんじゃないかなと思いました」と絹の心を宿しながら作品を楽しんだ様子。
本作の脚本は多くの名作を世に送り出している坂元裕二によるオリジナル長編ラブストーリーで、その脚本を土井監督は「麦と絹という2人の主人公が、本当にどこかの町でちゃんと生きている人たちに見えるよう意識しました。出会ってから告白し、付き合って、暮らし始めるまで。彼らには毎日自由に演じてもらったし、1つひとつの場面にうそがないよう日記のように積み重ねていけば、最終的にはたくさんの人に伝わる普遍的なラブストーリーになるかなと、描いていました」と丁寧に作り上げたという。
恋人同士の2人の姿にキュンとするシーンも多い本作ですが、菅田が一番ドキドキしたシーンを問われ「信号待ちでのキスシーン」と上げる。「一回キスした後に、『こういうコミュニケーションは、頻繁にしたいタイプです』という有村さんのせりふ。あれは名言です、言われてみたいですねえ」と答え、会場は笑いに。有村も同じ信号待ちでのキスシーンにドキドキしたそうで、「(『信号はまだ変わらなかった』『押しボタン式信号だった』『サンキュー、押しボタン式信号』というモノローグについて)押しボタン式信号って、こういうふうに使うことがあるんだ! と思いました(笑)」と笑顔を。土井監督は「僕は最後のファミレスのシーンです。菅田君ともファミレスってこういう話してるよなあ、家ではなくファミレスで話すことに意味があったよね、と話していたんです。家だと話がまとまらないから、ファミレスで世間の人とつながりながら、自分を律しながら冷静に話さないといけない。見ていてヒリヒリしました」と語った。
イベントでは「花束みたいな恋をした」というタイトルにちなんで“花束を選ぶと選んだ相手への本当の思い”が分かる花束占いを実施。流光七奈(りゅうこうなな)先生監修による本格的な花束占いで、5種の花束の中から、菅田は有村に贈りたい花束を、有村は菅田に贈りたい花束をそれぞれ選んだ。
初めに菅田が、「直感的に目がいきました。今日の有村さんの格好にも似合いそうで、関西人の黄色い部分と、東京に出て仕事をしている赤い部分が、グラデーションでオレンジがかっているところがぴったりだと思います」とオレンジ色のラナンキュラスの花束を選択。「相手をとても信頼しているようです。お互いに安心できる環境の下、多くを語らずとも、大切なことが分かり合えたり、お互いの失敗をカバーし合えるような、信頼にあふれた関係を続けていきたいと思っているようです」という結果に、「めちゃくちゃ当たってますね」と菅田さんもびっくり。それを聞いた有村さんも「主演をやらせていただく時はお芝居のこと以外にも、周りのことを考えて引っ張っていかないといけないですが、菅田さんがいてくれたことによって、お互い主演の負担を分散できたし、一緒に作品を作った同志だと思っているので、すごくうれしいです」と占い結果を喜ぶ。
いっぽうの有村は「今の髪形とすごく似合う!(笑)髪形で表情も変わるし、今は紫色を渡したい気分でした」と紫色のヒヤシンスの花束を用意。「相手の喜ぶ顔が見たいと思っており、相手に何かをしてもらうよりも、自分が相手に何かをしてあげたいと望んでいます。打算などとは無縁に、ひたむきにお互いを励まし合い、共に成長していけることを望んでいるでしょう」という占い結果に「なるほど…僕は心配されているんですね(笑)。でも確かに、会うたびに『今何やっているの? 頑張ってね!』っていつも励ましてくれるかも」と菅田。有村は「さまざまなジャンルでご活躍されているし、私がお芝居を考えている以上に、物事やモノづくりのことに対して考えていらっしゃると思うので、ちゃんと疲れたーとか吐き出せているのかな? って、しっかりしている人ほど心配になりますね」と。
最後に、菅田が「坂元さんも仰ってましたが、この映画は恋愛自体の面白さや楽しさ、滑稽さやかわいさがすごく丁寧に描かれています。結末以上に、2人の人間がどのように出会って、何を共通言語に2人の時間を育んだのか。恋愛経験がある人は、過去のいろいろな思い出がほじくられて、こしょばくもいとおしくなるような映画です。この映画を見て、ぜひ温まってください」、有村は「この物語は男女問わず、世代問わず皆様の中にもしまってあるような思い出だったり物語があるのかなと思います。この作品を見終わった後に、まぶしい記憶に思いを馳せて、少し口角を上げて帰っていただけたらうれしいです。恋愛の醍醐味ってこうだよな、ということがたくさん詰まっているので、温かく麦と絹を見守って見てください」とメッセージを送り、イベントは幕を閉じた。
映画「花束みたいな恋をした」は1月29日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開