湯浅政明監督による劇場アニメーション映画「犬王」が、第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出。2022年初夏の上映が決定し、W主演を務めるアヴちゃん(女王蜂)と森山未來らのコメントと特報映像が解禁された。
本作は、室町の知られざるポップスター“犬王”から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで表現するミュージカル・アニメーション。湯浅監督に加えて、キャラクター原案に松本大洋、脚本に野木亜紀子という気鋭のクリエイターが集結した。
「平家物語 犬王の巻」(古川日出男・著)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く本作。世界最古の舞台芸術“能楽”の世界でスターダムに駆け上がり、友情を紡ぐ犬王と友魚をアヴちゃん(女王蜂)と森山未來が演じる。
日本の長編2Dアニメーションが、ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門に選出されるのは今回が初。選出の知らせを受けた湯浅監督は「室町時代にロックな演奏で歌唱で舞で、自分の生き方を貫き、宿命的な奈落から駆け上がっていった2人。映画は見ているだけで胸が熱く、あがるものになるはずです」と作品に込めた想いを語った。
また、W主演を務めるアヴちゃんと森山は公私ともに仲が良く、映画「モテキ」以来10年ぶりの共演。森山は「現存する能楽が確立される前なのだから自由な発想で演じられていい、という考えのもとに湯浅監督が生み出したぶっ飛び能楽アニメーション『犬王』。琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした」と明かす。
そんな本作で非常に重要となる音楽を担当するのは、『あまちゃん』『いだてん〜東京オリムピック噺〜』なども手がけてきた大友良英。湯浅監督とは初のタッグとなる大友は「気づくと自分も『犬王』の世界にすっかり没入していました。とんでもない作品です。大傑作です!」と本作への熱量を表現した。
さらに、アヴちゃんの歌声、森山のせりふ、大友の音楽、湯浅監督のイマジネーションが散りばめられた特報も解禁された。室町時代の京都を舞台に、躍動感あふれるアニメーションで描かれる犬王と友魚。そこに、伸びやかでいて、高音から低音まで縦横無尽に飛躍する犬王の歌声が重なっていく。
音楽と映像表現が一体となったグルーヴ感を放ち、まさに湯浅アニメの真骨頂を垣間見せる特報映像に本作への期待が高まらずにはいられないだろう。アヴちゃん、森山、大友、湯浅監督からのコメント全文は、次ページに掲載。
動画
特報