映画「キネマの神様」の公開記念舞台あいさつが行われ、菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子と山田洋次監督が登壇した。
日本映画界を代表する山田監督の下、沢田研二と菅田がW主演を務める松竹映画100周年記念作品。1950年代頃の日本映画の黄金期と現代を舞台に、夢を追いかけ、夢に挫折しながらも“映画の神様”を信じ続けた主人公・ゴウ(沢田、菅田)が、時代を超えて織り成す“夢”と“愛”と“奇跡”に満ちた感動の物語。
ついに公開を迎え、山田監督は「去年3月にクランクインしたんですけど、何度も中断して、苦労しながら出来上がったという感じです。そしてようやくこうして封切の日を、コロナのことが解決しないままに迎えて、とても感慨無量です」とあいさつした。
主人公ゴウの若き日を演じた菅田も「50%ですけど、お客さんがいる状態での舞台あいさつは本当に貴重な時間なので感慨深いです」と、この時間をかみしめるように客席に向けて語りかけた。
映写技師・テラシンを演じ、主題歌「うたかた歌」の制作も担当した野田は「志村(けん)さんが倒れられたと聞いて、コロナで撮影もストップして、あんなすてきな撮影の思い出や経験がなかったことになっちゃうのかなという恐怖心で自粛期間を過ごしていて、だったら音楽にするしかないなって。僕なりの貢献がしたかったというのが入り口なんです」と、楽曲が出来上がるまでのエピソードを披露。
共に「うたかた歌」を歌う菅田は「感謝の気持ちを込めたお手紙ですって曲を頂いて、本当に感動しましたし、山田組や世の中全体みんなが動けない中でなんとか動き出そうという気持ちにさせてくださって」と楽曲を受け取ったときの思いを振り返った。
銀幕女優・園子を演じた北川は、本作で小津安二郎監督の映画「東京物語」を再現したシーンに挑戦。「冷や汗です(笑)。世界中にファンがいる映画の有名なシーンのオマージュを演じるということで、原節子さんを超えることは絶対できないんですけど、なるべくお芝居を近づけてやりたいなと。あとは真似するだけではなくキャスティングしていただいたんだから、自分らしさも残せたらなと思ったんですけど、パニックになりながら終わりました」と明かした。
現代の淑子を演じた宮本は「ゴウちゃんはどうしようもない男なんですけど、淑子にとってはそういう人でも生涯愛する人に巡り合ったという幸せがあったと思います」と淑子が歩んだ人生を語った。
本作ではもう一曲印象的な楽曲として、沢田演じる現代のゴウが志村けんさんの「東村山音頭」を歌うシーンがある。志村さんの代役としてこれまで多くを語らずにいた沢田から、公開に当たって思いをつづったコメントが寄せられた。
<沢田研二 コメント>
『志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。』
あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。
詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。
わたしはこの作品を封切り館で“初めて”観ようと思っています。
この沢田の言葉に、山田監督は「初めてコメントを聞きましたが、やはりこの仕事を引き受けるのは沢田さんは相当な覚悟だったんだろうなと、あらためて感じます」と。
菅田も「一度現場に行かせていただいて、ちょうど『東村山音頭』を歌うシーンの直前だったのかな、ものすごく集中されていて、沢田さんのこの作品へ臨む思いがあふれ出ていたので、完成を楽しみにしていました。同じ人物を演じられたというのはすごく光栄です」と語った。
最後に菅田が「映画は公開するとお客さんのものという感覚があるのですが、公開するまでどれだけ映画に携われるかというのが楽しみだったりするのですが、そういう意味では今までで最長の長さ一緒にいれたなと思うし、十分に愛でる時間をいただけたと解釈すれば、すごく感謝だなと思いました。いろんな事を知っていく中で、今の自分の仕事である映画というものが、どれだけかっこよくて、自分のしんどかったり大変だったりする日々に誇りを持てるようになりました。そんな映画です。ぜひ楽しんでいただけますと幸いです」とメッセージを送った。
作品情報
「キネマの神様」
公開中
出演:沢田研二、菅田将暉
永野芽郁、野田洋次郎、北川景子、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子
監督:山田洋次
主題歌 :「うたかた歌」RADWIMPS feat.菅田将暉(Muzinto Records/EMI)
公式サイト :https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama
公式Twitter:https://twitter.com/kinema_kamisama
公式Instagram:https://www.instagram.com/kinema_kamisama
©2021「キネマの神様」製作委員会